10件目 僕と委員長が意外に仲良い件について!
前の話から1週間後のことです!
いつも通りの朝を過ごして、結衣さんを引きずり背負って茜と通学。
まぁ、今日は茜が暴れなかったので、遅刻しませんでしたけどね。
基本的に茜が暴れずに遅刻しなかった場合、僕はクラスの中で登校するのは早い方だ。
僕が早いんじゃなくて、クラスの人らが遅いってのがあるんですけどね。
「おはようございます」
だが、そんな中で必ず僕よりも早い人がいる。
「今日は早いんだな。柊」
サドな委員長だ。
「はい。今日は茜が暴れなかったので」
「お前も大変だな……」
「いやまぁ、好きなんで」
僕は照れながらそう言う。
何故か委員長には本音で話せるんですよね。
「リア充爆ぜろ」
「ははは、一年前は僕もそっち側でした」
ふんと鼻を鳴らして冗談交じりに不満そうにする委員長。
委員長は結構告られたりするらしいですけど、好きな人がいるから付き合わないそうです。
委員長、美人だから告白したら成功すると思うんですけどね……
「まぁ、茜とうまくいっているようで私は嬉しいよ」
「えーとありがとうございます?」
「なんで疑問形なんだよ。てか爆ぜろ」
「ははは、お断りします」
茜と、委員長は幼馴染で、昔から仲が良いそうです。
僕と結衣さんみたいな感じですかね?
「てか柊……よく考えれば久々だな」
「確かに……そうですね」
そういえば、委員長とアイリさんは無人島に行ってたんでした。
「アイリさんは?」
「あいつは風邪で休みだ。元々体が強くないのに、無理しやがって」
「なるほど……」
そう。アイリさんは体はとても弱く、すぐ熱をだしたり倒れてしまう。
なのに無理したりするんですよね。
頑張り屋さんというか、負けず嫌いというか……
「ちなみに、どっちだったんですか?」
「どっち? 何がだ?」
「お金か、鞭か」
「両方使い物にならなかった」
「ですよね」
大方の予想通り両方使い物にはならなかったようだ。
まぁ、当然ですよね。
「それよりも柊、私がいない間に何かあったか?」
「いえ。特に何も? しいていうならクラスが平和でしたよ」
「そうか平和だったのか……私が居なくてか!?」
「はい」
このクラスの殆どのいざこざ、及びトラブルは委員長が事の発端だったりする。
まぁ一週間だけですけど、クラスが平和で、僕らはつかの間の楽園を過ごしていました。
「まぁ、そんなことより委員長」
「なんだ?」
「今日の朝、文化祭のを決めないといけないんですけど……」
「もうカフェでいいだろ」
「適当ですね」
「私が言えば誰も反論しないだろ」
「まぁ……そうですね」
委員長が意見をすれば誰一人として反論しない。
いや、僕とアイリさん意外はしない。
みんな怖いんですよ委員長のことが。
なのに委員長ってことは慕われてはいるんですけどね。
「そろそろみんな来る頃ですね」
「だな」
気づけば8時20分頃に差し掛かっていた。
廊下も少し騒がしくなってきている。
『おはよう〜げっ委員長!』
「おはようございます」
「おい山下! げっってなんだ! それにシャツ出ているぞ! しっかりしろ!」
『は、はい! すみません!』
「だいたい、貴様は………」
ガミガミくどくど朝から怒られる山下くん。
なんか可哀想ですが、自業自得なので放っておきます。
こうして僕の静かな朝は終わりを告げ学校が始まる。
今回は、この小説の中で一番ほのぼのとした話でした。
新キャラは次回出る予定です!
読んでいただきありがとうございました!




