チート 鷹仁
今までの中で一番長文です。
朝方眠りについた僕は、夢を見た。
実際夢か判らないが、何か死神の鎌を持ったおばあさんが立っている。
何か言っていたが、何を言っているのか全てを聞き取れなかった。
「まご・・・わく・・・・おわび・・・がみのか・・・・」
うん。解らんと思ってたらおばさんの鎌が光だし、光が球体になり僕の体に吸い込まれた。
その後、急激に力が抜け気を失った。
ベットで寝ていた僕の目の中に眩しい光が飛び込んでくる。
飛び起きて周りをキョロキョロと見渡すと、白衣を着た男の人と制服警官が2人いた。
医者と思われる男の人の手にはライトが握られている。
意識があるか確かめるために、目を開いてライトを当てたのだろう。
「体調は?」と医者が聞いてきた。
「多分、大丈夫です。」と僕が答えると今度は警官が「先生良いですかね?」と聞いていたので、医者がウンとうなずいてその場を立ち去った。
警官に名前と住所を聞かれ答える。
若い方の警官が本部とやらに紹介した所、昨日の夜のうちに捜索願いが出されていたらしく本部から家に連絡が行き母親が迎えに来るそうだ。
警官が何があったか聞いてくるが、本屋で意識を失ったとしか答えられなかった。
まさか、死神に間違えられて魂半分失いましたとも言えず。
言ったところで、まず信用されないし信用されても困惑するだけだから。
走行しているうちに、母親が到着し手続きを終え帰路についた。
今日は月曜日、父さんはと言うと僕が無事だと判ると会社に行ったようだ。
母さんは、専業主婦なので家にいる。
僕は、学校があるはずだが今日のところは、休まされたので午前中から暇になってしまった。
遅めの朝食をとり、自分の部屋に戻り椅子に腰かけると、お尻に違和感がありポケットから小銭とレシートを取り出す。
ここで、本が無いことに気付いた。
本屋で預かってくれてるかもしれないと思いながら、ふとレシートの裏に目をやると文字が浮かんできた。
"今度の日曜日、暇なら下記の所に9:00に来て下さい。死神"
近くといっても歩いて10分ほどの小さい神社を指していた。
それはそれとして、ステータスが気になるのでステータス画面を出して確認すると以前と少し変わっていた。
[種族]人間
[性別]男
[名前]ー
[職業]学生
[Lv]1
[Hp]33
[Mp]33
[疲労度]ー
[体力]15
[知力]20
[力]10
[敏捷]6
[器用]3
[スキル]
持ち物1・装備1・加工1・基礎学習60・基本学習25・世界語1・スキル取得1・職業変更1・収納1
[加護]
死神の加護
名前がーなのは、個人情報だかららしい。
何か、基礎学習と基本学習とさっぱりまとめられてるが、画面をタッチすると国語や算数など個別に出てくる。
世界語も、日本語英語他たくさんの言語が、並んでた。
いや、それよりも気になりますよ死神の加護。
名前だけ聞くなら怖いです恐いです。
恐る恐る画面をタッチするとこのように出てきました。
死神の加護
死神により、与えられた加護で不死に成りやすくなる為の加護。
ステータスが上がりやすくなってます。
[Hp]半分以下になると、Hp全体量が1分おきに全体量の1割増加。1になると気絶0になると死亡、たまに復活出来る。気絶以上でHp全体量が倍に成ります。1分おきに全体量の1割回復する。
[Mp]半分以下になると、Mp全体量が1分おきに全体量の1割増加。0になると全体量が倍に成りますが、10分間回復しません。
[疲労度]上がりませんが、疲労度分は全てHpへ影響します。Hp管理を十分に行って下さい。
[体力]一定以上の運動等すると上がります。
[知力]一定以上の勉強等すると上がります。
[力]一定以上の力を使うと上がります。
[敏捷]一定以上の素早い動きをすると上がります。
[器用]一定以上の細かい作業をすると上がります。
つまり、疲れない体になった。
そして、Hpが少ないうちはすぐ死にそうになる体だが、鍛え方次第ではすぐにチートに成りやすくもなる。
やり方が今一判らないが誰にも聞ける物でもないので、とりあえず保留することにした。
そういえば、宿題があったと思い出す。
数学の宿題だ。
1枚の紙を取りだし問題を見たが、数学と言うのは計算式を見ただけで答えを言える人はまずいない。
少なからず過程を経て答えを導く物だけに面倒臭いと思う人と、どんどん解けていく過程が面白いと言う人に別れるのだと思う。
と、今は関係ない話で僕は問題に集中してみたら答えが解った。
それこそ、計算の過程をすっ飛ばして答えが浮かんできたという表現の方があってるのかなと思う。
とりあえず1門目の答えを書いといて、2門目も答えが浮かんできたので書いておく。
3門目は急に解らなくなったので過程を解いていき答えを出す。
4門目は答えが浮かんできたが、5門目は答えが浮かばなかったので過程を解いていき答えを出すと、この様にしながら10門ある宿題をやり終えたと同時に寝落ちした。
僕はそう思っていたが、正確にはHpが1になり気絶していたようだ。
それに気付いたのは、寝落ち後何となくステータス画面を見たときにHpやMpが比較的に上がっていたからだ。
勉強等の疲労は、肉体の疲労に比べると上がりやすいが下がりやすい、プリント1枚で気絶してしまうとは思ってもみなかったので、ビックリしている。
1門目に戻り、書いた答えを消しステータス画面を開きながら1門目の計算過程をMpを利用して出そうとしたら出せた。
その答えを書きながらMpの減り方をみると速い速い。
みるみると減っていくMpだが、1門解くのに約10分かかる物を一瞬で導いているわけだから当然なのかもしれない。
今度はMpがある状態で、Mpを使わずに問題を解いてみた。
Hpが減ること減ることスキルとMpを持っている僕にとって、使わずにいることが苦痛のようだ。
精神的疲労に肉体的疲労がHpに直接働く恐さを実感しながらHpの回復を眺めていた。
そういえば、先程からHpとMpの表示に変化が表れた。
さっきまで、現在量しか表示されていなかったのに今は現在量/全体量が表示されてる。
経験値も同様に表示されるようになった。
理由は判らないが便利になった。
死神の加護の影響下にあるHpの増え方も面白かった。
100/100から残り2まで一気に使った場合を1分おきに見てみよう
100/100→ 2/110→ 13/121→ 25/133→ 38/146→ 52/160→ 68/176→ 85/193→ 104/212→ 125/233→ 148/233→→→233/233となる。
回復を待つだけで、全体量が倍以上ってチートもビックリですね。
数学の宿題恐るべし。
現在は、午後を2時指している。
暇なので家中にある本を手当たり次第集めた。
小中学校時代のものから現在の教科書、辞書辞典から六法全書、料理本からゲームの攻略本まで集めておいて読めるかと思う。
本を早く読む術もといスキルは速読のスキルを付けて、慣れない本をMp使わずにHp削る。
Hp1/4になったところでスタートした。
2時間経過したところで、読める本が無くなった。
Hpは、500万を上回った頃からキープ出来なくなり、Mpにいたっては1000万を上回った頃から維持出来なくなった。
基礎学習と基本学習は、カンストし知力は630になってる。
何と言ったか有名な探偵のお孫さんがIQ180で、泥棒さんの孫がIQ 300だったと思うから知力はIQ 立ったらと思うと嬉しいやらハズイやら。
速読のスキルもカンストと言いたいが、80まで上がった。
同じものを読んでも、ほとんど上がらないらしい。
どうせなら、カンストさせたいが本屋や図書館に行きたいと言っても行かしてもらえないだろうと思い諦める。
明日学校にいけば、図書室と言う武器があるからだ。
本を片付けようと、持ち上げたが数が多いのか持ち上がらない。
それでも持ち上げようと粘ること5分徐々に持ち上がったので、所定位置に本を戻していく。
家の中では、体力と力と敏捷は上げづらいとなれば、器用になるが一番低いこいつを上げたい。
いい方法が思い付かなかったので、知力が上がった事と記憶力が良くなったのか気になったので、今度は小説を持ってきて1ページ目を速読して、ノートに下記写そうとした。
そしたら、ノートの上に文字が浮かんでくる。
先ほど暗記しようとした部分が小説の1ページ目が全部浮かんでるのっで不思議に思ったが、基礎学習と基本学習をカンストした自分にとって朝飯前の光景らしい。
もちろん、文字が浮かんでる間Mpは減り放題だった。
縦書きの小説に対し横書きのノートにきれいな文字で並ぶ文字をみて、鉛筆を取りだし綺麗になぞるようにして書き写す。
器用がどんどん増えていき、Hpが音をたてて崩れていくもとい減っていく。
字が汚ない僕にとって苦痛とも思える時間なのに、Hpが減ることでストレスからくる疲労が無くなっているので物凄くスムーズに美しく写し終え、結局1冊写し終えた頃には、器用度が100になっていた。
この時、スキルを同時に3つ使えている凄さに気付いていない僕であった。
作っていなかったプラモデルがあるのを思い出すと、早速取り出してきたが、接着剤とかカラーインクとか筆もハサミもない。
いや、ハサミはあるがプラモデルを切るような小さなハサミは無い。
加工できないなと思ったが、加工のスキルは持っている。
プラモデルを手にして、加工スキル発動っと動かないのでスキルランク不足と判断したが、必要以上にMpをつぎ込んだら体が動き出した。
ハサミもないのにパーツごと部品は切り離され、接着剤もないのにくっついていく。
インクもないのに、色が付けられていくのは見ていても気持ちよかった。
全てのプラモデルを作り終えた時点で、父親の帰宅となり今日のところは終了となった。
帰宅した父親に何か聞かれるかと思ったが、「大丈夫か?」と聞かれたので「うん。」と答えたら「大丈夫ならそれでいい。」と、ただ本を無くしたことを伝えると一瞬睨まれたように感じたが「そうか。」と言われそれで終わった。
小遣いはくれなかったので、今度小遣いで買おうと思う。
畑の件を聞いたところ、日曜日に行くはずの小さな神社のすぐ裏手で市民農園というところで行けば判ると言われた。
火曜日~金曜日は、学校の図書室で速読スキルを鍛えながら読書を楽しみ速読スキルをカンストさせた。
他のステータスは目立つからやらない、そして土曜日がきた。
市民農園は、看板も出てたしすぐに分かった。
確か、Cー3と言っていたからと言われる場所に行くと一人のお爺さんがいた。
「あなたは?」
「井宮です。」
「あー井宮さん。息子さんかな。」
「はい。」
「私はこの農園の管理人と言っても雇われだがね。」
「ここは、どうしたら良いのです?」
「どうしたらと言われてもだな。細かいルールは、あるがあまり多くを言うつもりはない。他に迷惑をかけなきゃ好きに作物を育てていいよ。あそこの小屋に鍬とか必要なものもあるし、自由に使っていい。また、小屋のとなりの水道も自由に使っていいから。」
「そうですか有り難うございます。」
「今ので良いのか?だったらわしは帰るよ。これから用事だでな。」
「これからお願いします。」
「うむ。頑張ってな。」
そう言うと帰っていった。
土曜日にしては人がいない。
小屋をみて篭を1つとると畑に戻ってきて見渡すが人の気配はない。
なので、畑といっても使える場所は縦横共に5mの小さいが人1人でやるには十分な広さである。
そこを耕していく、加工スキルを使用して。
土をどうこうするスキルでは無いので、大量のMpを持っていかれたが、少しずつ耕され石や虫や雑草などが取り除かれてく。
取り除かれた物を篭の中に入れて、再び加工スキルを使い丁寧に耕したら次は堆肥を混ぜる準備をする。
以前買っておいた牛の糞と鶏の糞の堆肥を収納から取りだしばらまくと加工スキルで耕していく。
最後に糠(ぬか・玄米を白米にするときに出る米の皮を細かくしたもの)を大量に撒いて水を撒きたい。
しかし、水は重い上にすぐ使いきってしまう。
そこで、篭に入っている物を収納して、小屋に行き篭をしまってジョロを取り出した。
水道のところに行き、周りに人がいないことを確かめ、ジョロに水を入れるふりをして水を収納する事10分、十分に確保出来たとして畑に戻って来るとジョロに水を移しながらたっぷりと水を撒いた。
「今日のところはこれでいいか。帰ろう。」と独り言を言うと、疲れた様子もなく歩く姿を見つめる1つの陰があったが、僕は気付かなかった。
陰は、僕が去るのを確認するとCー3の畑前まで移動して畑を確認し呟く。
「何者なの?人だよね。少し遠くてステータス見損ねたけど。これだけの事1時間足らずで終えて帰るとは、しかも収納・・・!」別の利用者が来たので、煙になって消えていった。
午後、とある山の中の川に来ていた。
どうやって行ったかと言うと、走ったよ。全力で。
久しぶりにHpが悲鳴を上げていたよ。
疲れない体だけあって、50m走バリに全力でイヤ途中コンビニとかで水とか買ってたけど2時間半位で50Km程のところに着いた。
体力と敏捷が上がった。
残るは力のみ。
狙うは大きな岩を目の前に見つけて持ち上げようとするが、持ち上がらないまま20分が経過。
Hpは、再び悲鳴を上げながら力が付いていきそのまま持ち上げるまで頑張る事20分、ついに持ち上がる。
手を離すと、地響きと共に落ちた。
十分な力も付いた事だし、これ以上ここにいても意味がないと思いふと、石を掴む。
加工で平べったくして水切りをする。
川の水の上を滑るように飛んでいく石は、向こう岸の大きな石にぶつかり破裂した。
次は、少し大きめの石を練り込むようにして手裏剣風にして投げたら大きな石に刺さりその瞬間双方粉砕した。
面白そうなので大きめの石や小さめの岩を収納すると、時間が無いので全力で家に帰る。
行きほどじゃ無いものの、Hpが悲鳴を上げ、更に体力と敏捷が上がっていった。
家に着くと靴がボロボロだったので加工で直してから帰りました。
次の日、日曜日は死神との約束の日で、早速神社に向かう。
神社に近付くと、死神が誰かと話しているようだったが、神社に着くと死神が1人でいた。
「おはようございます。」
「おはよう。」
「あれ?誰かと話していませんでした。」
「気のせいでは?」
「そうですか。今日はまた、どのような用件でしょう。」
「そう警戒するな。ダンジョンを紹介しようと思ってな。」
「ダンジョンをっですか。お願いします。」
「おっ驚かないのか?」
「こんな体です。妖怪退治も出来そうですよ。いるか知りませんけど。」
「ぶっちゃけ、いる。」
「ダンジョンの説明をしていただけると助かります。」
「カクカクシカシカ」
「そうですか。僕には鑑定のスキルが欲しいですね。」
「今の状態なら取れるのでは?」
「ダンジョンと聞いたら、戦いでしょ。武器と戦闘系スキルがほしいかなと。次のレベルが上がるまでサポートお願いできますか?」
「心得た。装備は?」
「何も考えてません。正直予想すらしてなかったので。」
「ここのダンジョンは、アイテム何が出ます?場合によっては作れるかと。」
「そうだな。ここは一階目で布系が出る。いけると思うよ。」
「ここであれこれ考えるより、中で考えた方が時間の無駄にならないでしょ。行きましょう。」
「あー行こう。こっちだ。」
僕が入り口に手をかざすと、Gランクの入り口の表示が出たので はい を選択して入る。
ちなみに、入り口は巨木のウロの内側にあった。
木のウロのなかにあるのに、入ったダンジョンは土の壁が続く洞窟の形をしていて明るかった。
ダンジョンに入った僕は、すぐに武器を生成使用としたが、素手でも十分に倒せそうなので聞いてみたところ大丈夫だろうと言うことになった。
昨日、川から帰る途中何故かLvが上がってたので鑑定のスキルを付ける。
そして、道を進めていくと猫がいた。
鑑定の結果、魔物とわかり直ぐに討伐しアイテムやお金を自働回収して、次へと進む。
部屋で無双して、持ち物に入った物を全部だして特上品を作り加工スキルでMpを十分につぎ込んで、木綿の下着と足袋、麻と木綿の混合布の服上下を作る。
感心するように、死神が「手際がいいな。」と言うと、「沢山ダンジョンものの小説やゲームの攻略本見ましたから。実際出来るとは思いませんでしたけど。」と言った。
おもむろに、岩を取り出したこれまた十分にMpをつぎ込んで念入りに岩を練り込むようにして手裏剣を作った。
そして、手裏剣のスキルを付ける。
作ったものを装備使用としたが出来なかったので、聞いてみると初期装備しないと無理だそうだ。
なので、死神に反対側を向いてもらい全裸になって素早く装備をセットすると、装備1に着替えた。
装備1
下着 木綿で作られた何か
上 混合布の何か
下 混合布の何か
上着 無
武器 石の手裏剣(武装・中)攻撃12(Mp3)
アクセサリー 無
おっと、オリジナル武器がアイテム化した。
鑑定はっと、石の手裏剣・石製の手裏剣、非常に重いが当たれば10倍の威力。壊れやすい。手裏剣はMp3で1つ使用。
手裏剣の形は、四方手裏剣と言ってよく折り紙で作る形と同じ手裏剣だ。
早速リスポーンしてくる猫に向かって投げた。
そういえば、辞書に手裏剣は投げることを打つと言う。っと書いてあったなと思い出す。
では、改めて部屋の中でリスポーンした100匹程の猫の魔物に向かって手裏剣を打った。
Mpが3減り手裏剣が飛んでいくと、猫の魔物に当たり貫通して別の猫に当たり貫通して別の猫に当たり貫通して別の猫に当たり貫通して別の猫に刺さった。
そして、手には打ったはずの手裏剣が握られていた。
たっぷりMpつぎ込んで1回きりと思って作った武器が、何度も使えるのは嬉しいものだ。
たっぷり倒してアイテム経験値ゲットしお金もゲットした。
次のスキルを付けないと、経験値は上がらないが付けるスキルも見当たらない。
今日はチュウトリアルのようなものだし、欲しければまた来ればいいそうなので早々次の階を目指す。
階段を降りてしばらく歩くと、今度は犬と遭遇する。
可愛い!犬派モフモフしてたら死神に次でいいかなと言うので、適当に手裏剣乱武をして、アイテムを集める。
アイテムを特上にして、特上以外を破棄する。
猫の魔物が出すアイテムが麻糸と木綿糸と麻布と木綿布だ。
犬の魔物が出すアイテムは、おにぎりとおにぎり弁当と水と水筒になる。
それぞれ特上99個になるまで倒したけどね。
3階目は、クモとムカデの虫たちと、大岩という魔物がいた。
大岩は数が少なく倒してアイテムもらったけどその場で破棄する。
その、大岩なんだけど、理由は判らないが崖の上の方に居たので手裏剣を打ったら見事に破裂して花火を見ているようで気持ちよかった。
クモとムカデはそれぞれ弓と木刀という初期の武器を出したが、僕にとって意味の無いものだった。
それでも使えるかと思い特上にしておいたが、ふと思い付いたことがあった。
よく、同じ武器や相性のいい武器を掛け合わすと強くなったり、弱くなる武器があることを。
木刀と弓を掛け合わそうとしても何も起こらなかったので、
木刀と木刀、弓と弓で合わせて見たら見事、木刀+1と弓+1が出来上がった。
ではと思い、水やおにぎり等を試したがならなかったので、武器や装備に限るのかと思う。
よく、ゲームバランスを考えて〇〇+イクツと言うのはそんなに多くないがここは現実なので、イクツまで上がるかやってみた。
結果、100を越え110を越え111で諦めた。というより飽きた。
死神が、久々にレベルが上がったと喜んでたが普通は、回復が追い付かないからこの様な全て刈るような真似はできないそうだ。
ということで、4階へと降りていく。
通路を進んでい1つ目の広場に着いた僕は、驚愕することになる。
人がいた。
年の頃は30位の男が数名。
人形とか人の形をした物とか小型の鬼とかじゃなく見るからに人。
鑑定すると、盗人Aと盗人Bだった。
「ここが進めなければ、ダンジョンは諦めるのだな。」と死神は言う。
返り血を浴びる様なこともないから、今まで同様倒せばいいと言われても。
ダンジョンと言え躊躇していると、死神が遠慮なしに倒していく。
血が吹き出るでもなく、声張り上げてく事もなく、チリのように消えていく人を見て魔物なのだなと認識しながら、次の広場へと出た。
魔物というものは、どんな形をしていようと声帯を持たないのか声を出すことがないみたいだ。
僕は、すかさず手裏剣を構えると盗人という魔物を倒してみた。
僕は、ストレスを感じることは無かったが、Hpがどっと減った。
どうも、ストレスとか疲労とかいう体に影響が出るものにHpが減ることで対処できるらしい。
Hpを鍛えといてよかったと思うと同時に、Hpが減ったことにより普通の人だったのだと安堵する僕であった。
手に入った物を見てこれまたビックリする。
アイテム 薬草(薬・下下) と 毒草(薬・下下)の2種類。
ゲームっぽいアイテムだった。
加工で薬草の品質を上げようとするが上がらない。
どんなにMpをつぎ込もうと上がらないので違う視点から考えてみた。
スキル取得スキルを使い製薬スキルを取得して、Lvを上げると同時に薬を扱えるスキルを取得した。
薬草と毒草品質を上げられるようになったので、部屋で無双しながら品質上げをしていると直ぐにランクが上がりレシピが出てきた。
製薬スキルのレシピ
ランク2回復粉 ・薬草X5
ランク2毒粉 ・毒草X5
ランク2回復丸 ・回復粉X1 加工スキル10
ランク2毒丸 ・毒粉X1 加工スキル10
薬とつくアイテムを使って物を作るにはこの製薬スキルを使わなけれだばならない。
粉薬と丸薬を作りまくる、両方の薬は何処から現れたか紙に包まれてるので分かりやすい。
紙は、回復が白色で、毒が紫色をしている。
品質は、全て特上だ、自分使うことないけど。
しかし、今後の事を考えてみたら状態異常の薬は確保しておきたいと思うの僕であった。
盗人をコロいや倒すという行為になれてきた僕は、そろそろ次の階へと進めるために階段を降りていった。
本日最後の階であるここにいた魔物は、狸と狐であった。
狸と狐が化かしあいをしているわけでもなく、普通に襲ってくるので僕も普通に攻撃して倒していく。
狸からはかき揚げを、狐からは油揚げを頂いた。
かき揚げも油揚げも竹の薄皮で丁寧に包んである。
品質を特上まで上げてると死神が提案してきた。
「ちょっと提案があるのだが、いいかな。」
「良いですけど、僕で出来ることならなんでもしますよ。提案とかなしに良いですよ。」
「そ、そうか。ならそのかき揚げと油揚げの特上を分けてくれ。」
「えっ、ああうん良いですよ。いくつ欲しいです?」
「30個づつほどかな。仲間にも配れるし、それに酒のアテにもいいし。」
「お安い御用ですよ。と言っても数が足りませんね。」
僕は、そう言うと部屋に向かい無双をする。
死神はというと、疲労とHp、Mp回復のため休んでいた。
僕の体は、確実に人間離れしているのだと思うが、おかげでダンジョン攻略という個ともさせてもらっている。
かき揚げと油揚げの特上を50個作り死神のところに持ってくと、かなり喜んでくれて受けとってくれた。
僕は僕で沢山ストックしたので最終部屋へと進める。
最終部屋、つまりボス部屋だ。
部屋の前で深呼吸する僕と、Hp、Mp全回復の死神が鎌を構えると僕は扉を開けた。
中にいたのは、高さ2mはあろうかと思われる大狸と大狐だった。
最初に動いたのは死神だった。
死神はまっすぐ大狐向かっていくと、大狐も一歩前に出たかと思うと前足で引っ掻く攻撃をしてくる。
前足の攻撃を潜るようにして、大狐の横に着いた死神はすかさず鎌を降り下ろし大狐の首の後ろから一気に斬った。
大狐が動きを止め、首がゆっくりと胴体からずれ落ちて地面に落ちると同時にチリとなり消えていく。
僕は、大狸と対峙していた。
手裏剣をどこに打つか検討していた。
額つまりオデコにしようか、胸か腹かあるいはもっと下のフグリと言われる袋状の物をと思ったが、おもいっきりオデコに向けて打った。
見事に命中して、大狸はチリになっていった。
「お見事」
「そちらこそ、お見事です。」
「いやいや。アイテムを渡してもいいかな。俺では特上に出来ないから。少し分けてもらえると助かる。」
「良いですよ。遠慮なさらず。で、何が出ました?」
「えっと、料理アイテムきつねうどん(E)の下50個だな。」
「こっちは、たぬきそば(E)の下50個ですね。」
料理アイテムとあったので、料理スキルを付けないと、加工できないかと思ったが薬アイテムほどシビアではないらしく普通にできた。
特上を6個づつと中を1個づつ作り、半分に分けて、中を死神と食べることにした。
きつねうどんは、お盆に箸が添えられどんぶりにうどんが入っている。
汁は、(E)と書かれているので関東風かと思われる黒すぎはしないものの濃い口醤油で作られて出汁がしっかりきいている。
どこぞのチェーン店位の美味しさだ。
麺の腰はあるかな位である。
瓢箪の入れ物に一味唐辛子が入っていたので適度にいれて半分食べて死神に渡した。
たぬきそばは、死神が実食中できつねうどんとほとんど変わらないらしい。
こちらには、七味唐辛子が添えてあった。
死神が半分食べて、交換して食べてみた。
きつねうどんとほとんど変わらない、という印象だったが美味しかった。
食べ終わってしばらくすると、箸やお盆や器に唐辛子の入った瓢箪が地理となって消えていった。
先程、死神のHp回復に回復丸と水筒を渡したが、その時薬を包んでいた紙はチリになり消えていったが水筒は中身を半分ほど飲んだが消えてないとの事。
しかし、アイテムでは無くなっており、ふつうの道具として使えているそうだ。
料理アイテムとか薬アイテムは使うと残った物はチリになるようだった。
検証のため、薬を使ってみたら直ぐに薬を包んでいた紙はチリになり、使っていない薬は30分後にチリとなり消えていったので、料理アイテムも30分後にチリとなり消えていくのではと思った。
後の検証で、料理アイテムは食べ終わると5分後に消え、食べ終わらなくても食べかけでも最初に取り出してから2時間後にチリになって消えていくことが判った。
料理アイテムは、チリになる最後まで料理アイテムに対してですおにぎりはというと、腐り始めた頃にアイテムではなくなった。
一口食べたり、割ったりしてもアイテムではなくなるところを見ると形が大事らしい。
ただ、アイテムでなくなったとしても形が残ることが料理アイテムと大きく違う。
ボスも倒した事だし、ダンジョンを出ようとしたところ、死神が渋ってきた。
理由は、レベリングがおいしいとの事。
実は、スキル取得スキルの副作用かLvが上がらないため、敵を倒したときに得られる経験値の8割を死神がもらっているとの事。
2割は何か消滅しているが、数多く倒してくれるから5階から1階、1階から5階と来たらまたボスが復活しているから、死神が1人で入って倒してきてアイテムを受けとる。
そうなると今度は僕が不満になった。
きつねうどんとたぬきそばが、圧倒的に少ないということだ。ちなみに、赤い派か緑派か聞いてみたところ紺派だそうだ。僕も紺派なので死神と被ってしまった。が、今はそんなことどうでもいい。
死神は最初の3個づつで十分らしいが、30個はほしいと言ったら付き合ってくれて、レベリングをかねてダンジョン内無双しまくりダンジョン時間で20時間暴れ、10時間熟睡して30時間後に外に出た。
と言っても現実時間だと1時間経過したにすぎないので、午前10時を回った頃だ。
木のウロから出たところで、いきなり男たちにか困れた。
無抵抗を示すように両手を上げ、死神と顔を会わす。
すると、さっき居なかった女性が現れこう言った。
「抵抗しないで、私たちでは勝てないから。」
僕の聞き間違いかなあ?普通は相手に怪我を負わせるつもりはないから、抵抗するなと言うのだが自分達が怪我をしたくないから抵抗しないでくれといったように聞こえる。
「ぼ、ぼくはただの高校生だ。ひとまちがいでは?」といってみる。
「確かに、この子であってるよね。」
「この子であってるわよ。」と女性の後ろに隠れてるもう一人の女性が答える。
「隠れてないで出てきてもらえます?」
「「えっ、見えるの?」」
「見えるも何も、僕達がダンジョン入る前この人と喋ってましたよね。」
「そうか。あなた、名前は?」
「井宮鷹仁」
「私は、ウカノミタマノカミ」
「確か、お稲荷さん」
「よく知ってるわね。」
「一応文献んでね。で、この状況はあなたのいや、ウカノミタマノカミ様の仕業と思って良いのかな。」
「そうね。その通りだわ。でも悪いようにする気は毛頭ないわ。今後のあなたのためよ。ここにいる女性は、私が加護を上げた者よ。この子と話してほしくて呼んだのよ。」
僕は、隣にいる死神に向かって、「信じても?」と聞いてみたところ首を縦に降ったので信じることにした。
「わかりました。話を聞きましょう。しかし此処で?」
「出来れば、移動してほしい。車は用意してある。」
「準備のいいことで。」
移動しようとしたその時、ウカノミタマノカミ様が、慌てたように僕の方によってきて、「きつねうどん奉納してって。」と言ってきた。
神社の中にあるダンジョン潜って何もせず帰るのと言われそうだったので、きつねうどんと油揚げを2つ奉納したところ、後ろから唾を呑み込む音がするので、たぬきそばとどっちがいいか聞き、みんなに配る。
チュルチュル「ところでハフハフ、なにもの?」(きつねうどんをすすってます。)
ズズーズー「公安よ。」ズズー(たぬきそばをたぐってます。)
みんなから、ご馳走さまされた時すごく美味しかったこんな美味いものはAランク以来だなど言われた。
器はまとめて木のウロに置いている。
時間がたてば消える事はみんな知っているそうだった。
死神と別れ車に乗り込み向かった先は、都内の高層ビルのマンションの一室だった。
部屋入り口まで来ると、女性は「ここから先は、1人でいってほしい。」と言うので1人で部屋に入っていく。
初老の男性が、1人いた。
「そんなとこに突っ立ってないで掛けなさい。」
「っと。僕は、井宮鷹仁。貴方は?」
「私かね。名乗る程の者ではない。と言いたいが、そうもいかんかね。警察庁ダンジョン部副局長大岡だ。」
「まさかと思いますが、あの有名な江戸の町奉行を務めた大岡様の祖先ということは?」
「断じてないが、ダンジョン奉行と言われておる。」
「言われてるんですね。」
「私の事をお奉行と言ってもいいぞ。」
「えーと、調子のっちゃいますよ。」
「かまわない。本来ダンジョン潜るもの同士では、強いものが上になるからだ。私もそこそこ強いが上には上がいる。君は私より強いが立場上ダンジョンに潜るものたちの代表を名のらせてもらう。」
「で、お奉行。今日呼ばれた理由は何ですか?」
「ウ、ウン。今日呼んだのは他でもない。これを受け取ってほしくて」
「この、黒いカードをですか?これは?」
「これは、ダンジョンライセンスカード又の名をギルドカードとも言う。そしてこの分厚い本が契約書後ろにサインするとこがあるから、サインしたら契約成立となる。」
「契約しなかったら?」ペラペラ。
「別にかまわない。国の優遇が受けれない事くらいか。」
「抜け道はあるのでは?」ペラペラ
「あるが、リスクを負ってまでする理由は有るのか判らないがね。」
「成る程、書くもの貸してください。」パタン
「おー契約してくれるのかね。」
「ここに名前をっとこの丸に指紋をっとこれで完了っと。おー光った。」
「この光が収まったら契約成立となる。」
「黒いカードが本当に白くなった。」
「自動更新だからね。ブラックランクつまり見習いランクからホワイトランクにつまり素人ランクに上がったね。」
「ところで、契約内容簡単におさらいさせてもらって良いですか。」
「良いよ。」
「立ち入り禁止等の出入り自由など優遇されるが、自己責任。特殊アイテムつまり武装や薬、料理などとお金は特定の場所や人でしか取引できない。売り上げに対する税金は無いが、寄付は受け付けていて寄付ランキングなるものもある。契約者同士の揉め事禁止。そして、専用サイトに依頼があり、受けたり出したり出来るということですね。で、ギルドカードが財布代わりになり身分証明書にもなるのね。」
「理解が早いな。」
「速読スキル持ってますから。Mp結構持ってかれましたけど。」
「うらやましいな。他聞きたいこと無いかね。」
「今のところは。」
「そうか、時に君はダンジョンを1つクリアしてきたんだよね。」
「はい。」
「特別なアイテムは持っているのかね。」
「特別なと言われてもよくわかんないですがね。」
「何をどのくらい所持しているのかな。」
「そうですね。麻糸と麻布、木綿糸と木綿布、水と水筒、おにぎりとおにぎり弁当それから木刀+111と弓+111、薬草と回復粉と回復丸に毒草と毒粉と毒丸後は、かき揚げと油揚げ、数は少ないですがきつねうどんとたぬきそば全て特上で持ってますよ。」
「特上で?Gランクダンジョンだよな。」
「何往復もして、大量に集めましたから。加工も沢山しました。」
「成る程。規格外か。で、いくつある?」
「きつねうどんとたぬきそばと武器は、数えるしかありませんが、他は持ち物に入りきらなかったので収納にしまってあります。いくつかちょっと判りません。」
「早速だが取引しないか?」
「良いですよ。」
「相場より安くてもいいか?」
「良いですよ。相場が判りませんしそれに初めての取引ですから。」
「木刀+111と弓+111をそれぞれ20万、木綿布を99個で30万、おにぎり弁当と水筒99個で合わせ3万、薬草が99個で3万、回復粉が99個で15万、回復丸も99個で20万、毒粉は99個で15万でどうだろう。」
「どうだろうって大金過ぎません。」
「その内馴れる。」
「そうですね。在庫の半分も減ってませんから。麻痺しそうです。」
「頼めるか?」
「良いですよ。でもどうやって?」
「ステータス画面をお互い開いて、渡したいものを選択して画面をスライドさせるようにして渡す。そうそうおーありがとう。」
そう言うとお奉行はスマホを取りだし操作する。
「よし、振り込んだぞ。126万後で確認してくれ。」
「実感がわかない。」
「最初はそんなものだ。さて、用事は済んだ。今日のところはお帰り願おう。車は用意してある。寄りたいところがあれば運転手に言うがいい。家まで無事送ろう。」
「そうですか。では大量に取引していただいたお礼にきつねうどんとたぬきそばを置いときます。奥の人と選んでお食べください。」
「そ、そうか悪いな。頂こう。」
僕は、ビルの入り口まで降りてきた。
外に出ると、堂々と路駐していた車から、運転手が降りてきて後部座席の扉を開ける。
僕が乗り込むと素早く運転席に移動して何処に行きたいか聞いてきた。
「造幣局へ行ってほしい。その後は携帯ショップに行きたいんだけどお願い出来ますか?」
「わかりました。」
しばらくして、とある建物の前に着く。
入り口でカードを提示すれば入れるだろうと言うので、入り口で提示すると若い警備員が親切に対応してくれた。
「ここは、造幣局といい一般人は入れませんよ。その様なカードを見せられても無理ですよ。速やかにお引き取りください。さもないと警察を呼びますよ。」
僕は、今一度カードを確認してくれカードを指差して提示する。
今度は丁寧に追い返された。
そんなやり取りをしているうち、警備員が段々と口調が変わり「いいから帰れ」という始末。
運転手が笑いをこらえているのが見えたその時、警備員の後ろにもうひとりの1人の警備員が現れる。
「何を騒いでいるんだ。」
「課長あっ何をって、こいつが変なカードを見せて中に入れろってうるさくて、どうします?」
「変なカード?・・・!私が案内させて頂きます。こちらへどうぞ。」
そう言われた僕は、建物の中へ案内されて応接室でまたされた。
局長が顔を出し挨拶され名刺を出してくる。
「今日はよくお越しくださいました。ホワイトランクですね。今日は両替ということでいいでしょうか。」
「はい。しかし何でここでないと両替出来ないのですか?」
「初めてでしたか。まずはそこから説明ですね。ダンジョンのお金は貨幣つまりコインでしか出てきません。江戸時代まではまともに使えるお金だったそうですが、明治になりダンジョンのお金は使える物が少なくなってきたそうです。今では、合金の割合や形、数字と金属が合わなくなってきました。例えば、500円玉のアルミだったり、100円玉の金だったりとバラバラなのです。」
「それで、ここで交換としているのですね。」
「なので、価値が様々で何万と稼いでも数百円だったり何百万だったりするのです。で、今日はおいくらほど」
「50万ほどですね。」
「そうですか。では部屋を変えましょう。案内します。」
そう言って、案内された部屋には1つの大きな機械があった。
「これは、金属を振り分ける機械です。金銀を始め合金ごと振り分けます。降りきらないものは、レアメタルなどと、人の手で行います。こちらにコインをいれてもらって良いですか。」
コインを入れるとすさまじい音と共に仕分けられていくが時間がかかるということで、いったん応接室に戻された。
しばらくして結果が出る。
詳細は聞かなかったので、結果だけ教えてもらうと74万だった。
いくらかは判らないが、手数料も取られているらしい。
局長はスマホをいじると、振り込んだと言われた。
局長に挨拶をして、入り口まで戻ると先程の若者は居なくなっていて課長と言われてた人が居たので挨拶を交わす。
どうも、若者は早退したらしいが僕には関係ないのでその場を後にして車に乗り込んだ。
運転手は、済ました顔で携帯ショップに車を着けた。
携帯ショップの中で物色していると女性の定員が声をかけてきて説明を受ける。
性能で一番良いものを選びレジにいくと、未成年なので、親の承諾をもらってくるようにと言われる。
僕がカードを提示するとここでも変なカードバトルが始まった。
5分程しただろうか、店長が異変に気付き声をかけてきた。
「あのー何かありましたか?」
「店長、聞いてください。こちらのお客さん未成年なので親の承諾をと言っているのですが変なカード見せてくるばかりで対応してくれないんです。」
「変なカードです・・・!か。わかりました。ここから先は、私が対応させて頂きます。」
と言うと、名刺を僕に差し出してくる。
「て、店長?」
「君は、他のお客様を対応してくださいね。」
「私、何かおかしかったですか?」
「おかしくもないし、変でもないですよ。ですから他のお客様をお願いしますね。」
「は、はい。」と言うと奥に引っ込んでしまった。
そのあとの対応は凄まじく早く、通常30分以上かかる手続きが5分ほどで済み、僕は車に乗り込んだ。
その時、最初に対応してくれた定員らしき人が車を横切ったように見えた。
後日談で聞いた話だが、若い警備員と携帯ショップの女性定員は昼間から酒をのみカウンター越しに店長に変なカードバトルの話をしていたらしいが、そこを制服警官囲まれ強制保護を受け所轄に連行され、変なカードバトルの話を今後忘れるようにと三山言われたそうな。
最終的に契約書を書かされるとその写しと、大金50万ほどを渡され帰らされたそうで・・・・・・。
その50万は使われることなくタンスの奥に契約書と一緒に仕舞われたとの事。
事実上、無断早退し2日無断欠勤したにも関わらず仕事場に顔を出すと、何事もなかったかのように仕事に復帰できたが、その日は狐に摘ままれる感覚で仕事が手につかなかったようだ。めでたしめでたし
携帯ショップの後は、時間があるとの事なので服屋等によりバトルしやすそうな服を買い込み帰路についた。
今は自分の部屋で、装備を整えたりアイテムを整理したりしながら、専用サイトを覗きいい物件がないか確認している。
1日でガラッと変わった生活に今後どうするかを考えながら夜を迎えるのだった。
次回登場人物等整理したい思います。