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私の秘密。

これが書きたかったんです。

「私は地球人じゃないんです。」


沈黙がイタイ。言ってから気づいたけど、これって全然現実味がないよね?いや、嘘じゃないんだよ、本当のことなんだけど、最大の秘密なんだけど!!


「・・じゃあ、田中君は宇宙船が地球に不時着して直り次第帰るとか、何か地球に調査に来てて、それが終わり次第帰るとか」

「あ、いえ、他の星から来たわけではないので。地球とは違う次元にある、いわゆる異世界から」

「異世界トリップってやつか。何かのはずみで地球に来てしまって、元の世界に帰る方法を探してたり、まさか、元の世界に恋人がいたり・・」

「ちょっと、落ち着きましょう、課長。」


私の話に食い気味に反応する課長。なんだろう、信じてもらえてるのか。なぜかやたらと帰る話になってるけど、やっぱり課長ともなるといなくなった部下の補充を考えなくちゃいけなくて大変なんだろうか。それとも、もしかして、私がいなくなると困るくらい仕事で頼りにされてるんだろうか、なんて己惚れてしまいそうだ。


「ああ、すまない。最近妹がそういうジャンルのライトノベルを送り付けてくるもんでな。過剰反応しすぎた。続きを話してくれ。」


課長もラノベ読むのか。今度おすすめ聞いてみたい。っと、続き続き。


「異世界トリップではなくて、うちは家族で地球に引っ越してきたんです。」


元の世界には魔法があった。家族全員魔法が使えたが、いきなり母が魔力アレルギーになってしまったのだ。家族の魔力なら平気だけれど、他人の魔力を感じると呼吸困難に陥る。その世界のほとんどの人が魔法を使えたので、元の世界には空気中にいろんな人の魔力が溶け込んでいて、母は外に出られなくなってしまった。外に出なければ安全だが、家の中でできることは限られる。だから父は異世界へ移住を決めたのだ。


・・・・


「という話なんですが、実際私は家族がこちらに来てから生まれた地球生まれ地球育ちなので、向こうの世界のことはよく知らないんです。」

「異世界に移住ってよくある話なのか?」

「いいえ、父が初めてだそうですよ。魔力のない、そんなに生活基準が変わらない世界を見つけて、家族を異世界に転送して、転送した先で戸籍作って暮らし始めるなんて、元の世界で賢者って呼ばれてた父じゃなきゃできなかったと思うと母が言っていました。」

「賢者か、すごいな。奥さんのために別世界を見つけて移り住むなんて愛妻家なんだな。」

「はい、父は母が何よりも大事なので。」


今日のように子供は追い出されることになるんですよ。と思ったが言わないでおいた。


「あの、ここまで話してて今更なんですが、こんな現実味のない話、信じていただけますか?」

「信じるよ、君がこの状況で嘘をつくとは全く思わないし。でも、そんな重大な秘密を俺に教えてよかったのか?」

「重大な秘密だから課長に話したんですよ。・・あれ?よく考えたらこの秘密、他の人に言っても信じてもらえないたぐいのものですよね。交換条件にならないですよね」

「話は聞かせてもらった!!!」


バーンというでかい音とともに、扉があき、父が乱入してきた。

短い話にするつもりだったんですが、終わらない。あれ?

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