11件目 僕の従妹がクラスに転校してきた件について! その1!
僕と委員長の静かな朝が終わり、みんなが登校して来るとクラスはどんどんうるさくなってくる。
まぁ、それが学校っていうものですからね。
僕もこの騒がしさは嫌いじゃないですしね。
ちなみに委員長はクラスの風紀のために男子の鞄の中をチェックしている。
「何度言ったら分かるんだ! こういうものは学校には持って来んなってあれほど……」
地べたに座らせ説教する委員長。
今日も、毎朝通り摘発されている男子がちらほら見える。
懲りない連中です……
ゲーム機に漫画、アダルトな本。ほかにも多種多様な物が没収されていく。
まぁ僕の目には、息を荒立てながら説教する委員長の姿しか入りませんけどね……
てか、委員長の存在が学校にあってはいけないもの、だと思ってしまいますけどね。
「まぁ今日はこれくらいで許してやろう……」
『やっと終わった……』
どうやら委員長も今日は疲れているようで、早めに切り上げたようだ。
いつもは先生が来るまで説教して、そこから先生に引き渡して、生活指導もとい、体育のゴリラ先生に怒られるっていう、3コンボがあるんですけど……
「委員長どうかしたんですか?」
「何がだ?」
「いつもは先生が来るまでお説教するじゃないですか」
「ああ。なんだそんなことか」
「そんなことって熱でもあるんですか?」
僕は本気で少し心配になってしまう。
なぜなら、委員長が情けをもとい、お説教を緩めたことなど一度もないからだ。
委員長が優しくなるなんてほんとに異常なんですけど……
「私だって疲れることくらいあるのだ」
委員長は本気で言ってるようだ。 よく見れば目の下にクマができている。
昨日夜ふかしでもしたんですかね?
「まぁ委員長も人間ですからね。昨日の夜、何かしていたんですか?」
「ああ。ちょっと研究をな」
「研究……ですか?」
「まぁ、趣味というか、ほぼ毎日見てはいるんだが、昨日はついつい熱中してしまってな」
「研究って何かを見ることなんですか?」
「ああ。SMプレ…」
「あ、はい。もういいです」
僕は即座に話を終わらす。
心配した僕が馬鹿でした……
『おーい席に付けよー』
突然先生が教室に入ってくる。
まだ、チャイムもなっていないし、ましてや今日の一時間目はロングホームルームだ。
何かあったんでしょうか?
もちろん僕達は先生の言うことを聞き席につく。
「先生今日はロングホームルームでは?」
委員長が手を上げ発言する。
『まぁそれもそうなんだが、今日は転校生を紹介するぞ』
先生がそう言うと、クラスは収束がつかないほど騒ぎ始める。
『うそだろー! まじか! 女? 女だよな?』
『いやいや! かっこいい男の子でしょ!』
先生はため息をつく。
まるで、俺に収束をつけるのは無理だ、と言わんばかりに。
ほんと先生頼りないんですよね……
僕までため息がでそうになっていると、委員長が大声を上げる。
「静かにしろ!」
委員長には誰も逆らうことができないため、静かになる。
ぶっちゃけ先生よりも頼りになる時はなるんですよね……
あの性癖が無ければ、もっと頼りになるんでしょうけどね……
「先生続けてください」
委員長がそう言うと先生は咳払いをし話を進め始める。
『女子には悪いが一応女の子だ』
『おぉー!』
『で、柊お前がよく知っている子だ』
「え? 僕ですか?」
僕は少し戸惑う。
僕の知り合いの子なんて数が限られてるんですけど一体……?
『ああ。入っていいぞー』
「はい!」
教室の扉を開けて入ってきた女の子。
先生が僕がよく知っていると言った女の子。
それは、
「はじめまして! 今日からこのクラスで一緒に勉強することになりました! 柊陽菜と申します! よろしくお願いします!」
僕の従妹だった。
陽菜の属性はもっと先にわかることになると思います!
読んでいただきありがとうございました!




