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12件目 僕の従妹がクラスに転校してきた件について! その2!

 自己紹介もとい簡単な挨拶が終わって、ロングホームルーム。

もちろんながら、みんなが陽菜ひなに興味津々だ。

また僕に対する視線が何故か痛々しい。


 なんでこんなに殺意を向けられているんでしょうか?

しかし今はそんな事よりも陽菜ですね。


 先生は気を利かしてか、今日休んでるアイリさんの席に一日だけ座らせた。


「な、なんで、陽菜がこの学校にいるの?」

「お兄さんに会うために転校してきました」


 そんな無茶苦茶なと僕は思う。

が陽菜は、僕のためにはそのくらいしてしまう女の子だ。


 ひいらぎ陽菜ひな

黒髪ロングに目も黒。

容姿端麗、頭脳明晰。

僕の従妹で、歳は同じ。

真冬まふゆとはとても仲が悪い。


 いつも真冬とは喧嘩ばっかりするんですよね。

正確に言うと、陽菜は真冬のことが好きなんですけど、真冬は陽菜が嫌いなんですよ。

だから喧嘩ばっかりなんですよね。


 そして、僕のことが大好きでもある。


「それで、叔母さんには許可もらってこの学校に来たんだよね?」

「はい。当たり前じゃないですか」


 まぁそらそうかと僕は思う。


 普通に考えて独断でやめるわけなんてないですよね。


「でもよく許してもらえたね」


 叔母さんは基本的に学歴主義というか厳しい人なんです。


「はい。行かしてくれなかったら自殺するって言ったら余裕でした!」

「脅してるじゃん!!」


 何故か目をキラキラさせてそう言う陽菜に僕は大声でツッコむ。


 それがうるさかったらしく委員長が、


「二人とも静かにしろ!」


 と怒る。


「す、すみません」

「ごめんなさい」

「全く……」


 今がロングホームルームってことをすっかり忘れてました。


「怒られちゃいましたね」


 テヘッとあざとらしく少し舌を出して片目をつむりそう言う。


 少し可愛いって思ってしまった自分が恥ずかしいです……


「柊兄! 何か意見などはないのか!」


 何やら朝とは違い委員長は少しイライラしている。


「えぇっと……なんの話し合いでしたっけ?」

「文化祭のことだろうが!!」


 バンと机を叩く。


 だいぶお怒りのようです……


「そ、そうですね。やっぱり僕としては朝言ってたように、カフェが妥当だと思いますけど……」


 ただ、一年生で火を使用する許可が降りるかわかりませんけどね。

まぁそこは委員長とあかねがなんとかしてくれるでしょうけど。


「まぁ、そうだな。柊従妹は何かあるか?」

「んーそうですね。私はお兄さんと一緒ならなんでもいいですよ」


 またしてもクラスの男子達から僕に殺意が向けられる。


「んじゃあみんなーカフェでいいな?」


 委員長がクラスのみんなに聞くと、一斉に賛成の声が上がる。


「それじゃあ、今日の本題は終了だ。各自自由にしていいぞ」

『はーい』


 委員長がそう言いみんなが返事をすると、女子が一瞬で陽菜の周りに集まってくる。


『陽菜ちゃんどこから来たの?』

『柊さん髪の毛綺麗ー! どんなシャンプー使ってるの?』

『彼氏とかいるの?』

「ええっと……」


 質問攻めに陽菜は困っているようだ。


 まぁ転校初日ってこうなりますよね。

しかも陽菜はかわいいですしね。

みんなが仲良くしたい気持ちはわかります。


「柊従妹が困ってるだろ。順番に質問していけ」


 陽菜が困っていると委員長が助ける。


 やっぱり委員長はいい人ですね。

なんでも、不良から女の子を助けたこともあるそうですよ。

僕より男らしいかもです。


「あ、ありがとうございます」

「いやいや。それより答えてやれよ」

「は、はい」


 委員長の言いつけを守って一人ずつ質問をしていく。

そしてそれを陽菜が答えていく。


「柊従妹も大変だな」

「まぁでも陽菜は可愛いし仕方がないと思いますよ?」

「それは従妹としてか? それとも異性としてか?」

「まぁ両方ですかね? もちろん恋愛対象には入りませんけどね」

「そらそうだ」


 委員長と僕が話していると、ロングホームルームの終わりを告げるチャイムがなる。


「委員長、一時間目って移動でしたっけ?」

「ああ。多分そうだったと思うぞ」

「そうですかそれじゃあ……」


 僕はついでに茜に会いに行こうかなと思う。


 最近あまり、話せてませんしね。


 しかし、


「お兄さん案内してください!」


 僕と委員長の話を聞いたのか即座に手を上げ、近寄ってくる。


「いいですよね!?」


 今日はなんか強気な陽菜です。

やっぱり緊張しているんでしょうか?


「べ、別にいいけど」

「やった!」


 陽菜はそう言うと僕の腕に胸を当て抱きついてくる。


「ひ、陽菜!?」

「どうかしました?」

「む、胸が当たってるんだけど!」

「ひょっとして……嫌でしたか……?」


 しゅんとして今にも泣きそうな陽菜。


 なんか僕が悪いことしたような気がします……


「い、嫌じゃないけど……」

「じゃあ別にいいですよね?」

「う、うん」


 結局許してしまう、押しに弱い僕であった。


陽菜の属性はもう少し先でわかります!


お読みいただきありがとうございました!

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