番外編 僕のお菓子がみんなに狙われる件について! ハッピーハロウィン! 前編!
ハロウィンネタです!
ずいぶん遅くなりました。
申し訳ございません。
「はぁはぁ、ようやく見つけた……いっくん」
息が乱れた幼馴染の結衣さん。
空き教室の一画。
距離はほんの数センチ、それこそ結衣さんの甘い香りの匂いが漂ってくる。
「ゆ、結衣さん今日は何でそんなにやる気なんですか!?」
「だって私も一輝君のがほしいから……」
「い、意味深な発言をしないでください」
「ほんとにわたし本気だ……よ……?」
そういわれた瞬間僕の鼓動が一気に早くなる。
ちなみに今の結衣さんは甘えん坊モード、いわゆる駄々っ子モードであり、いつもよりも数十倍可愛い。
しかし僕は冷静にためいきをつくふりをする。
「はぁ……あ、あと結衣さん、そんなに乗っからないでください」
今の体制は茜が見てしまったら、正直発狂し狂いだしてし舞いそうなほど怪しい感じだ。
「お、重い?」
少しうつむいてそういう結衣さん。
「いやいやそんなことないですけど……」
「けど?」
単純に僕の理性が持ちそうにないからだ。
でも僕には茜という彼女がいますからね。
そこは自重しています。
「そ、そんなことより、結衣さん何か用ですか?」
「あ、うん……」
なぜかすこし照れているのか顔を赤くする結衣さん。
僕は少し勘付いてしまう。
「まさか、みんなと同じように……」
「う、うんわたしもほしいな……」
もじもじとしながら僕の上に乗る結衣さんは本当にかわいい。
「じゃ、じゃ言うね」
「は、はい」
「トリックオアトリート! お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうぞ!」
言い終わった瞬間一気に、鼓動が早くなっているのが目に見えるように先ほどとは比べ物にならないくらい真っ赤になっている。
まるで、好きな人に告白するときのように。
*
「……はぁ」
「わーい、いっくんのお菓子だ」
僕はカバンの中に入っていたハロウィン用のお菓子を結衣さんに手渡した。
もちろん手作りだ。
「今年はチョコ?」
「正解です。でも今年は作ろうとは思ってなかったんですけどね」
「へーなんで?」
「いや、毎年真冬が喜ぶかと思ってやってたんですけど、もうそんな歳でもないですし今年受験ですからね」
「あーたしかに、真冬ちゃんしっかりしてるもんね」
「優秀すぎて逆に心配ですよ」
まぁ兄である僕にしか見せない素顔とかあるんですけどね。
「そんなことより、結衣さん、他の皆さんはどうしたんですか?」
「ん~ほかのみんなは、多分血眼になりながら探してるんじゃないかな?……てかそんなことより眠くなってきた」
「そ、そんなことって……」
す、末恐ろしい限りです。
こんな状況で眠くなるとは……危機管理能力のなさが目立ちます!
「ねぇ抱っこして~」
「いやですよ!それこそ茜に見られたら結衣さん存在消されますよ!」
「えー……」
「えーじゃないですよ!」
とりあえず、その場を後にする僕と結衣さんだった。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
もしよろしければ私の新作の「異世界からの宅配便はサキュバスでした〜今日も俺は誘惑に耐えます」も読んでいただけるとありがたいです!
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