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4階は盗人のオジサンだらけ

遅くなった上に短くて恐縮してます

 僕は目を覚ました。

 何時間寝たかわからないが、ゆっくり寝たのはどれくらいぶりだろうか?

 物心ついてから初めての事かもしれないと思う。

 ここは洞窟の形をしたダンジョンの安全地帯。

 基本的に邪魔が入らずに居眠りが出来る場所の1つであるが、死ねば死体はダンジョンに吸収されるのだと思う。

 っとそんなことはどうでもいい。

 ここが、ダンジョンであるならば攻略しないことには意味がないと言うわけで、攻略の再開をする。

 布団と座布団を収納に入れ、おにぎりを取り出すと食べた。

 水を取り出した。

 水も収納から取り出したがアイテムとして取り出せてるのか、入れ物も無いのに球体のまま手の少し上で中に浮いている。

 そーっと手を近づけると水の球体が逃げるようにちょっと形を崩しながら避けるが、手を止めると水は球体に戻る。

 取り出したときに、手の上で球体のまま浮いてるので、手をゆっくり移動するとその形を保ったまま移動できるが、一定以上の速さになると手からずれて地面に落ち破裂するように飛び散る。

 この時水に変化があり、アイテム水から普通の水へと変わる。

 アイテムとは使用したときから普通の物に変わると言うことだ。

 ちょっと面白いのが、水筒を手にしてアイテム水に近づけると水は水筒に入っていく。

 水筒に入った水はアイテムとして使えるわけではなく、普通の水になっているので取り出しても球体は保てない。

 また、1L以上入らないときは溢れるので注意は必要である。

 水で手を洗い、残りを飲み干した。

 装備を1にしていざ攻略に行く。

 安全地帯を塞ぐ大岩を左手で持ち上げ、かるく真上に上げすかさず右手でアタックすると、大岩が核ごと粉砕しながら虫の群れへと突っ込み虫と岩がチリになっていく。

 チリの一部は僕に近づくものの吸収されず、アイテム化して自分の目の前で山を作る。

 収納にしまったら、部屋に残ったのを片付けて次のお階段を降りるために奥へと進んでいく。

 階段を降りて、4階に着く。

 ここも土の洞窟になっていた。

 しばらく行くと広場に出たら、人がいた。

 30代くらいのオジサンだろうか、顔を布でかるく覆っているがオジサンだ。

 久しぶりに人を見たので、嬉しくなり声をかけながら近づいていくと向こうも気づいてくれたようだった。

 「あのー初めまして」

 「今日は」バコッっと殴られた。

 「えっなに?」ときいても黙って殴ったり蹴ったりしてくる。

 流石に2発目以降は避けてるが、容赦なく来るものだから一度階段の方まで戻るとオジサン達は追い掛けてこなかったので、ステータス画面を開きエンちゃんとに聞いてみることにした。

 《エンちゃん、何か黙って殴られたんですけど、何でだろう?というかあの人達はなに?》

 『ハー・・・・・・まず黙っていたのではなく、喋れないだけ。殴ってきたのは敵とみなされたからだよ』

 《敵って言われても、黙って攻撃なんて魔物みたいだね。あの人達は》

 『そうだね。ところで鑑定してみたの?』

 《鑑定って言っても、魔物じゃあるまいし》

 『・・・・・・』

 《はい?魔物なの?あの人達は》

 僕には信じられないと思った。

 信じられないが、考えてもみればダンジョンに人が居るのもおかしく思えてくるし、犬や猫もまんま犬猫だったしでっかい蜘蛛やムカデもいる。

 人型のような物なら魔物と判ったかもしれないが、人そのものの魔物がいるとは思わなかった。

 改めて、広場に近づき鑑定すると正体が分かった。

 正体は、盗人Aと盗人Bだった。

 《本当に魔物だ。どうやって倒したらいいと思う》

 『どうやっても倒せると思うよ。素手で押すだけでもいいし、投げ飛ばしてもいいし、刀で斬ってもいいし、砂で消し飛ばしてもいいよ』

 《スルーするというのは?》

 『別に構わないけど、アイテムが入らない上に前途多難になるよ』

 《なぜ?》

 『今後人の形しただらけのダンジョンで仕事をしなければならないとき、どうする?人雇ってもダンジョンに入れないとか色々困りそうだよ。』

 《仕事ってあるのか?》

 『ともかく、どんな魔物も倒せるようにしないとね』

 《そっそうだね》

 『返り血が出ないから、藁人形と変わらないよ』

 《だいぶ違うと思うけど》

 僕は少し考えて、まずは素手で押してみることにした。

 大岩を片手で持ち上げ、アタックで粉々に出来るだけの力だから、人の形をした魔物は押しただけで吹っ飛んでいく。

 1人押し込んだつもりが、2人巻き込んで壁にぶつかりチリになっていった。

 同様にもう1組も壁にぶつかりチリになっていく。

 服ごとチリになっているので、服も魔物の体の一部と言う事になるのだろう。

 返り血がでないだけあって、きれいなものだ。

 そして、アイテムをゲットした。

 『新しい魔物を倒しました。魔物図鑑に追加されます』

 『新しい魔物を倒しました。魔物図鑑に追加されます』

 『新しいアイテムを入手しました。アイテム図鑑に追加されます』

 『新しいアイテムを入手しました。アイテム図鑑に追加されます』

 新しいアイテムは、ゲームアイテム的な薬草と毒草だった。

 品質は下下なので、2つ合わせて加工をしたところ反応が無い。

 《エンちゃん、このアイテムは加工できないけど何でか分かる?》

 『これは薬アイテム。薬とつくものは製薬スキルでないとダメ』

 《薬を扱うスキルか。要るかな?こんな体だし》

 『今後ソロで活動するならね。どんな形であれ他の人と関わったとき薬は便利よ。でも、ダンジョン産の薬は外で使うのはオススメ出来ないかな』

 《なん・・・・・・あー現実離れしてるからか》

 『そうだね。どうするの?』

 僕は、考えてるとリスポーンして襲ってくるオジサンを吹き飛ばす。

 本当にダンジョンの魔物だけに、血が出ないのはものすごく助かる。

 考えてみれば、犬や猫も血が出無いから楽になった部分もある。

 そして、今は対人だ。

 この時代いや、時代に限らず悪い人もいるだろう。

 容赦なく自分を殺しに来るものがいるかもしれないとならば、人に対して刀を扱えるようになる第一歩としていい実験台と言わざる終えない相手だ。

 僕には、剣術スキルもあるから教えてくれる人がいなくても問題ない。

 剣術スキルには、もうひとつ確認したいことがあり、それは技である。

 Mpを使い技を発動するという方法である。

 技に名前など聞いたこともないものだった。

 剣術スキルランク5の僕にある技は5つで、子斬りと牛斬りと寅斬りと卯斬りと辰斬りの5つだ。

 ランクが1つ上がる度に増えていたが、使うのは保留にしていた。

 とりあえず素振りだと思い、刀を構えて「子斬り(ねぎり)」と口にしたら右足を半歩前に出し同時に刀を振り上げて真上より少し右にずらしたかと思うと左足を半歩引きながら斬り落とした。

 牛斬り(うしぎり)は、足の動きは子斬りと同じだが刀がさらに右に傾いた状態から切り下ろしていた。

 寅斬り(とらぎり)は、足の動きそのままに右真横から左にかけて横一文字に斬っている。

 つまり、真上から30℃づつずらして斬っているようだ。

卯斬り(うぎり)と辰斬り(たつぎり)は前に出る足と後ろに引く足が入れ替わり、刀を右下から左上に切り上げている。

 どうも、時計の1から順に斬っているようだ。

 確認したとこで、リスポーンしてきたオジサン達に近づいて子斬りをはなつと、近づき過ぎたのだろう、刀の柄がオジサンの顔面横に当たりそのまま刀の刃の根元辺りからオジサンの体を2つに切り分けてしまった。

 近づき過ぎたのを教訓に今度は、離れたところから斬ったところ服だけが切れてなんと全裸にしてしまう。

 とっさのことで、まじまじと見てしまった。

 それは、男の人そのものだった。

 よくヘソが無いとか、ぶら下がっているものがな無い何て話ありそうだけど、全部ある。

 しかも、服を再度着ようとしている姿は人だと思う一面である。

 着れずに服を投げ捨てて向かってこられたときは、すかさず砂を投げつけ回避したけどね。

 剣術のスキルを技として使うには、相手との距離が大事だと分かった。

 今、問題は薬草を手にしたが、薬草を加工するかしないかである。

 《どう思う?製薬スキルいると思う?》

 『いるかな。持ってれば絶対役立つ時がくるよ』

 《そうかなー》

 『そうだね、製薬のスキルと剣術のスキル両方30にしたら良いこと教えってあげる』

 《良いことって言っても僕にとって良いことなの?》

 『それはわからない。』

 《でも、何で30なの?》

 『30になると、剣術の技は出しやすくなるし、製薬で薬草から作れるもので使いやすいものが出きる。さらに間合いが上手くなるでしょ』

 《間合い?間合いってなに?》

 『間合いとは、敵と戦うときの敵と自分との間の距離のことを言うのよ』

 製薬スキルを取得してレベルが上がった僕は、この階で盗人という魔物相手に刀を振り続けるのだった。

 

次回ダンジョンクリアーすると思います。

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