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8件目 僕が理不尽なことで怒られた件について!

主人公視点に戻ります!

「ただいまー」


 真冬(まふゆ)が買い物に行って一時間、僕が勉強をしていると帰ってきたようだ。


「おかえり真冬」

「うんただいま。結衣(ゆい)さんは?」


 唐突に結衣さんのことを聞いてくる。

なんだかんだ言って、結衣さんのことを想う真冬。


 以外に結衣さんのこと心配したりしてるんですよね。

真冬は優しいです。


「まだ寝てるよ」

「そっか。じゃあ早く作っちゃうね」


 そう言うと真冬は買い物袋から、買ってきたものを取り出す。


「今日は何作るの?」

「肉じゃがかな」

「おぉーやった」

「お兄ちゃん好きだったでしょ?」

「うんうん」


 僕は心の中でガッツポーズをする。


 真冬の作る肉じゃがは、とても美味しくて、僕の大好物の一つです。


「まぁ、急いで作るから、お兄ちゃんは時間つぶしといてよ」

「うん。そうさせてもらうよ」


 真冬はキッチンに移動する。

 僕は真冬に「いつもありがとう」と感謝して、リビングにあるソファーに座りスマホのメール受信箱を開ける。


 メール受信箱には、72件のメールが入っていた。

全て(あかね)からだ。


 やってしまいました。

勉強で、すっかりわすれてました。


「ふわぁ……いっくんおはよ〜」

「おはようございます結衣さん」


 メールを確認し、返信をしていると結衣さんが目を覚ます。


「何してるの?」

「メール見てます」


 そう言うと、結衣さんは僕のスマホを覗き込む。


「ふーんまた、茜さんか」

「まぁ」

「ほんと仲良いいんだね」

「まぁ……」


 僕は少し照れる。


 仲良いのは否定しないですけどね。


「……ま、仲良いってのはいいことだね」

「普通ですよ? あ、真冬帰ってきたので、もう少しでご飯できると思いますよ」

「うん……じゃあできたら起こして……」


 そう言うとまたしても結衣さんは寝てしまう。


 てか結衣さん一日の睡眠時間どれくらいなんでしょう?


 僕は頭に疑問を持ちつつ、また結衣さんに毛布をかける。


「さて、勉強しますか……」


 僕はペンを取り課題を進めていく。


***


「お兄ちゃんーご飯そろそろできるからお箸並べてー」

「うんわかった。結衣さん起きてください」

「あと五分〜……」


 結衣さんは寝返りを打って僕の膝に頭を乗せている。

僕は結衣さんの頬を突く。

けれども結衣さんは起きない。


 まぁ仕方がないと言えば仕方がないんですけどね。

基本、結衣さんは満足するまで起きませんし……

ほんと困った人です。


「結衣さーん頭どけますよー」

「やだやだ〜」


 僕が結衣さんの頭を退けようとすると、抱きついてくる。

厄介なことに今は寝ぼけているようで、駄々っ子結衣さんの様だ。


「うわっ……」


 抱きつかれ僕は後ろによろめき倒れる。


 この駄々っ子結衣さんにはほんとに困ったものです。

てか、結衣さんの柔らかいのが当たって……


「ゆ、結衣さん当たってますから!」

「そんなの知らない〜」


 結衣さんはまだ、寝ぼけたままで駄々っ子モードだ。


「もうお兄ちゃんお箸とか並べてよ!」


 どうやら、僕が手伝わないのに痺れを切らした真冬がキッチンから出てきたようだ。


 てかこの状況僕が襲われてるみたいに見えるんじゃ……


「…………」

「ははは……」


 僕は苦笑いをしながら、真冬を見る。


「お兄ちゃんの……お兄ちゃんの……」

「…………え?」

「変態——!!」

「僕なの!?」


 僕がやられてる側なんですけど!?


 真冬が大声を出すと結衣さんは目を覚ます。

もちろん何が起こっているのかわかっていないようだ。


「結衣さん説明してください! 誤解だってことを!」

「ふわぁなんの話?」

「いや、だから!」

「と、に、か、く! お兄ちゃんと結衣さん! そこに正座!」


 珍しく真冬は本気で怒っているようで、その気迫はまるで鬼だ。

結衣さんもどうやら、いつもの真冬とは違うということを勘付いたらしくおとなしく従う。


「「は、はい」」


 結局、僕達が食べた夕食は冷たくなったあとだった。

(肉じゃがは美味しかったです)

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