カレー屋でプロローグ
ナナちゃん編スタート。
4作同時更新のため、更新に時間がかかります。
ご了承ください。
彼と彼女は引き合う運命にある。
今までずっとそうだった。
だから私も彼女と引き合った。
所謂、「運命の相手」
その業は決して消えることの無いものであった……
想定外の出来事さえ起こらなければ。
Kai SIDE
俺がとあるカレー屋に入ったときのお話をしよう。
あの日は確か快晴だった。
時期は確か夏休みの終盤。
時間は確か昼だったな。
その店に入ったのはほんの偶然。
ただ単にカレー食べたいな……とかそう思った。
そしてそのときたまたま近くにカレー屋があっただけのことだった。
俺は惹かれるようにその店のドアを開けた。
「な……!」
店の中がすごいことになっていた。
どこらへんがすごいのかと言うと、何か以上に熱気が篭ってると言うか……
そうそう!何かすごいんだよ!
ってまたすごいに戻ってるしっ!
俺は頭を抱えた。
「どうしたんですか?」
俺は店の人に訊いた。
「このカレー……何故だ……」
「へ?」
何か店長らしき人が何かを呟いた。
「何故……こんなにも美味いんだ!!」
「ええ!?」
店長らしき人が涙を流していた。
「あの……」
「ああ、君は知らないのかい?」
突然俺は客の一人に話しかけられた。
「謎の覆面料理人」
「はぁ?」
俺は頭がおかしくなったのだろうか。
何か変な単語が聞こえたのだが。
「だから謎の覆面料理人。多分女の子」
「いや、その……覆面料理人が一体どうしたんですか?」
悩んでも埒が明かないので俺は話を強引に進めた。
「その子がいきなり店長に料理勝負を挑んできたんだよ」
「はあ!?何その展開!?」
「それで店長は……」
「なるほど」
その謎の覆面料理人に負けたのだろう。
で、多分その店長が食べているものがその覆面料理人が作ったカレーなのだろう。
「あの……」
「ああ、カレー頼める雰囲気じゃないね」
「そんな〜!!」
俺は腹ペコのまま店から出ることになった。
「く〜〜〜!カレー食いたかったのに〜〜〜!!」
俺は地団太を踏んだ。
そして湧き上がる一つの感情。
「謎の覆面料理人め!食べ物の恨みは恐ろしいぞ!覚悟しておけよ!!」
俺は覆面料理人に復讐を誓ったのだった……
そんな夏の日の話。
何かやってしまいました。
すいません。