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出会い1

(やっちまった。やっちまった。やっちまった。俺のバカ)

 慌てて振り返ったが、あとの祭り。目の前に広がる光景がそのまま後ろにも広がっている。

 つまり、もう帰り道が見えないということだ。

(まだ、間に合うかも)

 振り向きざまに、今来た方向にまっすぐダッシュしてみたが、景色が変わることはなかった。

(なるほど…”空間”は一方通行ってことか。それなら誰も戻らなかったことも理解できる。)

 冷静になって うんうん と自分の考えに納得してしまったわけだけど、ここもうちょっと慌てていい場面だよね。

(何で俺、ここで冷静になれてるんだ? まあ、いいや。まずは状況把握)



 例の”空間”を越えてしまったのはすぐに分かった。ジャングルというより森。

 明るい日差しの降り注いでいたあのジャングルから一気に日陰となって周りの植生が…

 これ熱帯じゃない。温帯地方から亜寒帯の植生と言えるんじゃないか?杉?ヒノキ?様のすらっとまっすぐ伸びている立派な木々だ。根本は…シダ類ちらほら見えるな。

(太陽の位置は分からないから時間は・・・)腕時計は間もなく12時になろうとしている。

(持ち物は…)装備品、テント、食料、水、武器、で無線機と全部そろってる。

(で、ここは一体どこ?)

 ”空間”を越えて周辺の状況が一変したんだから、先ほどの場所ではないことはすでに明らか。

 一時期ネットなどで話題になった不思議空間に迷い込んだ話などがあったが、あれと同じ様な現象か?

 だとすればSNSなどで外部とやり取りできたりもするんだろうか?

 念のため、携帯の画面を確認するが見事に圏外である。

(当然だな) どう考えても森の中。森の縁がすぐそこに見えていたりすれば可能性もあるだろうが見える限りは木々しかない。

 しばらくは携帯も使えないから電源OFF。

 無線機も念のため送信してみるが…ダメ。これも電源OFF そうしておかないといざというときに使えないというのは最悪だからね。

 そして可能な限り周辺の検索。俺より先にたくさんの人が行方不明になっているんだ。同じ状況だとしたら同じところに出現していてもおかしくない。

 小一時間検索を行ったものの、足跡の一つも、何かの痕跡も一切発見できずに終わった。

 ”空間”は消滅したようではあるが、もしかすれば明日の同時刻とかに再び”空間”が出現して俺を元の場所に戻してくれるかもしれない。元に戻る可能性が一番高いと思われるのはこの場所なので離れたくはないが、森の中という危険性と、食料、水の関係からここに長く留まるにも”空間”の出現が確実とは言えないので、出現しなかった場合飲食が枯渇する。周辺に集落でもあれば(それも未知数なのだが)それはそれで日本に戻る手段ができるというものだ。

 葛藤はあったが、明日の同時刻までここに留まり”空間”の出現が確認できなければ、集落の捜索に移ることで自分を納得させた。

 しかしここを離れたのちに変化があった場合に備えて、自分自身をここに運んだ”空間”のあった場所を横切るように5基の石積みを並べて作り、更にロープを機に結んで渡して”空間”が出現した場合に石積みやロープの一部なりを運んでくれれば、それがわかるように設置しておいた。

 もちろん何かの生物などによって壊される可能性もないではないが、その場合と”空間”による消滅では違いがはっきり分かるであろうと考えている。しかし願わくば消滅した後を見たくはないとの気持ちは強い。


 次にテントの設営をはじめとする野営の準備だ。夜間の火を絶やさぬように周辺の枯れ枝などを集めたり、野営地の周辺にロープを張り巡らせて簡易鳴子システムを作って万一の外敵の接近に備えることも忘れない。

 幸い小銃、拳銃の銃器はあるがなるべく使う状況に遭遇したくない。一応アメリカで銃の経験はさせてもらったが、扱いに慣れていないのでやはり怖い。それ以上に可能な限り弾丸は節約したいし遭難が長期にわたった場合自身で狩りをしたりする必要も出てくるかもしれずいろいろ備えておいて損はない。

 さて、そうこうしているうちに何とか野営準備は完了し、すっかりと暗くなった森の中で一人焚火を炊きながらその明かりを頼りに簡単に食事を済ませる。

 なんてことはない。食事と言っても水は可能な限り残しておきたいので、インスタントやアルファ米の類は今日はお預け。こういった場合はブロック状になった黄色い箱で有名なあの栄養食品?とゼリー状の飲料で栄養補給するにとどまる。口の中が少しパサパサするが、例のゼリーで何とか流す。まあ、味気ない夕食。話す相手もいないので長い長い夜ではあるがうとうとしながらでも焚火の管理はしなければならないので山刀と小銃はすぐ手の届くところにおいて拳銃はホルスターに入れて右腰に差してある。が、実は俺左利きなんだよね。どっちがいいのかわからないけど、小銃は左で構える方が効き目の関係もあって楽なので据銃の時に邪魔になりにくいかなと思ってこっちにしているんだけど、どうせホルスターは両方にあるやつなんでどっちでもいいんじゃないかとも思ってる。

 で、やることもないし眠くなるしで、少し余分に薪をくべておいて万が一寝落ちしても火が消えていないようにと思う。

(そう言えば、野生動物が火を恐れるっていうのは間違いだと聞いたこともあるなぁ。その時は本当かウソか気にもしなかったし、こんなコトになるんだったらちゃんと確認しておけばよかった。)

 そうしながらやっぱり考えちゃうんだよね。本当になんで急にこんな森の中に運ばれたんだろうって、仮定の話でしかないけれど、俺が一人っ切りでこの場所ということは皆もバラバラにあちこちに運ばれたのかも知れないとか、だとすれば皆が一様に人里離れた辺鄙な場所ばかりではなく人里に近い場所とか、町の中とかに運ばれたのがいるかもしれず、それならば捜索が開始されるのも早いかもしれないと淡い期待もでてくる。一方これは大切な要素かもしれないが、教授達、倉田たち、ジョゼは”空間”の表側から入った。

少なくともジョゼはそうだった。

 しかし俺は”空間”を調べていてたまたま”空間”の裏側に回り込んで”空間”の裏から入った。考えたくはないが、もしそれも要素だとすれば、ひょっとすると俺だけが違うところに運ばれていることも考えられる。その場合捜索隊が”空間”のあった場所の足跡から判断できるかどうかも怪しい。

(え、じゃあ俺一人だけ発見が遅れるかもしれない。ということになるのか。)

 これはいよいよ長期戦を考えつつ一刻も早く集落なり町なりを見つけないと本当に狩猟生活に入ってしまうことになるかもなぁ。ぱちぱちとはぜる焚火を眺めながら睡魔と戦いつつそんなことを考えていた。


 かれこれ3時間ほどが経っただろうか、時計は22時を回ったがこの時間が正しいかどうかはわからない。しかし、さほどずれはないだろう。

何らかの野生動物がいれば、夜は彼らの時間だ。いっそう焚火の明かりがほぼ唯一の照明だ。絶やすわけにはいかない。いちおうLEDのサーチライトもあるにはあるが節電できるときはしておきたい。焚き木をくべながらも周辺への警戒は怠らない。

鳴子は設置しているものの夜の森では些細な物音でも恐怖の対象だ。風に揺れる枝葉の音、時折鳥類の羽ばたき音らしきものや、今も森に響く鳴き声。おそらくフクロウの声なんだろう。そういった音が耳に届いてくる。見えないことは不安しかない。

(せめて人間もフクロウぐらいに夜目が効けば暗闇でもしっかり見えて安心できるんだろうけどな。)

 できることなら何かあったとき見えないより見えるほうがいい。

(そう。これ位見えれば昼間とおんなじくらいにうごけるし。)って、え~なんかすごく見えるんですけど。見えるを幸いに先刻の鳴き声の方向に目を向ける。少し離れた枝上にフクロウと思しき影。

(あれってさっきのやっぱりフクロウか?まあ、細部まで見えんけどフクロウ科だな。)

しかしこれ位よく見えると怖さも半減する

 せっかくよく見えるのでしっかりと周辺を観察して、危険がないことを確認しできたし、安心できたら緊張が解けたのだろうか、急激に眠気が襲ってきていつの間にか寝落ちしていたのであった。









うまく表現できているでしょうか?

一から模索しながらの表現・・・難しいものですね

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