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依頼こなし 鷹仁

鷹仁編です。

 サイトを見ていて、僕はふと思うことがあった。

 これは、リアルの話だが内容はゲームのようだ。

 オンラインゲームの攻略欄とと依頼欄とがくっついたようなものだった。

 そして、売買欄がある。

 アイテムを売り買いできる所である。

 使用方法としてはこんな感じである。

 まず、売りたいもの買いたいものを記入し金額を表示する。

 表示された物の中から、条件に会うものを選び返事を行う。

 返事の中から、自分に会うものを選び交渉する。

 成立したら売買をするというもの。

 売買は主に二通りあり、1つは直接あって直接取引をする。

 もう1つは、郵送する方法である。

 この他にも色々と方法はあるが、主にこの2つの方法がとられる。

 直接会う方法をとる人は、お互いどんな人物か見たいという人がほとんどで、相性が良さそうなら今後ともよろしくといった感じになるし、逆に悪そうなら取引のみの付き合いになるだろう。

 郵送の方法は、サイト運営の依頼業者を通すのでお金がかかる。

 そして、もう1つアイテムを使用するので、そのアイテム分のお金もかかる。

 アイテムというのが、茶封筒である。

 正式名称は、使い捨てアイテムボックス茶封筒という。

 平成の時代になってから生まれたダンジョンのとあるEランクダンジョンのボスが出すアイテムのようだ。

 この茶封筒は、最初からラミネートされていて直接中に入れることはできない。

 ステータス画面を使って入れるのだが、1つの茶封筒に1アイテム×99まで入れられる。

 使い捨てと書いてあるように、一度入れて取り出すと普通のラミネートされた茶封筒になり、アイテムとしての効力を失う。

 アイテムを入れたまま破けたりして破損すると中身のアイテムが消滅する仕組みである。

 この茶封筒、運営から1つ壱万円で購入出来る。

 これを使って郵送での方法はこうである。

 茶封筒を手にしてステータス画面を開き入れたいアイテムを個数を決めてスライドすると言う方法で茶封筒にアイテムを入れ、運営の依頼業者に送る。

 運営の依頼業者は、ステータス画面を使い中身を確認する。

 お金は、相手側から依頼業者の方に送金する。

 中身が、確認されれば相手方に郵送で送り、届いたのを確認出来れば、お金が振り込まれるというシステムだ。

 トラブル等で粉砕しても、責任はとらないので信頼のみの取引となる。

 ただ、いくつかの行程はもうけられていて、まず茶封筒は特定の記録のもので送る必要がある。

 依頼業者の元に届いて確認を行った時に、間違ったものを3回行うと3回目に届いたものは依頼業者に没収される。

 そして、売買の意思無しとみなされ破棄される。

 送金が期日内に行われない時も同様である。

 郵送中のトラブルに関しては事故扱いとされ、保険もないので残念としか言えない。

 依頼業者までの郵送中に事故にあった場合は、ペナルティ無しの売買破棄になり、送金されたお金は全額相手方に戻る。

 依頼業者から相手方に輸送中に事故にあった場合は、送金されたお金が半額づつ双方に送られる。

 郵便局への抗議は、一切許されていないので、怒りのぶつけ所がない取引でもある。

 1つの依頼に双方3万円払っていて、破棄されてもお金は返ってこないので尚更である。

 ちなみに、茶封筒の中身を取り出すときは、茶封筒を手に取りステータス画面を開いて、茶封筒の中身を持ち物にスライドするのである。

 持ち物に空きがない場合は、茶封筒をそのまま保管すればいい。

 茶封筒の中に、50個のアイテムがあり、ステータス画面の空きが49個の場合、スライドすると1つ余ることになるが、この時の1つは茶封筒に残ることはなく消滅してしまうので注意が必要である。

 僕にとって売買する必要は今は無い。

 攻略といっても学生では動ける範囲も限られるし今は必要しない。

 出来る範囲で依頼こなしなんて面白そうと思い依頼の欄をみる。

 依頼といっても、一緒にダンジョン潜りましょうというのがほとんどではないかと思いながら覗くと、大間かに別れて依頼が載っていた。

 1つはダンジョン潜りましょう関係。1つは人探し。1つは護衛。そして、その他である。

 学生のうちはソロで動きたいし、ソロで動けるだけの力は持っている。

 なので、その他の欄で見ているといくつか目にとまる。

 ドブ掃除、不法投棄の撤去、外来指定生物の排除などを始め、ゴミ屋敷の整理などほとんど3S作業(整理、整頓、清掃)が並んでいた。

 個人の依頼は無いし、企業の依頼も無い。

 あるのは役所の依頼のみである。

 しかも、役所の方で苦情にきた人達の依頼をそのままのせているのと、一部の人達しか依頼をこなすかもしれない人の正体を知っているのみである。

 なので、依頼達成の報酬金は本来の労働に比べてかなり少ない。

 ダンジョンの存在を知っている人間は、ほんの一部の人しか知らないし、企業がダンジョン産の物を使えば世界規模で変動が起きる。

 一部のものだけが知っていればいいのだ。

 一通り見て、ドブ掃除や川さらい池も含む、不法投棄の撤去や雑草駆除と外来指定生物の駆除なんかが多いので、範囲を決めてどんどんこなしてやろうと思いながら眠りにつくのであった。

 月曜日、学校にいった僕は校庭から拾ってきた小石を握りしめると運動場へと移動する。

 隅に立ち小石を足元に置くと収納を起動させて小石を収納する。

 次に少し離れたところに小石を収納から出す。

 仕舞っては出しを繰り返しながら、自分との距離を離しながら距離を確かめたのだ。

 結果は50mまで出来た。

 目には見えない地面の中に小石を収納から出す事が出来るかと思ったら出来た。

 そして、新しい感覚に目覚める。

 収納しようとしているところの様子が解ることに気付いたのだ。

 自分から半径50mならば、見えていようがいまいがピンポイントで収納できるということだ。

 やろうと思えば、授業中にクラス全員の財布からお金を盗むことも・・・しないけどね。

 物陰に隠れると、スマホを取り出す。

 今日のところは、学校が終わったらその周辺にある依頼を10件ほどこなそうと思う。

 不法投棄が意外と多く5件、ドブさらいが3件、川さらいが2件ある。

 川といっても名の有る川ではなく、側溝をちょっと大きくしたようなものだ。

 早速依頼を受けるとスマホを収納して授業を受ける為に教室に戻る。

 学校が終わるとすぐに近くのスーパーのトイレに駆け込んだ。

 スーパーのトイレは店に入らなくても横付けで付いているので入りやすい。

 トイレに入って装備スキルで普段着に着替えるとスマホを取り出す。

 電波時計の電波を受信し時計が正しい時間を指すと同時にメールを受信した。

 メールは10件あり、依頼受理確認と詳細が書かれていた。

 不法投棄については、人目にあまり会わないよう素早く回収すること。

 回収したものは、運営が進める業者に渡すか、自分で分解してから業者に売るか、めんどくさければダンジョンに放棄してきてもいいのだそうだ。

 ダンジョンは、24時間ほどで全て吸収してしまうとの事。

 こんなことにダンジョンが使われているとは思わなかった。

 ドブさらいは、側溝に詰まっている泥や砂やゴミを取り除く事。

 こちらも取ったものの破棄は、不法投棄と同じ扱いらしい。

 川さらいは、1つは、長さ1kmほどで幅は50cmほどで流れがなく悪臭があり得たいの知れない様な生き物がいるくらいだから、全て取ってもらえるといいとあり、もう1つは、長さ2kmほどで、幅は1.5mほどで緩やかだが流れがあり生物もいる。

 ただ、外来生物も多いということで、わかる範囲で取ってくれとの事である。

 依頼期間は1週間で、終わり次第返信メールで知らせてほしいとあった。

 収納スキルがここまで万能なら、1週間と言わず数時間で可能である。

 一番近いところは、徒歩3分で見慣れた景色と言うこともないが、よくある側溝が砂等で埋まり元気に育った雑草がグレーチング(スチールやアルミで出来た網状の蓋)から外に出ている姿であった。

 歩き過ぎながら、側溝の中を探るとここら全部埋まっているので、来た道を戻りながら側溝と配管の中を収納という清掃をする。

 往復2分、依頼完了っと。

 本来なら、側溝ん蓋を全て外し、スコップや鍬などで掘り起こしながら土嚢袋に入れて、トラックに積み専用の捨て場まで持っていき引き取ってもらってようやく終了する。

 数時間はかかるであろうその作業を、わずか2分で終わらせ依頼完了のメールを送信っと。

 次の依頼場所は、流れの無いドブ川だ。

 移動する事数分で到着。

 川というより側溝に見える。

 先端が他の川と繋がっているのだが、長年砂や土で埋まり流れなくなっている様なので、先端の塞がっているところを排除した所、勢いよく流れたがすぐに収まった。

 泥が露になり蛭とか得たいの知れなそうなものがウヨウヨいるのが解る。

 天日干しにしても良いのだが、泥を1kmかけて収納して依頼完了のメールを送信する。

 続けて1件目同様の依頼を2件連続でこなし、もう1件の川に出る。

 この川は農業用の物らしく、田んぼがちらほら見える。

 ということ、ゴミの排除と外来生物の駆除かなと狙いをつけるが、意外と知らないかもしれない。

 川を覗いて、カダヤシでしょ。ウシガエルかな。アメリカザリガニ。あとは、ジャンボタニシ位かな。

 ゴミと一緒にチョイスしていくこと、2kmは小一時間かかった。

 この先の側溝清掃を速攻こなし、5件のマンションなどのゴミ捨て場に鎮座する不法投棄物をゴソッと回収もとい収納して帰路につく。

 僕は、帰路中に収納したものを加工と言う名の分解を行っていた。

 そして気付いた。

 分解はできても仕分けられないことに。

 何かいいスキルはないものか探りながら家へと急ぐのであった。

 

 


今後、2人のバランスをどうしようかと悩んでます

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