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中華料理屋で第5話

はなび編で悩んでいるので、先にこっちをアップします。


店内は熱気に包まれている。

もちろん食事で熱しているわけではない。

客たちは釘付けなのだ。目の前の光景に。




厨房には二人の人間がいた。

一人はここの店の料理人と思われる人、もう一人は例の覆面料理人。

いま、二人が料理を作っていた。

見た感じはチャーハンだ。


「いいぞいいぞ!」


「がんばれ!」


客たちは二人を応援していた。

多分料理対決をしているのだろう。

俺は二人を食い入るように見つめた。

空腹なんてどこかへ飛んでいったみたいだ。

店の料理人はさすがの腕前だ。

元々ここは人気店なので、予想は出来た。

素人目から見ても上手く見えるのだ。

対する覆面料理人も中々の腕であった。

この人の腕前を見るのは今回が初めて。

しかし俺はそれに何故かデジャブを感じた。

どこかで見たような光景……

俺は記憶の中を探しまくるが、結局よく分からなかった。




さらに時間が経ち、双方のチャーハンが皿に盛りつけられた。

そしてその二つの皿を……俺の前に置く。


「はい?」


もちろん俺は首を捻る。


「ここは公平に兄ちゃんに食べ比べしてもらおう!」


「はああああ!?」


周りからはいいねいいね!など感想が飛び交っていた。

ていうか何故俺が……

しかし目の前に出されているご馳走。

そして空腹の状態。


「じゃあ遠慮なく……」


俺は食欲を選んだ。


「いただきます」


ちゃんと両手を合わせてお辞儀しながら言った。

普段友達といるときはやらないこと。

だって恥ずかしいしな。

どうせこの場に俺の知り合いなどいないのだから構いやしない。

そして一口店のチャーハンを食べる。


「あ、うまい……」


流石はプロというところか。

俺では絶対無理だ。

そして次に俺は覆面料理人のチャーハンを食べた。


「これもうまっ!」


正直たまたま入った店の美味いチャーハンを二杯も頂けるとは思いもしなかった。

俺って運がいいぞ。

そして結局俺は二つとも完食したのであった。

「で、判定は?」


どうやら周りの人達は俺に喜びの余韻に浸る間も与えてはくれないらしい。

まあ周りは判定のために俺に食わせたのだが。


「……勝者は……」


周りのみんなが息を呑んで俺を見る。

頭の中でドラムロールの音がする。


「店のチャーハン!」


「おおおおおお!!!」


俺の判定に周りがどよめく。


「残念だったな嬢ちゃん。これで三連勝だ」


え?もう今日で勝負が三回目なのか?

じゃあこれからここに来続ければ覆面に会えるということか。

ちなみに俺が店のチャーハンを選んだ理由は、こっちの方が味が濃かったから。

疲れている俺にとっては薄味より濃い味の方がおいしく感じた。


「敗者は大人しく帰ります〜」


「あ!!」


覆面料理人が店を出ようとしたので、俺は急いで追った。


「おい!」


俺が捕まえようとすると、覆面料理人がこちらを振り向いた。

そしてその手には催涙スプレー。


「は?」


そしてそいつはそれを容赦なく俺に吹きかけた。


シュー


「うおおおい!!目が!目がっ!目がああああ!!」


そしてその隙に逃げられてしまったのだった。


「くっ……」


俺はその場で幾分か悶えることになった。

……非常識で不条理な世の中になったものだ。




「ということがこの前あって……」


生徒会でそのことを話したらみんなから白い目で見られた。


「本当だって!」


俺の必死の答弁も寒いだけ。

俺はこの日から絶対生徒会では覆面関係の話題をしないことに決めたのだった。





???SIDE


今日はとても面白い一日でした。


結構Sでしょ?


いえ、Mにもなれますよ。


……あっちが気の毒になってきた。






そのうちレイ編と咲編もアップするかもしれません。


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