第三話 訓練
次の日からコアの使い方を教えてもらうようになった。サハラはまだ怪我が治ってないからケンさんに教えてもらうことになった。
「いいか、コアを扱うためには感情をコントロールすることが大事になってくる。お前のコアはおそらく“怒り”だから、怒りの感情のコントロールができれば自然と力を扱えるようになるだろう。」
ケンさんはそう言うとひーちゃんのことやサハラのことを使って僕を怒らせ、無理やりコアの力を使わせた。
「…………なるほど。お前のコアの力は単純に身体強化だな。特に足の強化が強いらしい。なら武器が必要だな…」
その日から僕は力を分散させないで足を強化させるように訓練を始めた。
それからしばらくして、僕がだいぶ力を分散させないようになってきた頃に、ケンさんは僕専用の武器を作って持ってきてくれた。
「俺のコアの力は自分の作ったものに一つ能力をつけることができる。この剣にはお前のコアの力と比例して破壊力が上がるように作った。これを使えるようになれ。」
コアのコントロールと同時に刃物の扱い方も覚えなければいけないので大変だった。また、サハラも怪我がある程度治ったのでコントロールの方法を一緒に考えて訓練を手伝ってくれた。
「俺の“優しさ”のコアよりもお前の“怒り”のコアは感情が爆発しやすいからコントロールが難しい。キレた状態でも冷静さを失わないようにすることがコツだ。」
ケンさんもサハラも僕を強くするために容赦なく僕をキレさせたし、容赦なく怪我を負わせた。サハラのコアの力が怪我や毒の侵攻を止め、回復力を上げるものだったからなんの躊躇もなく吹っ飛ばされることができた。
ケンさんとサハラは僕を鍛えながら様々な友人を頼ってひーちゃんの居場所を探し続けてくれた。ひーちゃんのコアは“苦しみ”で、“苦しみ”のコアは本人から引き剥がすのがとても難しく、最低でも4年ほどかかるらしい。とても奥深くまで根を張ってることが多いからだ。それでも僕たちは安心することなんてできなくて、僕の“怒り”はずっと大きく成長していった。
僕が鍛え始めてから2年と少したったある日、ついにひーちゃんの居場所を掴むことができた。僕もコアの力や剣を扱えるようになってきたので、すぐにでも乗り込むことにした。ケンさんとサハラは僕が一人で行くことに猛反対した。
しかし僕は一人で夜に出発した。
反応よろしくお願いします。