『第2話』社長と
エレベーターが『チーン』
ラスボス(社長)のお出ましだ!!
従業員みな引き締まる。
ピリピリしたムードで今日もお仕事始まります♪
トントントン♪ ※ドアをノック
『はい』
社長がボソッと返事をする。
『失礼します。コーヒーお持ちしました~』
社長『そこ置いとけ。ありがとな』
の、つもりが~!
【現実版】
トントントン♪ ※ドアをノック
『うるさいぞ!!もっと静かにノックせんか!』
『す、すみません』
ひぇー!今日も機嫌悪ぃな~!
さっさとコーヒー置いておいとましよっっ。
『キマコしゃん』
※歯がないから『さん』と発声し辛い。
『なんでしょう』
『挨拶にいく。平目建設まで送ってくれ』
『了解しました』
ん?送る?車で?
私の運転?!
疑問を抱きながらとりあえず社長とエレベーターで地下駐車場へ。
『キマコしゃん、カギね』
『え?私が運転ですか?』
『頼んだぞ』
社長の車はとんでもない高級車。
運転は割りと好きだけど、こんなけったいな派手な高級車は緊張する!
絶対に傷なんか、いやいや事故なんて起こしたらとんでもないぞ!
出来れば後部座席に座って欲しいのに、わざわざ助手席にきたぞ…
ど緊張の中、私は車を走らせた。
社長は無音がお好き。ラジオやBGM
はご法度。
しかも会話もまったくしないから静まりかえって超気まずい。
車を走らせて5分で平目建設に到着♪
近っ!!
(歩いて行ける距離じゃねーか!)
『キマコしゃん、ここで少し待っとれ』
『わかりました~』
社長が去って、つかの間の休息。
あ~人使い荒いよな~
秘書といっても雑用や身の回りのお世話ばっかで、、まぁ頭使わなくていいから楽でいーけどね。
こーやって車でぼけーっとただ待ってるだけでもお給料発生してるし。
そんなこんなで社長がお戻りになった。
『キマコしゃん、次は整体ね』
はぁ?病院かよ!面倒くせー!
と、心で思いながらも、お顔には出さずに『はーい』と、とっても良いお返事をして運転再開!
結局その日は社長に振り回され、ドライバーで半日が過ぎたのだった。
時間もお昼にかかり、社長とランチすることになった。
会社から割りと近い老舗のうどん屋に足を運んだ。
なんだか人気店のようで、店員さんも忙しそう。
なかなか注文したうどんが来ない。
もう30分は経過しちゃってるかなぁ。。どーしよう、社長イライラしてないかな、ぶちギレないかな、ヤバイな、怖いな。。
いても立ってもいられず、キマコから店員さんに声をかけた。
『すみません、注文の品はまだですか?』
『すみません!お待たせしてます』
すると社長、
『キマコしゃん、作り手がさばけてないだけで、運び手には言うてもしょーがないんよ。』
『時間かかるのはしゃあない、気長に待とう』
あら?!
意外だった。
そしてちょっと感動。
いいこと言うじゃん社長。
会社では暴君ぶりが半端ないけど、根っ子は好い人なんかもな~と思ったキマコでした!