4件目 僕の隣の席の女の子が泣き虫な件について!
この話は少し訂正する可能性がありますが何卒ご容赦ください。
ロングホームルームが終わり、今は10分休み。
もちろんながら、僕にも友達と言える人物はいる。
まぁ、茜とか、結衣さんとか委員長のおかげで、だいぶ影は薄いし、顔もすぐには思い浮かびませんけどね。
そんな、影の薄い友達と笑いあっていると横から不意に声が聞こえてくる。
「ちょっと、ネクタイ曲がってるデス! ほんとだらしないデスネ。しっかりしなさいデス!」
「す、すみません……」
そう言って僕のネクタイを直すのは、僕の隣の席のフォルク・エイン・アイリだ。
『でたお母さん』
通称お母さん。
「誰がお母さんデスカ! あなたたちも早く、席につきなさいデス! もう授業始まるデス!」
『はーい』
このプンスカ怒っているお母さんそして語尾が少々片言な、フォルク・エイン・アイリは留学生である。
金髪に碧眼、身長は小さめ。
だからか胸はぺったんこ。
まぁいわゆるロリというやつですね。
ちなみに勉強は全くと言ってもいいほどできない。
なんで勉強できないのに留学生に選ばれたんでしょう?
そしてアイリさんは、すぐ泣いてしまいそれが可愛い、通称泣きデレである。
また、すぐ泣いてしまうのに、強がりという変わったところもある。
まぁ、金髪に碧眼ってツンデレの醍醐味と言えば醍醐味かもしれないですけど、泣きデレもいいものなんですよ。
「ねぇねぇ、アイリさん」
「どうかしましたデス?」
「どうして、アイリさんは語尾はおかしいっていうか、片言ですけど日本語、そんなにうまいんですか?」
率直に気になったので聞いてみる。
よく考えたら、アイリさんのこと僕は何も知らないんですよね。
「……はっデス」
はっデス……?
「どうして一輝サンにそんなこと教えないといけないデスカ?」
「い、いや気になっただけだけど」
「ふーんデス。ま、まぁ、どうしてもと言うなら、教えてあげてもいいデスヨ?」
少し照れ、語尾を片言にしながら、そう言うアイリさん。
かわいいんですけど、この人は意地悪したら、もっとかわいくなるんですよね。
「じゃあ、別にいいです」
僕は笑顔でそう言う。
「へ?」
「いや、よく考えてみれば、そこまで興味がないので大丈夫です」
「…………」
そう言って、僕は黒板の方に体を向ける。
アイリさんをチラチラ見ながら。
「ふ、ふんデス! べ、別にそうだと思ってましたから別になんとも思ってないデス……」
「ですよね」
「…………」
僕は笑いを堪えるのに必死だ。
なぜならアイリさんのテンションが下がっているのが分かるからだ。
なんていうか容姿も子供でとてもかわいらしいんですよ。
まぁ僕には茜がいるから、手は出さないんですけどね。
そうこうしているうちに、2時間目の授業のチャイムがなり、先生が入ってくる。
『おーい。席につけよー』
先生がそう言うと、みんなが一斉に動き出して、席に座る。
まぁ僕は座ってるんですけどね。
先生は出席簿を付けるためにあたりを見回す。すると、
『ん? フォルクー何で泣きそうになってるんだ?』
何やら先生もアイリさんが気になった様子で、傷口に塩を塗ることを言ってしまう。
「な、泣いてなんかないデス! うぅ……うえぇぇぇぇぇぇん」
大粒の涙が目から落ちていく。ついに泣きだしてしまった。
するとクラスのみんなが一斉に先生に対して牙を向ける。
『あ〜あ〜先生泣〜かした』
『えぇ! 俺のせいなのか!?』
まるで小学生のノリ。
まぁ、半分は僕が泣かしたんですけどね……
アイリさんもとい先生ごめんなさい。
「あ、アイリさん、ハンカチどうぞ」
「うぅヒック……ありがとうございますデス……」
アイリさんはハンカチを受け取り、涙を拭く。
……流石に僕もこんなことで泣き出すとは思ってませんでした。
『ゴホン。わ、悪かったフォルク』
先生に対するブーイングが鳴りやまないため、先生が自分の罪を認め謝る。
……先生ほんとにすみません。
「い、いえ大丈夫デス。ぐすっ……」
『そ、それじゃあ授業始めるぞー』
『はーい』
こうして、アイリさんが泣きやんだところで授業が始まった。
*泣きデレ
好意のある人に対して、嫌われたと思い込んでしまいすぐに泣いてしまう(デレ)属性のこと。
泣きデレは思い込みが激しい人が多く、勝気な人が多い。
ツンデレというのに泣き虫というのが加わったのがアイリさんです!
またこの作品の泣きデレは作者が作ったものであって実在しているのと違うところがあるかもしれないですがそこは何卒ご容赦ください。