18件目 僕の幼馴染が風邪を引いた件について! その2!
今回は後編になります!
「お昼はおかゆですかね……」
鍋にお米を入れ、水を少し多めに入れ、火をつける。
僕は今、結衣さんの看病をしている。もちろんながら、学校は休んだ。
真冬が面倒を見るって言って聞かなかったんですけど、受験生ですからね。
学校に行ってもらいました。
もちろんながら陽菜も黙っていたわけではない。
まぁかといって心配していたわけではなく、「お兄さんが学校行かないなら私も行かない」と駄々をこねていただけなんですがね……
ちなみに、アイリさんは治ったらしく、今日御見舞に来るそうだ。
といっても、まだ治ったばかりなので、委員長が止めるとは思いますけどね。
まぁ今は結衣さんの看病ですね。と僕は思いながら、おかゆの味付けをする。
「やっぱりおかゆには塩と、梅干しですよね」
多少の塩分を取ることが大事ですからね。
まぁ、梅干しと、塩は少し辛いかもしれないですが……
とりあえず完成したので、結衣さんの寝ている部屋まで持っていく。
ちなみに結衣さんの寝ている部屋は僕の部屋だ。
理由としては僕の部屋が良いと聞かないからだ。
結衣さんの駄々っ子モードは厄介ですから、まるで欲しいおもちゃの前での子供ですよ。
普段とは違う結衣さんなので可愛いですけど、少し困ってしまいます。
「結衣さんおかゆ持ってきましたよ」
「はぁ……はぁ……」
僕はおかゆを机の上に置いて、結衣さんの頭に乗っているタオルを取り、熱があるかを確認する。
「まだ熱引いてないですね……」
体温計で測れば、正確にわかるのだが、ここまで頬を赤く染め、息を荒立てていれば、手で測るだけでも十分である。
もちろん、治ってきてマシになったら体温計使いますけどね。
「結衣さん起きてください。お昼ですよ」
僕は結衣さんを起こす。
正直、しんどいのは分かるので寝かせてあげときたいんですけどね。
やっぱり栄養をつけないと治りませんから
すると結衣さんは体を起こす。
「う、うん……はぁ……ありがとう、いっくん……はぁ……はぁ」
息を荒立てお礼を言う結衣さん。
僕は起き上がったのを見て、スプーンを渡そうとする。
「それじゃあスプーンを……」
僕は結衣さんにスプーンを渡す。
しかし、結衣さんは受け取らずに、口を少し開ける。
「んっ……」
「え?」
「んっ……!」
どうやら結衣さんは食べさせてほしいようだ。
ま、まぁこのくらいしてあげてもいいですかね?
「は、はいあーん」
「あーむっ……」
口をゆっくり動かして味わう結衣さん。
「お、おいしい?」
「……うんおいしいよ」
満面の笑みながらも、熱があるせいか少し色っぽくそう答える結衣さんに僕は少しドキッとした。
「そ、それじゃあ後は自分で……」
そう言うと、僕は再びスプーンを結衣さんに渡そうとする。
しかし、結衣さんは受け取らない。
「ん……」
再び口を開けて待つ結衣さん。
僕はため息をついて食べさせる。
結局、おかゆがなくなるまで、僕は食べさせてあげた。
***
「それじゃあ、寝といてくださいね」
薬を飲ませ、僕は結衣さんにそう言い、布団をかけ、部屋を出ていこうとする。
しかし結衣さんは僕の服の裾を掴む。
「ゆ、結衣さん?」
「……いっ、くん……はぁ……はぁ……」
息を荒立てながら、引き止める結衣さん。
「……はぁ……側にいてほしいな……」
上目遣いでそう言われた瞬間、僕の鼓動が早くなる。
「い、いや僕には茜というものがありまして……そ、そのなんというか……」
僕は顔を真っ赤にしながら取り乱してしまう。
「な、何言ってるの……? はぁはぁ……」
「え?」
「浮気とかじゃないんだから……はぁ……はぁ……少しだけ……ね?」
「は、はい」
結局僕は結衣さんが寝るまでずっと一緒にいた。
もちろんながら、結衣さんにときめいたのは秘密である。
可愛い幼馴染がいると、大変です……
次回はおそらく妹視点にしようかなぁと思っています。
お読みいただきありがとうございました!




