『第8話』パーティーで再開②
フルフル達から離れて、別の男性陣達と挨拶を交わし、和気あいあいと過ごしていたら、
「あ!!」
「キマピー!!」
キマピー??
こんな呼び方するのは……
ヤツしかいない
振り向くとそこには、キマコが10代の時にお付き合いをしていた10才年上の敏明、通称トシピーがいた。
トシピーとの出会いは、
なんとも突っ込みたくなるような意味不明な生誕祭で知り合った。
当時キマコは19才。
友達に誘われて、とある人物の誕生日パーティーがあるとの事。
寄せ集めの参加者集め、との事で、キマコに声がかかった。
全く面識もない人の誕生日パーティーに行くなんて……
しかも参加者も寄せ集めとは……
知らない人達が知らない人のお誕生日をお祝いするって、それっていったいどーなの?!
腑に落ちないまま、とりあえずキマコは友達と一緒に参加することになったのだ。
会場の居酒屋、貸し切りの大部屋。少し遅れて到着したキマコ達。
そこにいたのが、トシピ~だったのだ。
そう、彼の生誕祭。
「今日は俺様、トシの為にみんな集まってくれてありがとー!!」
もう既にお酒も回り、出来上がっている状態。
周囲の人達もそこそこ盛り上がりはしているが、半数以上がキマコと同じくトシピ~とはまったくの初対面で面識のない人達。
(何この微妙な集まり…)
その中にはトシピ~の恋人らしき女性もいた。
その女性、キャバ嬢らしくトシピ~にドンペリのプレゼント。
気分を良くしたトシピ~は、歌を奏でだした。
「今日は集まってくれた皆の為に、歌を唄うとする!」
なんだかよく解らないが、すっごいギラギラした目付きで身体をくねらせながら「愛のロマンス」を熱唱。
キマコは、心の中で
(キャラ濃すぎ!ムリ!帰りたい)
キマコは友達に謝って、途中退散するとした。
下駄箱で靴を履いてこっそり帰ろうとしたら、
なんと…
ヤツが追っかけて来た。
ええぇー!?
会話もしてないのに、目さえ合わせてないのに、なんで私の存在に気づいて追ってくんのよー 汗
「ちょっと君」
「帰っちゃうの?」
「あのドンペリ女は気にするな。彼女じゃない。」
は?!
全然気にしてないし!
「オレの為に今日はありがとう」
「連絡先交換して」
めっちゃ軽い?!
キマコは悩んだが、ここはキッパリ。
「ごめんなさい、帰ります。」
と言ってそそくさと帰ったのだ。