9件目 僕の寝る前にやることが多すぎる件について!
夕飯を食べ終わり、お風呂にも入って歯磨きもした僕。
あとは寝るだけだ。
しかしその前に多くの事をやらなければならない。
まずは結衣さんを部屋に運ぶことだ。
この、夜11時ほどになると、基本的に結衣さんはリビングで寝ている。
自分で部屋に行ってほしいんですけどね。
僕が運ばないと、そのままずっと寝てるんで風邪引いちゃうんですよ。
ちなみに真冬は自分の部屋で勉強中だ。
僕も受験の時は勉強ばっかりしてました。
まぁおかげで、進学校に入れたんですけどね。
「結衣さーん、もう一階の電気消すので、自分の部屋に行きますよー」
「運んでって……」
「はぁ……」
僕はため息をついて、結衣さんを抱える。
……少し結衣さん重くなったかもしれないです。
***
「よっこいしょっと……」
「…………」
僕は結衣さんを結衣さんの部屋のベッドに寝かせ布団をかける。
「これでよしっと」
僕の寝る前の1つめが終わった。
次にやることは真冬の夜食作りだ。
まぁ、真冬は太るからいらないとか、いつも言うんですけどね。
一応作って置いとくんです。
僕は一階に行ってキッチンの電気をつけ、冷蔵庫を開ける。
冷蔵庫に入っているのは、夕飯の残りの肉じゃがと、おそらく真冬が作ったであろう卵焼きの残り、茹でたとうもろこしのみ。
今日はなんにもないですね。
「んーとうもろこしかー……」
僕は考える。
やっぱりコーンスープですかね?
「よし。コーンスープを作ろう」
コーンスープは結構簡単に作れるから楽でいいんですよね。
もちろん本格的にするつもりはありませんが。
まず、芯から身を取る。
次にミキサーにとうもろこしと、牛乳を入れ粒がなくなるくらいまでかける。
そして鍋にうつして、コンソメを入れ温める。
最後に塩と、こしょうで味を整えパセリを乗せたら出来上がり。
「んーいいにおい」
僕は器にスープを入れ、スプーンと一緒にお盆に乗せ、真冬の部屋まで持っていく。
部屋の前にたちノックをする。
「真冬コーンスープ作ったよ」
「ありがとうお兄ちゃん。そこに置いといて」
「うん。冷めるから早く飲みなよ」
「はーい」
真冬が返事をしたので、僕は扉の横に置いておく。
僕も受験の時、真冬にこうやってよく作ってもらってました。
さて、真冬に夜食を作った僕が次にやることは茜にメールをすることだ。
この時間くらいしか、ろくに連絡できませんからね。
てか、連絡しないと明日の朝、色々大変なので。
僕は自分の部屋に戻りスマホを取り出し、茜にメールを送る。
まぁ送るメールは1件だけですけどね。
茜は結構お寝坊さんなので、ずっとメールしておくと二人とも遅刻するので。
メールの内容はこんな感じです。
『今日ほとんどメールできなくてごめんね。昼休み生徒会大丈夫だった? また明日、会えるのを楽しみにしとくね。おやすみ』
結構質素な感じですけど、これが平常運転です。
たまにラブラブなメールとか送りますけどね。
返信を待っていると一分もしないうちに返ってくる。
ちなみに内容はとても長かったので要約すると
『ううん! 全然大丈夫だったよ! 私も会えるの楽しみにしてる! おやすみ一輝くん』
こんな感じです。
まぁハートマークとか盛りだくさんですけどね。
「さてと、あとは明日の準備かな」
僕は明日の準備をする。
この学校、進学校なだけあって、教科書とか多いんですよ。
授業も普通に8時間までありますしね。
10分ほどかけてようやく時間割が終わった。
時計を見ると、すでに1時を過ぎている。
まぁあとは、ほんとに寝るだけなのでいいんですけどね。
僕は自分の部屋の電気を消してベッドに入り静かに目を瞑った。
***
一方その頃の真冬
「お兄ちゃんが作ってくれたコーンスープ、もったいなくて食べられない……」
勉強せずにコーンスープを眺めていた。
次回はこの日より一週間ほど先のことです!