表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ファントム  作者: かな
本章
30/56

お付きたちの観光

翌日、観光とお土産を買いにいくベリルに、エミリアはフローレンスも一緒に行くようにと申し付けた


スタンリーは、案内役にとヨハネを従わせる


フローレンスは何か言いかけていたが、


「今日は僕がエミリアのお付きだ」とスタンリーが嬉しそうに言うと口を噤んだ


「ヨハネさん!」


ベリルは高らかに呼びかけ、メモを見せながら相談を始めた


フローレンスも近寄って、輪に加わる


ベリルの手にしているメモには、塩バターパンやチーズパン、レモンケーキなど特産の食べ物がリスト化されていた


特に重要なものは、ぐるぐると囲まれている


ヨハネはそれを見ながら、絶対にここがおすすめだとメモを受け取り、店名を書き込み始めた


そして「まずはパン屋がいい、早く閉まるから…」とのことで、一向はパン屋に向かうことになった


変わらぬ白い四角い家々を幾つか過ぎて、どこかの角を曲がり…それだけで方向が分からなくなりながら、全く同じような建物に着いた


とはいえ壁には凹凸で大きくパンの模様が書かれているし、細長い窓から人々が食事をしているのも見える


通りも広く、辺りを見ると同じく白く四角いながらも、どうやら全てお店らしい


レモンの街路樹が等間隔に並び、きっと街全体が規則正しい法則で造られているのだろう


フローレンスはヨハネとベリルの後に続き、パン屋へと入る


そこはカフェの併設されたパン屋で、フローレンスの前に座るヨハネとベリルが次々にパンを注文した


すぐに届いた塩気の効いたチーズとバターのパンを食べながら、フローレンスはヨハネの話を聞いている


隣のダグラスとは昔から交流が盛んで…塩と乳製品や小麦の交換、そしてそれらを加工してまた販路に乗せている


そんな話をしながら、昔は塩を巡って争いもあった…ここは塩を独占しようとした王の城だとも言う


「トカラには荒くれ者が多いんですよ」


ヨハネは笑って、エールを飲んだ


席に着いて早々、「今日は休みだから」と頼んだものだ


ヨハネは上機嫌で「スタンリーさまも良かったですねぇ…」など言いながら、小さかった頃の話をポツリポツリと話す


まるで独り言みたいな話を、フローレンスは「はい」とか「あぁ…」とか小さな相槌を打って聞いていた


ベリルは一心にパンを頬張り、ぶつぶつとバターがどうのチーズがどうのと呟いていた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ