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七つ色SHINE ー絆ー  作者: Mayu
83/97

Rem:21 交差

早めの夕食が済み、順番に風呂に入ることになった。

今は一番先に七輝の父が入っている。終わったら、若葉と里津だ。

自分の番までは間があるので、慎は部屋に戻って携帯をとり居間に下りた。


「ちょっと散歩に行ってくる」

「はい。気をつけてね」


皿洗いをしていた七輝の母が顔を上げた。


「うん」


家に置きっぱなしにしていたサンダルを履き、外に出た。

ドライブでも行かなかったし、近いから小学校に行こうと思った。

明日行ける、実家の方の道を選ぶ。


(母さん、父さんは、元気にしてるかな?蒼も社会人になっているし、頼もしくなっているかもな)


時間が経つのは早い。懐かしい我が家を見上げ、また歩き出した。


(昔、ここに犬が捨てられていて、飼い主が出て来るのを待ってたっけ。翌日は、光に追いかけ回された)


ついつい思い出し笑いをしながら足を進めていたら、すぐ小学校に着いた。

あの頃長く感じたこの距離も運動場も、改めて見ると大したことがない。

遅い時間だが、まだ真っ暗になっていないから、少年たちが遊んでいた。その中に、大の大人が一人。


「いいか。あまり力みすぎるなよ。ボールは友達だと思え?」

「……光」


近づくと、光が気付いて振り返った。


「あれ?和泉。また会ったな」

「うん。散歩に出て来た。光は何してるの?」

「俺も同じ。ぶらぶらしてここに来たら、こいつらがサッカーをしてたから乱入してみた」

「そっか」


跳び箱代わりに、地面に半分だけ埋まったタイヤの列の中の一つに腰を下ろす。


「行くぞ!お前ら!」


光の掛け声に、わーわーと子ども達が寄ってくる。


(いつまでも、子どもみたいにはしゃいで……)


ガキ大将のような彼をくすくすと笑いながら見守った。



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