転生
こんにちは。
よろしくお願いします!
追記
スキル→魔法
間違いが多くすみません。
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「二十三時五十九分、残念ながら、お亡くなりになりました。」
「嘘だろう。魔法も顔もいいから、この子を引き取ったんだぞ。それなのに高熱をだして、あっという間に死ぬなんて。この子のドレスを、いくつ作ったと思ってるんだ。」
ぱち、ぱち。
頭が、痛い。
身体中、痛い。
私、助かったんだろうか。
電車に轢かれて、助かるなんて。
手足が無かったりしたら、どうしよう。
右手はある。
左手もある。
右足も左足もある。
「あれ、なんだか、凄く痩せたような。」
ぱちっと目を開けると、目をこれでもかと、見開いた男の人が、二人いた。
「い、生きてるじゃないかー!」
「き、奇跡です!」
手も、足もちゃんと動く。
顔に傷も、無さそうだ。
首もちゃんと動く。
確かに、電車に轢かれて、これだけ動ければ、奇跡かもしれない。
あれ、この顔の横にある、ピンクの束はなんだろう。
ん?
なんか頭にくっついてるような……。
これ、髪の毛?
なんで、ピンクなの……。
私の地毛、真っ黒だよ?
すくっと起き上がり、見知らぬ部屋の中に鏡があるか、探す。
良かった。
全身が映る、大きい鏡があるじゃん。
「誰、これ。」
そこには、超絶美人で、ピンクのロングヘアーに、ピンクの瞳の女の子が立ってた。
超かわいい。
試しに、頬っぺたをつねってみる。
すると、その子も頬っぺたをつねる。
私が右手を挙げると、鏡の女の子も手を挙げる。
「この子、私じゃん!」
「ハナ、何をしている。先程まで、死ぬか生きるかだったのに、そんなに元気になったのか。」
金髪に小太りのチョビ髭おじさんが、何か言ってる。
「ハナ?」
「そうだ。お前だ、ハナ。」
そっか、見た目は変わっても、名前は一緒なんだ。
というか、なんで見た目、変わってるんだ。
「ま、まあ。今まで大変だったのですから、立てるようになったのは大変喜ばしいことです。ですが、無理をなさっては、身体によくありません。ベッドに横になってください。ほら、そこの侍女。手伝いなさい。」
「かしこまりました。」
ロングのエプロンドレスを着た女性が、こちらに近寄ってくる。
「お嬢様、お元気になって、本当に良かったですね。」
目の前の女性は、そういって涙ぐんでくれた。
優しく手を握ると、ベッドに私を寝かせた。
「ありがとう。ただ、お嬢様ってどういうこと?後、ここはどこなの?」
そう言うと、目の前の女性は、固まった。
「お嬢様。もしかして、記憶がないのですか?」
「なんだと。記憶がない?」
「どういうことですか?元気になったのでは?」
三人の目が、私に集まる。
確かに、どうしてこの身体に居るのか、まったくわからない状態だし、記憶喪失って言って、良いと思う。
「私、何もわからないの。」
「お嬢様は、お嬢様です。ナコッタ男爵の一人娘、ハナ様ですわ。」
「神の奇跡で、助かったと思ったら、今度は記憶喪失ですか。一応、回復魔法をかけさせていただきます。」
ヒラヒラした白い服を着た男性が、私に掌を向ける。
掌が光ったかと思うと、私の身体の痛みが和らいでいった。
これって、魔法?
すごい。
「どうです。何か思い出せましたか?」
「身体の痛みは、和らぎました。ただ、記憶は何も思い出せません。」
「そうですか……。確かに、回復魔法は、身体の痛みは治りますが、精神的なことには、別の魔法が効きますからね。」
「何だと。どうすれば、記憶が戻るんだ。」
「ナコッタ男爵。私よりも、癒しのスキルの方が良いかもしれません。私は一度、教会に戻らせていただきます。」
「わかった。代わりに、癒しの使い手を用意してくれ。」
「かしこまりました。」
パタン。
ナコッタ男爵とヒラヒラ服の男の人は、部屋からいなくなった。
残ったのは、侍女さんだけだ。
「お嬢様、お身体はどうですか?」
「今かけてくれた回復魔法が、良かったみたい。凄く楽よ。」
「それは、良かったです。お嬢様が、何も思い出せないなら、私の名前もわかりませんよね。私はナサリーと言います。お嬢様の侍女ですわ。」
「ありがとう、ナサリー。私はハナよ。本当に何も思い出せないから、教えて欲しいわ。」
「分かりました。お嬢様は今、十五歳です。後、一月程で、魔法学園に通われる所でした。ただ、必要な貴族の知識が足らず、一年先に伸びる予定です。」
「貴族に必要な知識?」
「そうです。お嬢様は、ニ月程前まで、平民のお母様と市街で暮らしていました。その為、貴族の知識がなかったのです。」
「そうだったのね。父親と一緒に暮らしてなかったのは、何か事情があったのかしら。」
「何も覚えていないお嬢様に伝えるのは、酷かもしれませんが……。実は、お母様が病気で亡くなられたので、父親のナコッタ男爵が引き取られたのです。私ともその時に初めてお会いしました。」
ナサリーが優しく、手を握ってくれる。
「お母様を亡くしたばかりで、大変だったにも関わらず、私達使用人にまで気をかけて下さった。私達は皆お嬢様の事が好きですわ。」
「ありがとう……。私のお母様はもういないのね。」
「はい。ただ、旦那様には、お嬢様のお母様とは別に、貴族の奥様がいらっしゃいまして。お嬢様の継母となる方が、この屋敷にいらっしゃいます。」
「継母……。そちらに、子供はいるのかしら?」
「いいえ。旦那様のお子様は、ハナ様一人だけです。」
「そう言う事なのね。ありがとう。大事な事だわ。教えてもらえてよかった。」
「そう言っていただけて良かったです。お嬢様の知りたい事でしたら、何でもお伝え致します。ただ、今日はもう遅いので、また明日にしましょう。よく休んでくださいね。おやすみなさいませ。」
「おやすみなさい。」
ナサリーは、優雅にお辞儀をすると、部屋の蝋燭を幾つか消して、部屋を出て行った。
さて、この身体の父親が不倫して、私がいるってことね。
そして、他に子供ができなかったから、私が引き取られたってことか。
この身体の持ち主も、なかなか壮絶ね。
実の母親が死んだと思ったら、迎えに来る父親か。
……不憫ね。
でも、確か『彼カノドキドキ魔法学園』のヒロインもそうじゃなかったっけ?
引き取られてから貴族の事を学ぶから、知らない常識もたくさんあって、貴族ではありえない反応が、王太子とか宰相の息子とかに、受けてた気がする。
そうだ。
スチルにもちょっとしか写らないから、分かりづらかったけど、ヒロインもピンクのロングヘアーじゃなかったっけ。
後、魔法学園に通うくらいだから、魔法が使えたはず。
ヒロインの適正は、回復魔法で、さっきかけてくれたやつのはず。
こう、掌に温かい光が集まってくるイメージで。
「あれ、できちゃった。」
そのまま自分のおでこにあてると、軽く残っていた痺れや痛みもとれていく。
これは、もしかするかもしれない。
ハナって名前も、ゲームで使ってたし。
前世、死ぬ前にやってたゲームのヒロインに、なっちゃったパターンかもしれない。
いや、どんなパターンだよ。
でも、明日ナサリーさんに、この国のこととか聞いてみよう。
王太子の名前とか、攻略対象の名前があっていたら、それはもう、そう言う事だよね。
なんだか、怖くなってきた。
早く寝よ。
おやすみ、自分。
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読んでいただきありがとうございます。
次の投稿は3日以内にできたらと思っています。
亀更新ですが、よろしくお願いします。