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刷り込み

作者: 清田花音


感覚と刺激

皮膚を通り

神経を通り

筋肉を通って

記憶に刷り込まれていく


味覚と依存

口元を潤し

気管を通過し

胃袋で消失して

その名残だけが

嗜好として刷り込まれていく


聴覚と衝動

鼓膜を振動させ

骨と神経を刺激し

感情として刷り込ませていく


外界の感覚が私を形成する

外界の刺激が私を壊していく

否が応でも形成していき

否が応でも破壊していく

だから笑うこともできるし

泣くことも怒ることもできる


でも

私は多分これらの感覚と感情を

持ち合わせていないであろう


もしかしたら

どこかで壊してしまったのだろう


嬉しいこと

笑ったこと

それらの記憶が消えてしまうんだよ

泣いたこと

怒ったこと

それらだけが記憶に刷り込まれていくだよ


壊れたレコーダーみたい

話す言葉も

聞き取る刺激も

ほぼ機能していないんだ

壊れたロボットみたい

命令に順応なのに動作がおかしいんだ

壊れたおもちゃみたい

流れる音楽がおかしいんだ

メロディが死んでるんだ


おかしいんだ

おかしいんだ

周りから見えている私はおかしいんだ


変なんだ

変なんだ

私の存在はへんなんだ


ややこしいんだ

ややこしいんだ

私の存在がややこしいんだ


周りの笑い声も

周囲の目線も

何もかもが怖いんだ

人ごみも

同調も

何もかもが怖いんだ


でも

その中に溶け込むのは嫌なんだ


自分を失いそうで怖いから

もう私を壊さないで

もう私を止めないで

社会の基準に嵌めないで


私は私

社会の駒に成り下がるつもりないので



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