第二十四話「最後の晩餐」
ならず者退治は順調に進んだ。
何回か襲撃に会ったりしてはいるが、それでもめげずに頑張ったおかげか遂には国まで動きだした。
何でも取締を強化するから、余計なことをしないで欲しいとまで言われた。
ということで俺たちの役目も一つ終わったということだ。
「まさか国まで動かすとはなあ」
タラクスも関心しているご様子だ。
「海斗様のおかげです。本当にありがとうございました」
「礼には及ばぬよ。まあ海斗様のおかげではあろうがな。ハハハハハ」
「海斗。調子に乗らないの」
まあ、これでやっと一つの問題は解決したわけだ。
「それよりも安奈。あの話はした?」
「ええ、勿論したわ。タラクス」
「ああ、お前たちが別世界から来たという話だろ。僕も聞いたよ。しかし、魔王を倒すなんてどうやって、仮に復活させたとしても魔王という強大な存在を倒せるかどうか」
そうなんだよな。簡単に魔王を倒すというが実際はそう簡単ではない。
簡単どころか不可能に近いとすら言える。
人類が苦労して封印までしたというのだ。
俺たちだけで倒すのは無理がある気がしてならない。
どうしたものか。
「あの」
「何だ? イライア」
「僕は魔王について調べてた時期があるんですが、魔王を弱体化した状態で倒す方法があります」
「本当か?」
「本当です」
さすがイライアといったところか。伊達に魔王を復活させようとしただけあるなあ。
「まずは目的地まで向かいましょう。話はそれからです」
「まあ焦るなイライア」
「タラクスさん?」
「魔王を倒したら彼らは元の世界に戻るのだ。お祝いの一つぐらいしてもいいだろう」
「それもそうですね。今日はぱあと盛り上がりましょう」
そうだな。今日は全て忘れて盛り上がるか。
「では俺様こと海斗と」
「えと……」
「私こと安奈様だろ。さっさと言えよ」
「うるさいわね。こういう場だと緊張するのよ。それと私は貴方みたいに自分のこと様付けで読んだりしないわよ」
「とりあえず、乾杯ってことで」
「カンパーイ」
今日は一日楽しく盛り上がった。
――
「あと少しで魔王は復活するのか」
…………。
「真実を知ったとき。やつらは殺し合うことになるだろう。フフフフフ」




