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ファントム  作者: かな
最終章
52/56

さよなら

エミリアとスタンリーはしばらくフロリアに滞在し、屋敷の始末をつけた


もともとカリーナヒル自体が国のもので、屋敷自体も借り物らしく、それほど面倒なことはないらしい


エミリアはそれなのに、この屋敷はケルナの屋敷とそっくりだと不思議に思った


「ケルナの、あのお屋敷はどうされるんです?」


そのことも尋ねたが、スタンリーは困ったように笑うばかりだった


屋敷は時短で勤めていた使用人から、ぽろぽろと辞めていく


「王妃さまがいらっしゃるお屋敷に」と、スタンリーは紹介状を書いては渡した


どうやら以前屋敷で仕えていた使用人たちは、もともと王都にいた人たちで…


カリーナが王都へ帰ったために、ほとんど使用人が集まっていない状況のようだった


「近隣の屋敷からも王都へ帰る人たちがいるから…」


そして逆に、王都からフロリアへ来る人たちもいるらしい


前皇太子殿下アレックスに仕えていた人々に、前教皇を慕っていた人たち…


アレックスはこれから、主に気に入りのダグラスで暮らすことになる


さらにひと月後の即位式には、きっと出席しないのだろうとエミリアは思った


エミリアとスタンリーはこれからまた王都へ戻り、山の上にある屋敷へ向かうことにしていた


ケルナ領主が、王都滞在時に使う屋敷である


古い屋敷なので改修は必要で、その間は王宮の1画を間借りさせてもらう


フロリアからは、ロドニー、サミュエル、フローラの姪であるミオが引き続き仕えてくれる


特にサミュエルは長旅になるにも関わらず、しきりに「懐かしいですねぇ」と、とても嬉しそうに言っていた


ロドニーは王宮の味を覚えられると嬉しそうで、ミオはどちらかというと不安そうだった


それでもミオはちょうど学校を卒業した時期で、こんな時に王都に行けるなんて滅多にないからと強く希望していた


フロリアには1週間ほど滞在したあと、使用人の3人を連れて王都へと戻る


それぞれトランクひとつだけの荷物を持って、御者はスタンリーが務めた


ロドニーやサミュエルも馬車を操れたので交代で御者台に座ったが、気を遣ってかスタンリーが一番長く馬車を動かした


そしてロドニーも話し相手として、一緒に御者台に座っていることが多かった


ミオも移動の間、何度か手綱を握らせてもらっていたが、馬が不安がるので向いていないようだった


わたくしも何かお役に立ちたいのですが…」と言うが、ミオは細々とした雑用をいつもきちんとこなしてくれる


エミリアはそのことを褒めて、移動中のことは気にしないようにと言った


そしてようやく王都に入った頃には、即位式はもう間近となっていた

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