14件目 僕が妹に買い物を頼まれた件について!
「おじゃましまーす」
「ただいまー」
僕と陽菜は、ある意味正気でない茜を家に連れて帰り、ようやく家に帰ってきた。
まさか茜がデレデレになるとは思ってませんでしたよ。
可愛かったですけどね……
「おかえりーお兄ちゃん。お客様でも連れてきた……の……」
リビングで勉強していたであろう真冬が出てくる。
「きゃー真冬ちゃん久しぶりー!」
陽菜は真冬の元まで走って抱きつく。
そういえば、真冬のことが大好きなシスコンでもあるんですよね。
「な、な、な、な、なんで陽菜さんがここに?!」
真冬は動揺しているようだ。
陽菜は真冬のことが好きなんですけど、真冬は陽菜のことが大嫌いなんですよ。
「今日から一緒に住むことになったの! よろしくね! 真冬ちゃん!」
「えぇ——!?」
そう。つい先程の帰り道でわかったことだが、陽菜も、うちに住むことになったらしい。
まぁ、引っ越し先が決まるまでらしいですけどね。
てか、ひとつ屋根の下に男一人と女の子三人ってどうなんですかね?
「まぁ、とりあえず、リビングに行こ」
僕は立ち話もなんだからと思い、リビングに行くことを勧める。
「そうですね」
「う、うん」
***
「まぁ住むって言っても、私の住むところが見つかるまでだけどね」
補足説明を真冬にする陽菜。
それを聞いて真冬は、ほっとしているようだ。
ほんとに真冬は陽菜のことが嫌いなんですよね……
「……お兄ちゃん。ちょっと買い物頼んでもいい?」
唐突に真冬が買い物を頼んでくる。
「別にいいけど……何を?」
「今日の夕飯に使う、にんにくとオリーブオイルと、唐辛子」
「別にいいけど。二人で大丈夫?」
僕は二人だけにしておくのに少し懸念を持つ。
前、大喧嘩になって、すごいことになっちゃったんですよね。
真冬は大泣きで、陽菜は激おこ。
手がつけられなかったんですよ……
「うん。今日は喧嘩しないから大丈夫」
「……わかった。それじゃあ行ってくるね」
僕は真冬のことを信じて買い物に行くことにする。
妹を信じるのも兄の努めですよね。
「お兄さん行ってらっしゃい」
「行ってらっしゃい」
真冬と陽菜に見送られ僕は家を出た。
***
「唐辛子ありました」
近くのスーパーに来てから10分くらいが経った時、ようやくお目当ての物1つ目を探し出すことができた。
基本的に家のことは真冬に任せっぱなしなので、1つ買い物をするだけで一苦労です。
「次はえーと、オリーブオイルですかね」
今度はオリーブオイル。
調味料コーナーに僕は行く。
「オリーブオイルって結構種類があるんですね……」
このスーパーは大きいため、結構品揃えが良い。
けれども今回は裏目に出たようだ。
多すぎてよくわからないんですけど……どれがいいんでしょうか?
「まぁ、適当にこれでいいか」
僕はそこまで、高くないオリーブオイルを一つ選んでカゴにいれる。
やっぱりお金は大事ですからね。
間違っても高いやつなんて買いませんよ。
「次はにんにくですね」
てか、唐辛子と一緒に探せばよかったと今更ながら僕は気づく。
「んーこれがいいですかね」
僕は少し大きめのを一つ取ってカゴに入れる。
にしても、にんにくのバラ売りってあんまり見ないんですけど気のせいですかね?
僕はしょうもないことを疑問に思いつつレジに直行する。
しかしレジには長い列ができていた。
「これは……帰るのはもう少しかかりそうですね」
僕はその最後尾に並んで自分の順番が来るのを待つ。
真冬はいつもこういう時間何しているんでしょうか?
てか、仲良くしてるか心配です。
そうこう考えているうちに、レジの順番が回ってくる。
『ポイントカードはお持ちですか?』
「いえ、持っていません」
そういえば真冬が持っているんでして。借りてくればよかったです。
レジ打ちも終わり、代金を支払った僕は買い物袋を持つ。
この店、買った物が少ないと袋に入れてくれるんですよ。
いいお店ですよね。
こうして僕の買い物は終わり帰宅する。
***
「ただいまー」
僕は家の扉を開ける。
「おかえりなさいお兄さん」
「おかえりお兄ちゃん」
すると玄関で二人が待っていた。
「た、ただいま」
どうやら喧嘩せずに仲良くできていたようだ。
一安心です。
次回は主人公が買い物に行っていた時の妹視点です!
次で陽菜の属性がわかります!
ここまでお読みいただきありがとうございました!




