表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/33

1件目 僕の幼馴染がめんどくさがりな件について !

新連載です。よろしくお願いします!

「ほんと勘弁してくださいよ……」


 まだまだ、毛布が恋しい4月の寒いある朝、僕/(ひいらぎ)一輝(いっき)の一日はいつもこの言葉から始まる。


「ふわぁおはよ、いっくん。今日もだるい一日が始まるねぇ」


 目をこすりながら結衣さんは体を起こす。目も当てられないあられもない姿で。


「おはようございます……てか結衣さん服を着てくださいよ……」


 はぁと溜息をつきながら、ベットの周りに散乱している服を一枚一枚畳んでいく。


 もう慣れましたけど。ほんとに勘弁してほしいものです。


「いっくん、昨日はご乱心だったから……」

「平然と嘘をつかないでくださいよ。あ、先にご飯食べといてください。多分、下で真冬が作ってると思うので」

「つれないなぁいっくん」


 不満そうな顔をする、結衣さん。

少しかわいいって思ってしまう自分がいるのが、最近の密かな悩みです。


「はいはい、早く服着てくださいね」


 軽くあしらいながら、制服を渡す。


 この人を相手にしたら、一日が48時間でも足りません。

ほんとに困った人です。


「ふわぁ〜。服着るのめんどくさいねぇ。いっくん着せて〜」


 そう言って僕に抱きつこうとしてくる。

 それに対して僕は


「自分で着てください!!」


 そう言って、部屋から結衣さんをつまみ出した。

 もちろん制服と一緒に。


 おそらく下で、真冬が着させてくれると思うので、ぼくは安心して制服に着替えます。


 結衣さんの本名は、秋山(あきやま)結衣(ゆい)

僕の幼馴染で、今は一緒に僕の家で暮らしている。

栗色の髪に目も茶色。身長は160くらい?

僕の学校のかわいい系女子ランキング第2位おっとり系女子第1位。


 当然僕もかわいいと思います。恋にも落ちていたかもしれません。

まぁ僕に彼女がいなければですけど……


 結衣さんの口癖は、だるい、めんどくさい。

(てか僕からすれば、結衣さんがたまに、めんどくさいんですけどね……)

 でも僕には、甘えてくる。

(そこが少しかわいいんです。小動物みたいで)

 そう、結衣さんはダルデレなんです。


 結衣さんの紹介が終わったところで、僕も着替えが終わりました。


 着替えが終わったところで、部屋を出て階段を降りていく。

 すると、リビングから何か大声が聞こえてきた。


 またやってる……


「いつも言ってるよね! 結衣さんには恥じらいってものが足りないって!」

「そんなこと言われても夜トイレ行った後、自分の部屋に帰るのめんどくさいし」

「だーかーらー! それがおかしいって言ってるんですよ! あとなんでいつも下着姿なんですか!」


 声を荒らげながら、結衣さんを説教している真冬がいる。


 毎度毎度ご苦労様ですって、僕は常々思います。

 言って治ったら苦労なんかしないんだから諦めたらいいのにって。


「いつもご苦労様。真冬」

「お兄ちゃんもちょっとくらい嫌がりなよ! お兄ちゃんには茜さんがいるんだから!」

「そんなこと言われても僕寝てるし…」

「そんな言い訳は通用しません!」

「まぁ善処するよ」


 カリカリしている、真冬を僕なりになだめて?パンを口に入れる。

 僕の朝ご飯は決まっていて、苺ジャムを塗った食パンに、ゆで卵、そんで飲み物は、オレンジジュース。


 僕は朝はこれしか食べません。

これがちょうど腹八分目程度なんです。


「いっくん、今日学校めんどくさいし、休もうよ」

「だめですよ、結衣さん、出席日数足りるか、わからないんですから」

「そこは、テストでなんとかなると思うんだけど……」

「出席日数はテストじゃ補えないですよ多分」


 結衣さんは学年7番目の成績優秀者。なのにも関わらず、教師から目を付けられている。

 それは僕と住んでいないとき、ほとんど学校に来ていなかったからだ。

 

 この属性(ダルデレ)がなかったら、まともな人で、人生謳歌しているんでしょうけどね。


「ちょっと、お兄ちゃん! 結衣さんどうにかしてよ! ほんとにもうやってらんないんだけど!」

「いや、そんなこと言われても……」


 僕が何か言っても、意味がないから、真冬にまかせてるんですけどね。


「ほんと、結衣さんには甘いよね!」

「そんなことないけど」

「そうそう。そんなことないよ真冬ちゃんにも、十分甘いと思うよ〜ふわぁ」


 そうこうしてる間に7時50分になっていた。


 まぁ毎朝のことなんですけどね。


「そんなしょうもないこと言ってないで、早く行きますよ結衣さん」

「えぇーもう?」

「もうって、電車乗り遅れちゃいますから、真冬も遅れたらだめだよ」

「言われなくてもわかってる」


 僕と結衣さんは高校生一年生で同じ高校。真冬は中学三年生。


 真冬は今年受験だから少々カリカリしているかも知れないです。


「じゃあ行ってくるよ」

「行ってきまーす……」


 露骨にだるそうにする、結衣さんを引きずりながら、僕は扉を開ける。


 ほんとに勘弁してほしいです。


「行ってらっしゃい」


 僕は真冬に見守られながら、(結衣さんを引きずりながら……)家を後にした。


* ダルデレ

普段はだるそうに(ダル)しているが、

主人公等に好意を抱いていていわゆるデレの状態になることがある。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ