↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
13/127

クルドア・クロード 2

娘との面会時間になりドアをノックする音が聞こえる。

入室を促すとそこには見慣れた我が娘が現れる。

しかし、その直後に彼女は背筋は真っ直ぐ片足を後ろに引き、もう片方の足は膝を曲げ、引いた足を後ろにクロスさせた。

それは誰に見せても恥ずかしくない完璧なカテーシーであった。

娘にはまだ貴族の教育を施していない。

そもそも、我が領から娘を呼んだのも王都で家庭教師をつけて教育を施す為という理由もあったのだから。

混乱しているが完璧な挨拶に答えなくては私の方が教育が必要な立場になってしまう。

私はその挨拶に答えるとエリカに席に座るように促した。

席に座っているエリカの背筋はピンと伸び微動だにしない。

昨日までの彼女は5歳らしく足をブラブラさせたりしていたものだが、その幼児特有の落ち着きのなさが一切無くなっていた。

見た目は間違いなく子供だ。

しかし、彼女が纏う雰囲気は上級貴族の奥方と同じかそれ以上のものを感じていた。

彼女は間違いなく私の知っているエリカ・クロードでは無かった。


彼女の話を聞いていくと私の推論に間違いがないことが証明される。

彼女は未来から来て王太子殿下と婚約し、未来の王妃として教育されていたのだという。

その成果を全身で表しているエリカに私は満足げに頷く。

彼女は何処に出しても恥ずかしくない王妃に相応しい教養を身につけたのだと。

しかし、話が進んでいくうちに私は不愉快な気分になっていく。

肝心の王太子殿下に王としての教養が無さすぎたのだ。

パーティに招待されてもエリカをエスコートせず、主催者を無視して目立ちたがる。

伯爵家以下の者の顔と名前を全く覚えておらず、後ろに立つエリカの耳打ちでその場の凌ぎの挨拶を行う。

その状況を気付かない貴族たちではない。

力を持っているのはエリカの方だと気づいてエリカが持て囃されると不機嫌になる。

そしてパーティでの態度を諌め貴族の顔と名前を覚えるように促すと怒り出しサッサと帰ってしまう。


・・・頭が痛くなる話だ。

幾ら王太子殿下とはいえ、そのような馬鹿に可愛い娘を嫁がせて良いものだろうか?

しかし、娘がフォローしなければ間違いなくこの国がダメになる。

国か娘か?

そんなことを考えていると今までの話が全く可愛い程度の話だと思い知らされる結末を聞かされた。

その馬鹿は公式の場で一方的に婚約破棄を宣言した後に平民の娘を娶ると言い出したというではないか。

最初は何の冗談かと思ったがエリカの目は真剣だ。

しかし、いくらなんでもそのような事が許されるはずが無いことすら分からないのだろうか?

正直、現実感の無い話すぎて判断がつかない。

私は彼女の話を証明するものが無いか、また何故この時代に遡ってきたのかを尋ねると更に驚くべき話が返ってきたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。