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武器ダンジョン

 僕とリンは、ダンジョン攻略に向けて出掛けなければならない。

 家こと屋敷はソラとエンちゃんに任せることにした。

 といっても、片付けることや掃除をしなくても、いつも清潔になっている便利な屋敷だからする事無いんだよね。

 僕自身、全部把握してないし。

 その内、屋敷と外の世界をソラ自身で出入りできたら良いのだけれど、それはまた今度考えるとして、次のダンジョンに向かうことにした。

 Gクラスのダンジョンは残り2つ。

 今の僕らから言えば、苦労せず攻略できるだろう。

 今まで無双してきたが、収穫物によっては無双も意味がないよねと話していたので、今回は時間をかけずに戻ってこれるかもしれないと思っている。

 改めて、エンちゃんにソラを任せて屋敷を出た。

 目の前にあるダンジョンの入り口に触れ、ダンジョンに入る。

 「ウゲッ」嫌な音混じりの声がリンから漏れた。

 目の前にいるのは、でっかいヤスデだ。無理もない。

 見た目はムカデだが、ムカデ程頑丈さは認められないものの、円状に(まる)くなり、たむろされている模様。

 僕も、気分が優れないので、今回は近寄りたくないと思い選んだ武器はリンと被る弓にした。

 リンの弓は半弓といい、Dの字の形をしたものに対し、僕のは、和弓である。

 弓の能力は風。

 「今回は弓にするの?私のと形違いすぎるね」「そうだね。どんな風になるか楽しみだ」

 「うん」「いこう」

 キリィリィリィリィと2つの弓がうねり、バシュと音と共に弓矢が飛び、弓矢に刺さったヤスデとその周りのヤスデがチリとなり消えていく。

 そこに残ったのが木の棒であった。


ヤスデ / ヤスデの形をした魔物。1メートル程と少々でかい。 / ー / ー/ (武器)木の棒 / ー / 10文 / 10


 どうやら本当に木の棒だ。

 太くもなく細くもなく、長さはリンの身長より長く、僕の身長より短いほどである。

 「これ、木の棒ってなってるけど、どちらかと言うと杖だよね。ソラねぇにあげたらどうってスキルがいってるよ」「リンってスキルとしゃべってるように言うのね」

 「うん。何か最近喋ってるように聞こえるようになったから、色々してたら喋れるようになってきた。質問や疑問についてのみなんだけどね」「うん。普通に凄いけどな」照れてるリン。

 誉めてはないけど、まー良いか。

 「ソラにあげるとして、使いこなせるのかな?」「んーっとねぇ。ソラねぇの努力次第だって」「そっか」

 「あー後ね、木の棒は特上にして、杖術スキルと料理スキルをあげようかと」「スキルあげるのはいいけど何で?」

 「うんとね。スキルあげる事で、センスが抜群に上がるみたいなの」「そーなんだ」

 「うん。といっても努力は必要なんだけどね」「僕達はそこまで努力してないような」

 「うん。Mp無双のずるいところらしいよ」「マジか」

 ソラへの最初のプレゼントは、どうやら武器、他からみたら木の棒だよ。

 そんな事を思いながら、各部屋を回りプレゼントは完成していった。

 次の階。そこにいたのはダンゴムシであった。


だんご虫 / だんご虫の形をした魔物。1メートル程と少々でかい。 / 丸くまる / ー / (武器)木の槍 / ー / 13文 / 13


 木の槍とある。

 「木の槍って」「木の棒と大差無い」

 「どうするリン」「えーこれは要らないよね」

 「要らないけど、記念に1つだけでも持ち帰る?」「そうーだね。あっ丸まったよ」

 「そう言えば丸まるって書いてあった。でもこういうのって転がってくるパターンじゃ、転がって、転がっ、転が、コロー」「こないね」

 「うん」バシュシュシュシュと倒し木の槍ゲットし次へ。

 3階にきた。

 目の前にいるのは、蜘蛛と百足だ。

 「リンが手にしてる武器はあの蜘蛛が落としたものだよ」「そうなんだ。となると、木刀はあの百足?」

 「そうだよ」「じゃ、イシツブテは」

 「それは、安全地帯の上にいる大岩だね」「大岩なの。えーあれか」

 「あれだね」「ということは、この階は」

 「スルーで良いかな。リンは?」「私もそれでいい」

 4階。

 「足が多い虫って結構いるんだね」「うん。図鑑でしか見たことないけど、ゲジだね。ゲジゲジとも言う」

 「ゲジゲジ?うーん嫌な響き」「そーだね」

 「いい武器出してくれるなら、良いけどね」弓を構え「そーだね。何が出るかな」矢を放つ。

 「出たね。これは?」「これは、石の斧だね。多分」

 「石で出来た斧?要らない」「僕も要らない」

 スルーだスルーとばかりに通りすぎる。


ゲジゲジ / ゲジゲジの形をした魔物。1メートル程と少々でかい。 / 踏む / ー / (武器)石斧 / ー / 20文 / 20


 5階にいたのは、これまた変わった形の虫である。

 脚は6本だが、羽はない。デブっとした腹があり、後ろ脚は異様に長い。

 「竈の近くにいるやつだ」「そうみたいね。僕は実物見たことないけど」

 「そー。けっこう家の中に入ってくる虫だよ」「それ嫌だな。名前は確かカマド・・・」


カマドウマ / カマドウマの形をした魔物。1メートル程と少々でい。 / 突っ込む / ー / 石槍 / ー / 25文 / 25


 「ウマ。突っ込んでくるらしいぞ」「で、何出してくれるの?」

 「どうやら石の槍みたい」「石の・・・槍か。要らないね」うなずく僕。

 「ここまでくると最後のボスもあてにならんかな」「うん。一応ボス倒して駄目だったらそのまま外に出る?」

 

ハサミ虫 / ハサミ虫の形をした魔物。1メートル程と少々でかい。 / 挟む / ー / (武器)青銅の剣 / ー / 250文 / 250


 「どう思う?」「どうって言われても」

 青銅は主に銅と(すず)でできている合金。

 青銅つまりブロンズとして素材として扱えるようになるなら、集める価値もあるだろうが、一度武器アイテムとして認識されたものは、壊れたときにチリとなり消えていく運命。

 使う理由がない以上、コレクションとしか扱えない。

 つまり集める意味がないのである。

 目の前でシャキシャキとお尻のハサミを此方に向けている。

 リンの弓矢はすでに、ハサミ虫に向かって飛んでおり、ハサミ虫の中央に刺さると同時に風がハサミ虫を細切れにし、チリへと消えた。

 ブロンズソードこと、青銅の剣を収納した僕はリンと一緒にダンジョンを出る。

 眩しい光に目を細める。

 太陽はまだ真上を通過していない。

 時間がまだ早いと思う僕たちは、Gクラスダンジョン最後をそのまま攻略しちゃおうということになり、そちらに足を向けるのであった。

 

 

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