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レベルを頂きました

 僕は井宮鷹仁。

 高校二年、17才。

 今は、本屋にいて野菜を育てる本を探している。

 最近、父さんが小さな畑を借りてきたのだが、忙しくて何もしていない。

 というわけで、僕に小遣いを渡して「何か作れ。」と言ってきた。

 理科は嫌いではないものの、畑となると無知に近い僕は、とりあえず本を買い知識を得る事にした。

 写真がたくさん載っていて、判りやすくっとなんか果物も載ってるけど買った。

 ついでに、鉱物の本も買った・・・綺麗に輝いていたから。

 ウキウキ気分で本屋を出ようとした時、玄関先で派手に転けた。

 バナナの皮をおもいっきり踏みつけた様に転けた。

 転けた瞬間、両手を伸ばし地面に手を着こうかとしたとき、突如としてめまいを起こし目の前に映像が流れ出した。

 自分が生まれ、幼稚園、小学、中学そして今に至るまで。

 走馬灯を見ていたが、地面に着地する前に意識を失った。

 


 二人の死神が、街を歩いていた。

 死神の姿は、他の人には全く見えない。

 見えないどころか、触る事もできない。

 感のいい人は、死神に触れたとき寒気を覚えたり、鳥肌がたつ人もいるようだが、気付かれるはずもない。

 そんな二人の死神に、突然襲いかかる少年がいた。

 ジャンプして、両手を伸ばし捕まえようとしてくる。

 慌てた若い死神が、鎌を構え少年の魂を二つに斬ってしまう。

 その時、鎌の刃先が時限の狭間に食い込み時限が開いてしまった。

 もう一人の死神は、二つになった魂のうち一つを少年の体内に戻す。

 そして、もう一つの魂を戻そうとしたが、時すでに遅く本と共に時限の中に落ちていった。

 すぐに時限が閉じてしまったのでおえなかった。

 「お前な−、どうしてくれるんだ。片方どっか行っちゃったじゃないか。だいたい死亡リストに載ってない人間に鎌を振るな。ったく鎌筋だけはいいんだから。」

 「そんなこと言われても、襲われたんですよ。」

 「襲われたのでなく、こいつは転けただけだ。上司にすぐ報告だ。」

 「え−−。怒られますよ−」

 「・・・」



 本屋の店長が、店先で転けた少年をみて、慌てて少年の元へ駆け寄った。

 「お客さん!お客さん?ボク!ボクッしっかりして?」

 ほっぺたを叩いてみるが反応がない。

 喉に手を当てて脈をみたら、脈がない!と思ったら脈が戻ったが意識が戻らない。

 と、次の瞬間店長に寒気が襲い掛かった。

 店長が、とっさに両手で頭を抱えかがみこんだ。

 その様子を見ていた若いアルバイト定員が、「店長、大丈夫ですか?」と声を掛けてきた。

 店長の寒気は直ぐに治まったが、その場を動けないので、恐ろしい形相でアルバイト定員に救急車を呼ぶよう指示を出す。

 アルバイト定員は、直ぐに電話の受話器を持つが手が震えて番号が押せない。

 見かねた客が受話器を取り上げ、店長の方へいくように促す。

 「もしもし、救急です。場所は・・・」

 アルバイト定員の手を借りて立ち上がった店長は、アルバイト定員に詫びを入れ、少年を見とくよう頼み電話対応してくれた客の方へ向かっていった。

 アルバイト定員も、少し落ち着いたのか、少年の横でしゃがみこんだ。

 程なくして救急車が到着し、少年を収容して病院へ向かっていった。


 僕は、目を覚ました。

 しかし、体が動かない。

 目は動くのでキョロキョロしてみたが、自分の部屋ではないようだ。

 窓らしき所から満月が覗いていたので、夜だとは思う。

 そう思ってたら、男性の声がした。

 声の方に目をやり、ギョッとした。

 フードを被り大きな鎌を持った男がたっていたからだ。

 「死神ですか?」

 「そうだ」

 あっけない返事にビックリし同時に死んだのだと思った。

 しかし、死神は言葉を続けた。

 「私は、死神だ。そして、お前に事実だけを伝える。こちらの手違いでお前の魂は、半分になってしまった。このままではお前の魂は直ぐに抜けてしまい不便である。よって、レベルをあげよう。これで肉体と魂は通常通りになる。あと、お詫びにスキルをあげよう。何がいい?」

 突っ込みどころ満載と言いたかったが、強制的に理解させられてしまった。

 スキルって何があるのかなと思ったらなんか、頭の中を色々よぎる。

 おすすめを聞いたところ、凄いスキルを教えてくれた。

 何でも、部下がした不始末で自分もお詫びをしたかったそうな。

 しかし、デメリットもある。

 「何を習得するか、よく考えろ。また明日この時間に来る。」といって消えていった。

 しばらくして、看護師さんが、巡回に来たときのことだった。

 看護師さんの頭の上にレベル表示がされているではないか。

 慌てた僕は、咄嗟に目をつぶり意識を取り戻してないふりをした。

 そして、一晩かけてじっくり考えることにしたのだった。

次はスキルです。

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