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ファントム  作者: かな
本章
46/56

皇太子とフロリア

皇太子はそれから何度もフロリアを訪れているらしい


ダグラスから帰ってから、スタンリーはずっと屋敷にいて、時折カリーナさまに呼ばれて出掛けていく


そして「皇太子殿下が来られていたよ」と、毎回エミリアに報告するのだ


短時間勤務の使用人たちは、「皇太子といえば…」としきりに噂をしている


どうやら皇太子を招いた夜会での手伝いに応募したらしく…


「思いのほかスマートじゃなかった」などと言うので、エミリアも何度か注意をした


けれどそれでも止まないので困っていたらスタンリーが


「そういえば、カリーナさまのお屋敷で使用人が幾人かいなくなっていてね。不敬罪で引かれたのかもしれないね」


と、にこやかに告げ、誰も皇太子の話をしなくなった


そして実際に、使用人たちの幾人かは間引かれた


間引く際にエミリアはスタンリーの部屋へと呼ばれ、相談も受けていた


「エミリアも気に入らなかったら、辞めさせてもいいんだよ」


と、何でもないように言われたが、エミリアは微笑むだけで答えないでおいた


スタンリーは執務机の前に座り、対面したエミリアは立ってそれを眺めている


「それにしても…あと半年で即位なのでしょう? 殿下が、こんなにもフロリアに来ていていいものでしょうか?」


エミリアがそう尋ねると、スタンリーは何も言わないで静かに自分の口元に指を当てた


エミリアは「あっ…」と、思わず口元を隠した


「えぇと…スタンリーさまは、最近良くお屋敷にいて下さいますね?」


それから他の質問をすると、スタンリーは「役目はほとんど終えたからね」と言って急に立ち上がった


そして話は終わり、という風にエミリアの後ろにある扉へ向かった


「あ、エミリアはこの屋敷が気に入っているの?」


部屋を出る直前に、思い出したようにスタンリーは聞いた


「どちらでもありません」


振り返ってエミリアが答えると、スタンリーは何も言わずに頷いて部屋をあとにした

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