はじまりは転落から
こんにちは。
読んでいただけて嬉しいです!
転生ヒロイン×宰相になります。
前作短編の転生悪役令嬢×前世幼馴染王太子の話を宰相が見事にかっさらっていったので、その話を詳しく書いてみました。
短編読まなくても大丈夫です。
よろしくお願いします。
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私の名前は、山田花。
あだ名は、花子。
私は、見た目に自信がない。
学校にバレない様にナチュラルな化粧をしているけれど、すっぴんが可愛い子には敵わない。
小顔に見せるために、前髪を下ろして、両サイドの毛を垂らしたら、にきびまでできた。
でも別に、外見のせいで、いじめられているわけじゃない。
友達もいないわけじゃない。
むしろ、オタク友達は多い方だ。
ただ、彼氏はできたことがない。
年齢イコールで彼氏なしだ。
彼氏出来たら、人生楽しそうだよね。
青春したいな。
彼氏が出来たら、放課後に制服デートとかしたい。
帰りの電車を待つホーム。
携帯を操作しながら、こんな妄想ばかりしている。
この時間は、高校生が多い。
隣のカップルが美男美女だ。
うちの制服だけど、見た事ない。
あの可愛さなら一度見たら忘れないと思うから間違いない。
知らなかったな。
この時間のホーム、混むんだよね。
隣と凄い近い。
彼女さんの持っているバックが、私のバックに当たる位近い。
横目で見ちゃうけど、彼女さんの目大きいし、まつ毛長い。
あれは、きっと天然物だ。
アイプチでも、つけまつげでもないな。
羨ましい。
今このタイミングで、カップルとか見たくなかったな。
彼氏がいない自分にへこむ。
あー、早く電車こないかな。
こう言う時に限って、遅延している。
電車がくるまで、ゲームして暇つぶししよう。
『俺カノドキドキ学園』の新作、『俺カノドキドキ魔法学園』に、今ハマってるんだよね。
前作と違って、異世界編だから、金髪とか銀髪多いし、制服も可愛い。
イケメンも多いし、攻略が楽しい。
特に、隠れキャラの宰相が、大人の色気に、眼鏡でかっこいいんだよね。
私、眼鏡が好きとか、オタク友達の蒼ちゃんみたいなこと言ってるな。
でも私は、眼鏡だったら、何でも良い訳じゃないし。
宰相のルドルフだから好き。
あー、こんなイケメンに会えないかな。
ドン。
嘘。
後ろから、押された。
いや、突き飛ばされた。
ここ、線路の黄色い線のぎりぎりの所だよ?
急に押された身体が、止まらない。
落ちる、落ちちゃう。
スローモーションのように、ゆっくり見える景色。
隣には、同じく誰かに突き飛ばされて、線路に落ちそうになってる美人の彼女さん。
彼氏さんが必死になって、手だけじゃなく、身体ごと伸ばして助けようとしているのが見える。
私を助けてくれる人は、いない。
驚いた顔で、こちらを見る顔、顔、顔。
そうだよね、必死に手を伸ばしたとしても、誰も私なんて、助けてくれないよね。
こんな私なんか。
電車が近くに来るのが、見える。
これ、無理だな。
強い衝撃が、身体を突き抜ける。
さよなら、私。
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読んでいただき、ありがとうございます♪
もう1話、お昼に投稿予定です。
亀更新になるかもしれませんが、よろしくお願いします。