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準備とジョン爺

逆行してから3年、いよいよ計画が動き出します。

お忍びで街に行くという設定上平民の服は必要でしょう。

私は裕福な商人の娘に見えるような服を用意してもらいました。

最初はその行動に怪訝な表情をしていたモニカもお父様が認めているということから協力してくれるようになりました。

こうなると優秀であり凝り性だったモニカは如何に貴族には見えず、かといってただの平民には見えないというギリギリのラインで私を着飾ってくれます。

その結果、派手な装飾品は無いですがシンプルに仕立ての良いワンピースとそれに合わせたベレー帽というスタイルになりました。


(自分で言うのも何ですがよく似合っていますわ。

流石はモニカですわね)


鏡の前で何度かポーズを取り満足した私は


「当日はこの服装で参りますわ」


とモニカに伝えて自室を後にします。

やってきたのは我が家の庭です。

ここには立派に整えられた庭園があり、それを庭師のジョンが一人で保ってくれています。

ジョンは今年で65になるお爺さんで、私はジョン爺と呼んで慕っていました。

残念ながら5年後の70になる前に寿命で亡くなってしまいましたが、再び会えた時には淑女にあるまじく大号泣してしまいました。

それほどに本当の祖父のように慕っておりました。

この話を聞くたびにお父様が不在の間に領地を仕切っているお爺様が嫉妬なされておられましたが。

私は庭の木を剪定しているジョン爺を見つけます。


「ジョン爺、ごきげんよう!」


「お嬢様、ご機嫌麗しゅうございます」


お互いに貴族のような挨拶をした後に笑いあいます。

実はこれは最初に顔を合わせた時の冗談のようなもので私とジョン爺は2人の時は普通に話しています。

それは側から見ると仲の良い祖父と孫に見えることでしょう。

そんな心許せる人だからこそジョン爺に頼みたいことがありました。


「ジョン爺にお願いがあるんだけど聞いてくれる」


「お嬢様のお願いならなんなりと。

但し、旦那様から許可を得られてないことに内容によりますぞ」


「実は平民街にお忍びに行く予定があるのです。

その時にジョン爺に一緒に来てほしいの」


その話を聞くとジョン爺は目を見開いた、


「なんと!それは旦那様には?」


「もちろん、許可を貰っているわ。

当日は秘密裏に護衛が付くそうですが側には大人も必要になるのよ。

そこで普段お抱えの商人からだけでなく自ら街に行って庭具を選んでいるジョン爺に来て欲しいの。

ついでに私は平民の格好をしているのでお爺様と散歩をしているという設定にしたいの」


「なるほど。

旦那様の許可が得られているなら爺に何の不満がございましょうか。

何より老い先短いこの身でお嬢様とデートが出来るとあらば喜んで。

当日はしっかりとエスコート致しましょう!」


「まぁ、ジョン爺ったら。

でも、嬉しいわ。

素敵な殿方のエスコートに憧れていましたもの」


「ほっほっほっ。

年甲斐もなく張り切ってしまいますな」


そうして暫くジョン爺と話してから私はジョン爺に別れを告げる。


「もうそろそろ戻らなくては。

それじゃ当日はお願いね。

それと、その日はジョン爺の予想外のことをするかもしれないけど全てお父様の許可は下りていると思ってちょうだい」


「ふむ、何かは分かりませんが了承しました。

当日はそのことも含めて楽しみにさせて頂きましょう」


「ありがとう、ジョン爺!」


私はもう一度ジョン爺の元に行くと抱きつき頰にキスをしてから小走りに去って行きました。

庭師のジョン爺のイメージはハ○ジのお爺さんを思い浮かべてください。

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