表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ファントム  作者: かな
最終章
55/56

その後

エミリアとスタンリーは、早々に王宮へと居を移した


パトリシアとノアはすぐに遊びに来てくれ、3人で簡易的なお茶会をした


「エミリアさま。僕、ブランと一緒に王都の学校へ通うことになったんです!」


ノアは嬉しそうに、エミリアに告げた


カリーナとパトリシアは王宮に移るが、王弟殿下たちはトカラに引き続き住むことになっていた


王弟妃であるマリアが、ふるさとの見えるトカラでの生活を望んだためである


ノアはどうなるのか、と思っていたので、エミリアも嬉しくなって微笑む


「長い休みには、ブランとトカラに戻るんです。あと、パトリシアお姉さまも一緒に…」


パトリシアは、マリアから礼儀作法を習いに行くのだそうだ


「もちろん、ノアほど長くは滞在しませんわ」と、ノアを見て微笑む


「学校も楽しみですの。どうやら、エミリアさまも通われたところみたいで…」


聞くと、ノアは騎士科のある学校へ、パトリシアはエミリアも通った王族の多い学校へ行くらしい


「懐かしいわ」と、エミリアは目を細めた


「華やかな催しがたくさんありますから、きっとパトリシアさまも好きになると思いますわ」


エミリアはいくつか思い出話をして、ステラの話もした


いつか、ステラやブライトたちとも会ってもらいたいと思った


「エミリアさまは、これからどうされますの?」


「…実は、まだ決まっていません…」


エミリアは思わず俯いてから、慌てて顔をあげた


「王都での屋敷が、思っていたよりも壊れていて…でも、王都に居は構えます」


エミリアは山の上にある、屋敷の話をして、実は王宮とも繋がっているのだと言った


「もしかして初まりの赤い山ですか?」


ノアは目をきらきらさせて、身を乗り出した


パトリシアはノアを注意して、座り直させる


「赤い竜に乗って、王さまが降り立った地…僕、行ってみたいんですよ」


「じゃあいっそ国に返還して、観光地にでもしてもらおうかしら?」


エミリアは、半ば冗談として笑った


エミリアがスタンリーとあの土地を訪れたとき、スタンリーはずっと顔を顰めていた


人がいなくなって、まだ10年ほど…


町並みは変わらず、エミリアはあの頃に戻ったような錯覚を覚えた


「ここには市場がありましたよね。お父さまにねだって、飴細工を買ってもらったことがあります」


屋敷に繋がる大通りの前でエミリアが言うと、スタンリーは何も言わずに頷いた


彼は立ち止まって深く息を吐くと、


「エミリアは…ここに住みたい?」と聞いた


エミリアは、スタンリーの意思を尊重したい。王都であればどこでもいいと答え、そっと彼に寄り添った


「父が…どちらの父もだけど、賛成しないって。僕は…全部終われば、気持ちの整理も付くと思ってて…」


エミリアは腕にギュッとしがみつきながら、ただ彼の話を聞いていた


騎士科での合同演習があった際、様子を見に来たこともあったらしい


エミリアは、そういえばファントムの噂が学校で流れたと思い出す


結局その日は、屋敷を見ることなく2人は帰路についた


「もし良ければ…わたくし、お父さまにお話しましょうか? このまま、王宮に住んでもらっても…」


エミリアはパトリシアの声で、ハッと我に返った


そして曖昧に、まだどうなるか分かりませんから…と


その気持ちにだけ、ありがとうございますとお礼を返した

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ