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うどん屋で第1話

ナナちゃん編の特徴はコメディタッチです。現在ユニークアクセス最下位……

その日から俺は謎の覆面料理人の調査を始めた。

食べ物の恨みもあるが、好奇心もある。


「さて、どうして俺はこんなことに頭を抱えなければいけないんでしょう?」


と、自問自答したくなる。

というか俺の夏休みを全て捧げそうで怖い。


「まずは情報収集だな!」


俺は俊哉に電話を掛けた。

プルルルル……ガチャッ


「何だ?」


俊哉が電話に出た。


「俊哉に訊きたいことがあるんだ」


「夏休みの宿題は終わって無いぞ」


「おう。そうか……って違〜〜〜う!」


俺は電話越しに突っ込んだ。

これがツッコミコール!

特徴は見振り手振り使わずに、声だけでどこまで突っ込めるか、というところにある!

ってそんなものどうでもええわ!


「謎の覆面料理人知ってるか?」


「精神病院行って来い」


「マジの話してんだよ!」


「ならばなおさらだ。随分遅い中二病だな」


「だ〜〜〜!そうじゃねえ!」


俺は声を荒げる。

まあ普通は信じてもらえないが。


「で、その覆面料理人がどうかしたのか?知らないけど」


「ああ!何か最近いろんな場所……主にレストランに出没するらしい!」


「目的は?」


「知らん!でも何かその店の店長や一番腕のある人に勝負を挑んでいるらしい」


「……料理漫画の見すぎだ。俺は寝る」


「オイーーーーッ!!」


俺は寝ようとし始める俊哉に叫んだ。

まあ見えないから想定だけど。


「じゃあな」


ブチッ

ツーツーツー


「……他の人たちにも電話だ!!」



はなびの場合。

「アンタ人のことなめてる?」


レイの場合。

「フフ。面白いこと言うわね」


さや先輩の場合。

「私は忙しいの。あなたに構ってる暇無いの!」


……結局残りは一人か……

俺は期待しないでナナちゃんに電話をした。

プルルルル……

ガチャッ


「もしもし!カイ先輩が電話掛けてくるなんて珍しいですね〜」


「ああ。ちょっと訊きたいことが……」


俺は慎重に言葉を選んだ。

ナナちゃんにもバカにされかねない。


「何ですか?」


「最近出没している覆面料理人って知ってる?」


「知ってますよ」


「ええ!?」


俺はナナちゃんの言葉に耳を疑った。


「知ってるの!?」


「はい」


俺は信じがたいことについ頬をつねる。

痛い。現実だ。


「で、それがどうかしたんですか?」


「何かその人についての情報ある?」


「何か今日駅前のどこかに出没したらしいですよ」


「マジか!?」


俺は仰天して飛び上がりそうになった。

我慢我慢。

変人だと思われる。


「その料理人と何かあったんですか?」


「ああ、ちょっとな」


理由は恥ずかしくて言えないので、言葉を濁した。


「ありがとう!」


俺はナナちゃんに感謝をして電話を切った。


「さて、いっちょ行ってみるか」


俺は駅前に行くことにした。




早速駅前で聞き込み調査を開始するが中々情報が無い。

まあ仕方ないのかもしれない。

ナナちゃんはすごく運がよかったのだろう。

俺は店に入っては、質問した。

そしてとうとう発見した……

俺は今日覆面料理人が勝負を挑んだと思われるうどん屋に入った。


「え!?」


そこには客も店長も固まっていた。


「どうしたんですか!?」


「あ、ああ……この店は手打ちを売りにしているんだ……」


客の一人が途切れ途切れに語った。


「それで?」


俺は早く話が聞きたかった。


「すると突然謎の覆面料理人が現れて店長に勝負を……」


「それで!?」


俺はさらに促した。


「その料理人は……店長よりも上手く麺を打ったんだ……」


「はあ!?」


プロよりも上手くカレーを作り、麺も打つだと?

それって何だよ……滅茶苦茶スゲエ奴じゃん。


「で、その覆面料理人は!?」


「すぐに帰ったよ」


「遅かったか……」


俺は落胆した。


「ありがとうございました!」


俺は俺に事を教えてくれた客に感謝してうどんも食べずに外に出た。

……何者だよ一体……

そういえば前の店で女の子みたいとか言ってたな……まさかな。

俺は少し思案して歩いた。



そんな俺を見ている視線に気づかずに。



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