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5件目 僕の昼休みがしょうもない議論によって潰れた件について!

今回はお昼休みの話です!

新しいキャラはもう少し先になります!


「んー午前の授業終わりましたね」


 僕は両腕を上に伸ばしながらアイリさんに話しかける。


「んーそうデスネ」


 僕の真似をしてか、アイリさんも両腕を上に伸ばす。


「まぁまだ午後の授業残ってるんですけどね……」


 僕がだらっとそう言うとアイリさんはどこか怒った口調で


「……情けないデスヨ一輝(いっき)サン! もっともっと勉強しないと彼女さんにあわせる顔がないデスヨ!」

「は、はい、そうですよね」


 何故かお説教?されてしまった僕。


 まぁ僕からすれば、アイリさんの方が勉強したほうがいいと思いますけどね。


「それはそうと、彼女さんのところ行かないでいいんデスカ?」

「うん。今日は生徒会だから、多分今頃……」

「イマゴロ……?」


 すごい大変なことになっているんだろうな、と僕は思いつつ、言葉を呑み込んだ。


 まぁ唯一学校の中で会える時間が昼休みだけだから、大変なことになるのは、仕方がないといえば仕方がないんですけどね。


「まぁ、そんなことよりお昼にしましょうか」

「そうデスネ!」


 そう言って僕はお弁当を取り出す。

作ったのはもちろん、真冬(まふゆ)だ。


 真冬のお弁当はめちゃくちゃ美味しくて、僕の好みを的確に突いてくるんですよ。


「それじゃあいただきます」

「いただきますデス!」





 20分ほどかけてお弁当を食べ終わった僕達は昼休みを使って、ある議論をする。


 議論の議題は、もし無人島に行くことになった時に、何か一つだけ持っていくとしたら何を持っていくかだ。


 設定として以下2つの事柄は守るものとする。


1 無人島に行くのは自分のみ


2 無人島の所在地は日本である



 ちなみにその議論のメンバーは、委員長、結衣(ゆい)さん、アイリさん、そして僕。


 まぁぶっちゃけ、本気でどうでもいいと思っているので、生徒会(茜)の様子でも見に行きたいんですけど、誰もそうはさせてくれないようで……


 それに結衣さんに至っては寝てますからね……

てかなんで、結衣さんいるんでしょう?


「では議論を始めようと思う」

「はい」

「はいデス!]

「…………」

「まず私の意見だが、鞭が最も大事だと思うんだ、(ひいらぎ)とフォルクはどう思う?」


 まず委員長がとんでもない意見を述べる。


 流石委員長です。

まったくキャラぶれませんよね。


「いや、鞭はないですよ、鞭は」

「そうデス」

「ふむ。そうか」


 少ししょんぼりする委員長。


 ……がらでもないのにと、少し思ってしまいました。


「てか、何に使うんですか? その鞭」

「聞いて驚くなよ?」

「はい」

「ライオンとか、虎とかの猛獣を調教して、性的な満足感を得るとかだ!」


 ふふんと鼻を鳴らしてドヤ顔でいう委員長。


 そんなドヤ顔で言われても困るんですけど……


「てか委員長、そもそも条件に、日本の島って言ってますよね?」

「それがどうした」

「日本には虎もライオンもいませんよ……」

「そこは、ほら動物園から逃げ出したとか」

「いやいや、無人島に動物園とかありませんから」

「いやでも……」

「はい次いきましょう」


 僕はそう言って、強引に話を途切れさせアイリさんを指差す。


 こうでもしないと、委員長止まりませんからね。


「私はお金デス! お金があればなんでもできマス! お金こそが世界で一番大事デス!」


 女子高生がお金が世界で一番大事なんて夢も何もないと思ってしまう。


 たまに、現実的なんですよね……もっとも今は現実的にならなくていいんですけど……


「無人島だからお金なんて意味ないですよ?」

「イヤイヤ。無人島でも自販機とか、スーパーとかくらいならありますヨネ?」

「いやいや、無人島にはないですから」

「いやいや無人島デスヨ?」


 どうやら無人島というのをわかっていないようだ。


 ほんとアイリさんってバカですよね。


「君はほんとにバカだな! フォルク!」

「まぁまぁ、委員長そんなふうに言ったら、かわいそうですよ」


 まぁ僕は委員長も大概だと思いますけどね。


「お金も大事だが、鞭のほうが大事だろ!」


 ……ダメだこの人。


「いやいや、お金のほうが大事デス!」

「なら、試すか!?」

「上等デス!!」

「てなわけで、柊!」

「はい」

「私達はちょっと無人島に行ってくる」

「はぁ……ってはい!?」

「お金のほうが大事って証明してみせマス!」


 いやたしかに、現実的に見ればお金のほうが大事ですけどね。


「てなわけで、午後から休むと先生に言っておいてくれ柊よ」

「デスデス!」

「いやいや! ダメですって! 危険ですし!」

「柊よ」


 委員長は僕の肩に手を添える。


「女にはやらねばいけない時があるのだ」


 自分に酔った風に委員長はそう言った。


 やっぱ駄目だこの人……


 結局ダメな人達にダメだといったところで、聞くはずもなく二人は大慌てで、どこかに行ってしまう。


 二人が1週間ほど帰ってこないということを僕はまだ知らない。

(てか、結衣さん結局寝たまんまでしたね)


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