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ファントム  作者: かな
最終章
51/56

フロリア

サピアとストウルは、王都から乗ってきた馬車に乗って、また王都へと戻っていった


エミリアとスタンリーは、小屋にいた子馬を引き連れて歩いていた


「まさか馬車もないとは思わなかった」


スタンリーはこぼしながらも、意外と楽しそうにしている


エミリアは手を引かれて、少し動揺しながら後ろをあるいていた


「少し行くと町があるから、そこで馬車に乗ろう」


そう言って、スタンリーは振り返った


エミリアは顔をそらしてから、「はい」と返事をする


いつも通りの、動きやすい服と靴で良かったと思いながら…


少し歩くと前から馬車がやってきて、道の脇に畑があるようになってきた


畝で仕切られ、等間隔で草が並んでいる


エミリアには雑草のように見えたが、「小麦だ」とスタンリーが言う


「僕は収穫期より、芽の出る時期が好きだな」


2人は畑に入らないように馬車を避けて、また歩き出す


スタンリーは一旦エミリアの手を離し、エミリアは繋がなくていいように前で手を重ねた


意外と町は近かったらしい


すぐにポツポツと家があり、やがて家同士が並び始めた


道も土から石へと変わる


スタンリーは町の人に馬車はどこか聞き、馬を持っていくならここがいいと教えてもらっていた


エミリアはきょろきょろと町を見回し、灰色の石で出来た建物を珍しく思った


エミリアが目線を戻すと、スタンリーが思いのほか近くに立って見ていた


「石造りが珍しくて…」と言うと、「木があまり育たないんだ」と言う


2人は教えて貰った場所で子馬を売って、馬車でフロリアに向かうことにする


「ケルナのパンは美味しい」とスタンリーが言うので、途中パン屋にも寄った


そして馬車と御者を雇うと、フロリアへ向かった


休憩を挟みながら、フロリアに着いたのは翌々日


次第に木々が見え緑が増え、華やかな街へと入る


エミリアはフロリアの美しい景色に、思わず息を吐いた


「フロリアは水路が凄いんだよね。羨ましいくらいだ」


スタンリーは呟いて、窓の外を見ていた


エミリアはフロリアの景色にホッとしたが、スタンリーはどこか寂しそうで…


ケルナの方が、スタンリーにとっては安心出来るのだろうと思った


やがて馬車はカリーナヒルに入り、懐かしい屋敷へと入っていった


いつ戻るとも告げていなかったが、馬車が玄関に着くとすぐにフローレンスとベリルが出迎えてくれた


スタンリーはケルナのときと同様に、エミリアを抱えて馬車から降ろした


「お荷物は?」と聞かれるのに首を振り、ずっと着ていて寄れている服を軽く手で直した


エミリアも倣って、スカートをふわふわと拡げた


スタンリーは御者に声をかけて、少し屋敷で休憩していくようにと言った


そしてベリルに指示を出すと、ベリルは馬車を端に停めなおさせる


フローレンスは、さっと玄関扉を開けて脇に控えた


急なことだったのに、使用人たちはきちんと2列に並び控えている


その間を通ると最後にフローラとサミュエルが控えており、「おかえりなさいませ」と声をかけた


「ただいま」と、嬉しそうにスタンリーが応える


エミリアもフローラを見ると安心して、思わず微笑みながら「ただいま」と言った

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