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事実がフェイクとなり、フェイクが真実になる時代へ

作者: エンゲブラ
掲載日:2026/02/01

ひとは、AIの生成物を本物と判断するよりも、本物をフェイクであると判断することの方が多い。―― なんて研究報告もあったり、なかったり。

画像生成AIや動画生成AIが、予想通りの使い方をされ始めている。


ありもしない画像や動画を高精度に、誰でも簡単に作れるようになったためだ。動画はまだしも、静止画に至っては、もうほとんどが判別不能な領域だ。


さて、選挙戦である。

こどものケンカのような、エモーショナルな動画や画像が、SNSや動画投稿サイトなどで、数多く投稿され始めた。お互いの勢力が、相手側がアップロードしたものに対し、「それはフェイクだ!」と口汚く、罵り合う。これは数年前あたりから、想像することの出来た「悪夢的未来の姿」そのもの。


こうなると「事実」すらもが、フェイクへと移行する。


何年か前、東欧の政治家がスキャンダル動画を撮影され、「Photoshopだ!」と叫び、笑いものとなった。おそらくその政治家は、Photoshopが写真を加工するだけのソフトであることを知らず、恥をかいたわけだが、現在であれば、「ディープフェイクだ!」のひと言で通ってしまう。ここまでくると「実際のスキャンダルの証拠」ですら、「AIによる生成物である」とすることが可能となる。


多くの人々は、信じたいものだけを真実とする「物語」の中を生きている。重要なのは「事実」ではなく、ひとそれぞれの「真実」だからだ。


真実は、ひとの数だけ存在する。

冷静な人間は、事実ベースで物事を見るが、感情的な人間は、真実ベースの物語に酔う。これまでは絶対的な価値を有していた「事実」ですらも、その立場が揺らぎ始めている(すでに激震か)。


事件を起こした際、これからは、その証拠に対し、「類似する生成AIによるコンテンツ」を投稿すれば、火消しにも使えそうだ。生成物には、わざとAIによる生成であることが分かる「不具合」も仕込んでおけばいい。


―― 相手を貶めるために、ワザと相手が喜びそうな生成物を放流し、頃合いを見て、「ほら見ろよ、ここが完全にフェイクだろ!バーカ!バーカ!」とすれば、「エモーショナルな人々」を弄ぶことも容易だろう。こうすれば、「本物の証拠」ですら「フェイクのゴミ箱」の中へと遺棄することが可能だろう。


―― AIフェイクは、事実をもすべてフェイクへと溶かす、禁断の果実となってしまったのかもしれない。



最近、大昔から存在する動画にすら「AIだ!」とコメントが付いているのを見かけるようにもなった。「自分にとって否定したもの」であれば、とりあえず「AIだ!」とでも言っておけば、真偽の分からない人間たちには、レッテルとしても機能する。―― とんでもない話である。


本物かフェイクかを判別する作業も、多大なコストを要し、人々は疲弊させる。疲弊の先に待つのは、思考停止。直観を裏切る「願望の制御」まで持つ人間は、果たして全体の何パーセントほど残されているのだろうか?


集合知とは、また別の「集合的悪意」の形成までもが、すでに可能となった世界ともいえる。

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― 新着の感想 ―
本作品の方向性とは異なるかもしれませんが、 最近は、本当に楽しいことだったらリアルでもフェイクでもどっちでもいいよって思える感じです。 自分好みの豚顔女性ばかりの画像: 「フェイクっぽいけど、楽しい…
前に何処かで読んだ創作物ですが、私がツッコミどころをいくつも感じた作品に『AIで作成しました』の文言があって、逆パターンとして免罪符に使えるかなと思ったのを覚えています。
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