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翻訳

連続投稿3日目です。

すみません。

本日短いです。

.


「おかえり。」


「緊張したよ。」


「とても良かったですわ。」


「周りの反応も良かったし、周りに十分認めさせていたと思うよ。」


「ハナからもそうに見えたなら、嬉しいよ。発表している時に、王族が座る椅子でフェーンが何度もうなづいているのが見えたから、嬉しかったな。隣にはラルドもいたから、ハンナも見てみると良いよ。」


ベルは席に座ると、満足そうにうなづいた。


「そろそろハンナの番だよね?頑張って。」


「はい。行って来ますわ。私も王族の席の方を見てみます。」


ハンナは制服の裾を口元に当てて、はにかんだ。


「「いってらっしゃい。」」


壇上には、エスタが登り始めていた。


「ハンナの前に、エスタが先だね。」


「鳥に馬か。鳥は小さいけれど、馬にこの会場は狭そうだ。」


「翻訳する為に連れて来ただろうから、直ぐに外に出るでしょう。エスタの魔法が上手くいく様にちょっとだけ我慢してもらおう。」


鳥籠と馬が所定の位置に着くと、カナデルが話始めた。


「次は、翻訳魔法のエスタロッサ・アンダギー子爵令嬢です。動物達は発表が終わったら、外に出るので、ご安心ください。」


「ご紹介に預かりました。エスタロッサ・アンダギーです。本日は、昨年とは変わり動物の言葉の翻訳を致します。こちらにいるオウムと栗毛の馬は、どちらもゲッティ皇国大使夫妻のペットです。それでは大使夫妻から、動物に聞いてみたいことがあるそうなので、早速翻訳して行きます。」


エスタは、大使とゲッティ皇国の言語で話をしていく。

大使も夫人もエスタとゲッティ皇国の言葉を話せるのが嬉しそうだ。


「まずはオウムからです。夫人は、鳥籠が狭い様なら、籠からだして野生に返そうと考えているけれど、オウムは野生に帰りたいか?とご質問されました。」


エスタは次にオウムと話す。

エスタの口が高い音や低い音を奏でる。

会場からは驚きの声が上がっている。


「オウムは鳥籠の中の生活しかしらない。別に今の生活に満足しているから、外に出なくてもいい。ご飯も美味しいと言っています。」


エスタは夫人にも伝えると、夫人は何事か話した。


「オウムが外を知らないで育ったのを初めて知ったわ。このまま外に出していたら、餌の取り方も知らないで弱っていったかもしれないから、今日知れて良かったわと仰っています。」


オウムが高く鳴いた。


「今日のご飯は何?と言っています。」


会場から笑い声が聞こえた。


「次に大使から馬への質問です。」


エスタと大使がゲッティ皇国の言葉でやりとりする。


「私は草原を一緒にかけるのが好きだけれど、馬はどう思っているのか聞いてほしいとの事です。」


ヒヒーンと言う声ではなく、クルルやグッと言う短い音でエスタは馬と話す。

馬とやりとりした後、エスタは先に大使に話しかけた。

大使は大きく笑うとうなづいた。


「大使から話して良いと言われた為、お話致します。私も貴方と走るのが好きよ。でも、最近重くなって来たから、貴方自身で走ることも必要だと思うわと馬が言っています。」


会場から、くすっと笑い声が漏れた。


「この様に、外国語の翻訳だけではなく、動物の言葉の翻訳が出来ることを発見しました。試したことはありませんが、もしかしたら、魔物の言葉も翻訳できるかもしれません。今後とも精進していきます。ご清聴ありがとうございました。」


エスタが礼をすると、大使夫妻と会場から拍手が送られた。

動物達も一緒に壇上から降りていく。


「学者の驚き方が凄かったな。空いた口が塞がっていない人もいたね。」


「リッツ先生曰く、新発見らしいからね。翻訳魔法の常識が変わったって、学者も思っているのじゃないかな。」


「実践したエスタと発見したハナを友達に持つ私は鼻が高いよ。」


胸を張って言うベルに癒された。

可愛い。


「ありがとう。」


エスタと大使達の後ろから合流する男性2人がいる。

1人はエスタの父親だろう。

顔がそっくりだ。

そうすると、もう1人が噂のランスロット様ね。

背が高く、細身で身のこなしが軽そうだ。

艶々の金髪が歩くたびに風に靡いている。


「ベル。エスタや大使と一緒にいるお若い方が噂のランスロット様かしら?」


「そうだよ。後ろで束ねた長い金髪に緑色の瞳、ハンサムな顔で在学中はとても人気があったな。今も会場の視線が集まっているね。」


視線を左右にずらすと、ランスロット様の方を見て顔を赤らめている女子が何人もいる。


「本当ね。」


大使夫妻が席に着くと、エスタの父親が話を始めた。

エスタはランスロットと話し始める。


「2人の仲が良い感じじゃない?」


エスタの頬は赤く染まり、ランスロットを見つめながら、笑っている。

ランスロットも笑顔だ。

距離も近い。


「本当だ。エスタ、とても可愛いね。」


ランスロットがエスタの手を取り、ハンカチの様な手を乗せると、それを取り払った。

エスタが驚きの顔をすると、手のひらに残った何かを嬉しそうに握りしめた。


「もっとよく見ていたいけれど、行かないと行けない時間だわ。ベル、後で何があったか詳しく教えて。」


「勿論だよ。発表頑張ってね。」


「ありがとう。」



.

読んで頂き、ありがとうございます!

本日短くてすみません。

明日はいつも通りの分量で投稿できる様に頑張ります。


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