お茶会
スタンリーが帰ってから3日後、予定通りにお茶会が開催された
カリーナからは、もう一人客人を連れて来たいと連絡がきていた
エミリアとスタンリーは、玄関先で馬車を出迎えた
馬車からは、隙のない黒い三揃いを着た男性とカリーナとが降りてくる
「今日はありがとう。おじのハイドンです」とカリーナは紹介し…
「ハイドンです、よろしく」と、玄関先で三揃いの彼はにこやかに手を差し出した
スタンリーは軽く手を差し出したまま固まり、エミリアも中途半端に手を出してしまった
ハイドンはその手をギュッと握り、ぎこちなく案内をするスタンリーとエミリアに従った
お茶会をする食堂は、外扉を全て開け放し、鮮やかな庭に向けて席が設けられている
食堂で出迎えたロドニーとベリルが、ハイドンとカリーナを席に案内する
その間にスタンリーが、ハイドンはここフロリアの知事で領主だとエミリアに耳打ちした
ロドニーとベリルは、そつなく給仕をこなすが、スタンリーは見るからに緊張していた
「カリーナから私のことは、どう聞いていますか?」
ハイドンは終始にこにことしながら、エミリアに訊ねた
エミリアは殿下のおじさま、としか聞いていなかったので、そう答える
ハイドンは頷きながらも、「殿下のおじ、ですが、義理の方です」と言った
「たまたま姉が殿下に見初められただけで、たまたま領主に収まっているだけですよ」
ハイドンは婿入りをし、義理の父から領地のことを学んだが、身体が弱かった妻は結婚後ほどなくして亡くなったのだと言う
「義理の父も亡くなりまして、よそ者が治めるわけですから風当たりも強くて…
ですが、カリーナと殿下がいらっしゃってからは、とても穏やかです」
「利害が一致したのですわ」
カリーナはカップを手にして、嬉しそうに言う
「もう私が王都に戻っても大丈夫。そして、そのためにスタンリーが動いてくれています」
「利害が一致したので…」
スタンリーは俯きながら答える
エミリアが良く分からないままに3人の会話を聞いていると、カリーナがふとこちらを見やる
そしてにこやかに笑むと、陛下には弟君もいるのだと言った
「私たちと、弟殿下とのやり取りをしてくれているのがスタンリーです」
カリーナが説明すると、ハイドンは少し首を傾げてスタンリーを見た
それからエミリアに視線を向けると、
「スタンリー夫人にもご助力願うかもしれませんね」と言う
「いいえ、もう協力して下さってますわ」
カリーナは何気なく言って、紅茶を飲んだ




