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ファントム  作者: かな
本章
44/56

ダグラス

パーティーからさらに数日経った朝、スタンリーとエミリアはフローラたちと一緒に馬車に荷物を積み込んでいた


約束していた使用人だけのパーティーが行われるため、2人は隣街のダグラスで過ごすことになっている


そしてカリーナとハイドンもまた、皇太子の見送りのためダグラスへ向かう


2人は、その付き添いも兼ねていた


「マーティス、今回はよろしく頼む」


スタンリーは御者台に腰掛けているマーティスに声をかけ、マーティスは深く頷いた


今回の旅にはパトリシアとノアも同行している


2人はカリーナとともに、途中で別れてトカラへ向かうことになっていた


「道中お気をつけて…」


フローラが心配そうに、スタンリーとエミリアに声をかける


フローレンスもその後ろから、少し不安そうに眺めていた


きっと、本当に行かなくていいのかと思っているのだろう


「大丈夫よ」


エミリアは、にっこりと笑う


「ほんの1日泊まるだけだもの。明日の夕方には帰るから、またよろしくね」


フローラはそれを聞いて深く頷き、フローレンスはこくこくとエミリアから目を逸らさずに頷いた


ダグラスでは、向こうの領主とお昼をいただくことになっている


エミリアとスタンリーは領主館近くに宿を取り、館まで送ったあとのマーティスには好きに過ごすように言いつけた


皇太子含め、全員でお昼をご馳走になり、それからカリーナたちはトカラへ向かった


スタンリーとエミリアは、ダグラスの領主ウィリアムに昼食のお礼を言い、2人だけで市場を巡るため屋敷を離れた


ハイドンは皇太子とともに、街を案内してもらうという


ダグラスにはなだらかな丘がたくさんあり、家がぽつりぽつりと点在している


街はその丘に囲まれた窪地ごとにあって、必要があれば街へ来るという生活らしかった


「市場だけが街にあるなんて不思議ですね」


エミリアとスタンリーは領主の屋敷を歩いて出ると、丘を眺めた


屋敷は少し高いところにあるため、ダグラスらしい景色がよく見渡せた


マーティスには暇を出したため、2人は歩いて街へと向かう


「フロリアの屋敷も丘の上にあるけど…ダグラスの街は、まるでオアシスみたいだね」


スタンリーはそんなことを言って、上機嫌でエミリアの隣を歩いた


スタンリーはつばの広い黒い帽子を被って、飛ばないように片手で押さえている


街へ着くと2人はさまざまなチーズを試したり、生地屋を巡ったりした


チーズは屋敷へのお土産で、生地屋はまだ一度も新しい服を仕立てていないので、どうせならと買いに来たのだった


フロリアにも生地屋はあるが、エミリアにはダグラスの落ち着いた生地の方が合いそうな気がしていた


あれこれ店を巡っていると、あっという間に空の色が変わっていく


エミリアがじっと空を見つめていると、スタンリーは高いところで夕焼けを見ようと提案した


「ちょうど、宿も高いところにあるから向かいながら…」


エミリアは頷いて、2人は街の中心から離れた




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