表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
七つ色SHINE ー絆ー  作者: Mayu
82/97

Rem:20 夢恋(ユメコイ)6

「あいつの扱いは、心得てるから大丈夫。不機嫌でも、構って甘やかしてやれば機嫌も直る」

「そうなの?」

「気にしないで、お前は戻りな?」

「うん。じゃあ帰るけど、無理そうだったら手伝うから言ってくれよ?」

「おう、サンキュ」


慎は外に出て、扉を閉めた。


「じゃあな」


光は手を振ると車を出し、慎は見送った。

光も結婚していないから、七輝のことを引きずっているのかと思ったけど。


(きちんと気持ちに蹴りがついたんだな。安心したよ。気に入った相手をからかう癖は、ご健在みたいだけど)


みんな、それぞれに前に進んでいる。変わっていく。


(足を動かせないのは、おれだけか……)


ため息をつき、玄関のベルを鳴らした。ドアの鍵の回る音がして開いた瞬間、何かが飛び出して来た。


「なっちゃん!」


ぽふーんとぶつかってきたそれを、受け止める。

頭を二つ結びにした、四歳くらいの女の子だ。


「久しぶり。……りっちゃん」

「こら里津!いきなり飛び出したら、危ないでしょ」


後から来た若葉が、母親らしく叱る。

彼女の姓は旧姓のままだが、もうとっくに結婚している。里津は、若葉の子どもだ。


「お帰りなさい、七輝。ちゃんとお泊り道具持って来たみたいね。偉い偉い」


若葉はにっこりしながら、里津を抱き上げた。


「りっちゃん。なっちゃんに挨拶はちゃんとした?」

「てあいっ!こんにちは!」

「……『てあい』じゃなくて、返事は『はい』でしょ?」


若葉は『めっ』、と里津の頭を軽く叩いた。


「幼稚園の男の子から変なことばかり学んでくるから、困ってるのよ。どうしようかしらね、全く」


それを聞いて、慎は笑った。


「元気が良くていいんじゃないかな」

「良すぎて困りものよ。パワフルすぎて、怪獣みたいなんだから」


若葉は苦笑した。


「立ち話もなんだし、お母さんたちもお待ち兼ねだから入って」


言われた通りにキャスターを持ち上げて、家に入った。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ