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初仕事

 深夜2時。

 僕の目の前にあるベッドには、病弱そうな子供が何かの機械を装着してすやすやと眠っている。

 ここは僕の家では無い。つまるところ、僕は不法侵入をしている。

 他の家族は僕に気付いていない。……いや、それは嘘で、本当は気付いているけど、気付いていないフリをしている。



「さよなら、社会の落ちこぼれ。僕もいつかそっちに行くから」


 僕はそう呟くと目を逸らしながらも、指紋だったり余計な証拠が残らないように気をつけながら彼の首元にナイフを突き立てた。


「ごめん」


 初仕事ということもあり、漫画に出て来る人達みたいに僕はカッコよく? 一撃では殺せず、少しだけ悲鳴が聞こえてしまう。悲鳴が他の家族に聞こえて無ければいいなと思いながらすぐに二撃目を繰り出して、目の前にいた人間がもうただの肉の塊になった事を確認した僕は、後処理を済ませて部屋を出る。


「……」

「……」


 台所では、彼の両親がお互いを慰め合いながら泣いていた。

 僕は二人から目を逸らし、二人も僕から目を逸らしつつ更に泣く勢いが強まり、僕は堂々と玄関から外に出て闇に消える。


「これで僕も『暗殺者』になっちゃったな……」


 初仕事として病弱な、医療費が圧迫してこのままでは家庭を崩壊させてしまう、高額な治療を受けさせたところでそれに見合うだけの社会貢献が望めない、社会の落ちこぼれと言っても過言では無い少年の命を奪った僕は、まぁまぁ痛む心と戦いながら帰路につく。



 これで良かったのだろうか。

 あの両親は一時的には悲しむけれど、いつか立ち直って、新しい子供を産んで、今度は健康な子供が産まれて、それでハッピーエンドになるんだろうか。

 僕のやった事は社会の為になったんだろうか。

 あの少年が殺されて、僕が生きているのは何故なんだろうか。



 僕の仲間達は多分しないであろう悩みと戦う。

 だって僕は落ちこぼれの暗殺者だから。

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