第7章 北斗の休日
国民投票は、槇野首相の思惑通り日朝中間国交断絶を支持し賛成票を投じる者が圧倒的多数を占め、賛成得票率は80%を超えた。
その一方で投票率はというと30%にも満たないという有様で、大雑把にいえば、このことに興味がない国民が全体の7割を占めると推察される結果となった。
国民投票前後に槇野首相が行っていた演説会の度に護衛を申し付けられていたE4では、メンバーが二分する形で冷戦に突入していた。
あの設楽でさえ、口を利かずにIT室にひきこもり八朔と中で何を話しているのかすらわからない。
剛田は頭の痛い日々を過ごしていたわけだが、そうそうそんな日々ばかりではない。
久しぶりに北斗がE4に顔を出した。
さる国会議員秘書としてスパイ活動を行っている北斗。
杏以外の皆にはまだ内緒にしてあるが、その国会議員とは、今や槇野を追い越さんばかりの人気を誇る西野谷恒だった。
どうして北斗が普段の任務とは全く関係の無い国会議員秘書に化けたかといえば、槇野の指示だったことは容易に想像できる。
いわゆるところの身体検査というやつだ。
近頃、西野谷を内閣府長官に任命してはどうかという意見が内外において噴出していたことから、槇野としては体裁を取り繕うためにも西野谷の調査が必要だった。
とはいえ、槇野は究極の自分ファーストの人間だったから、将来の首相候補と呼ばれ自分よりも人気が出てきた西野谷の動向を非常に懼れていた。
そこでE4に命令し、身体検査という名目の元に西野谷の行動を丹念に探りその弱点を見つけ、首相候補から外してしまおうというのが槇野の魂胆だった。
北斗はE4創設当初からスパイ任務に就いており何でもするとはいえ、今回の仕事に関しては腰が引けると言うか、できれば関わりあいになりたくないといった表情を見せた。
新興宗教や反社会勢力の方がよほど律儀なところがあるとも言える。
もちろんそれらを肯定するわけではないが、お山の大将を目指す人間たちは反社会勢力よりもよほど腹黒く、人一人を潰すことをアリ1匹と混同しているのではと思うことすらあるからだ。
剛田は北斗を49階の会議室に連れていくと言って、北斗と杏を連れて部屋を出た。
会議室に到着するや否や、北斗は珍しくだらだらした姿勢で椅子に座った。
「いやー。久しぶりの休日ですよ」
剛田が目を細め笑いながら北斗の愚痴に応じる。
「あれから全然休む暇もなかったのか?」
「人使い荒いったら。僕だけかと思ったら、どの議員の秘書でも似たようなものなんだそうです。政治の世界はノー・サンキューですよ」
「まあ、そういうな。もう少し働いてくれ」
北斗は剛田の言葉を聞くと項垂れる仕草を見せた。
半ば本気だったのかもしれない。
「3ケ月近く働いて休日全くなしって。どれだけ過酷だと思います?」
「そこまでとは思わなかった。槇野首相が西野谷議員に興味を示していてな。もうここまで来ると嫉妬かストーカーに近いんだが」
「嫉妬ですよ、議員宿舎では有名な話です」
「で、何か情報はありそうか?」
「僕は下っ端なので運転手や車の掃除とか、よくてお茶出ししかしてないんです。コピーでも取れればどういう内情か判るんですけど」
「私設秘書の1人だからな。西野谷議員は私設秘書も辞めないと噂を聞くが」
「辞めませんね、酷い議員の元で働き出すと、3日で来なくなるそうですよ」
「それはまた極端な例だろう」
「それが、結構この世界ではあるらしいです。秘書を人と見做さない連中の集まりですから」
「政治家はお前が一番嫌う人種のようだな、珍しく能弁だ」
「任務がなかったら3日で辞めてます」
北斗の肩をポンポンと叩き、笑いながら剛田は立ち上がる。
そしてESSSの会議に行くと言って会議室から出ていった。
剛田が座っていた席に杏が移り、畑違いのスパイ活動で凹んでいるようにも見える北斗の愚痴を聞く。
「だいぶこき使われているようじゃないか、北斗」
「この3ケ月で5キロ痩せましたよ。ダイエッターにはいい仕事かも」
「そういえば、頬がコケ落ちてるな」
身体検査という名目は別として、槇野首相が今一番警戒しているのが西野谷議員には違いなかった。
嫉妬やストーカーというフレーズも剛田の口から出たが、真面目にそうらしい。槇野首相の私設秘書は、西野谷議員をつけ回したり、本職の探偵にお願いしているという噂も聞く。
そして探偵料は公費で払う。
何かが欠け落ちてるとしか言わざるを得ないが、政治家とはそんなものであり、国民の納めた税金を一番無駄に使うのが国会議員ということになる。
国会議員の議員年金。一般人とはかけ離れた金額とも。
国民から搾り取った税金は、お前らの年金に成り果てると言うわけか。いや、集めた分を公務員と同じようにどこかに預けてお金を増やしてるんだっけ。
税金使わないなら、自分たちは何もいうことはない、と杏は頭をぐるぐるさせる。
一般人が国会前で繰り広げるデモに参加するくらいの大事ではあるのだろうが、杏はそういった物事に興味も無く、北斗から聞く秘書事情というものは、なぜにそこまで人間扱いされないのにボスに尽くすのか、という心理の方が興味の端に引っ掛かる。
「ところで、西野谷議員の弱点は見つかったか」
「まだ3ケ月なんで、車運転してても会話の意味が分からなくて。ただ、公用車を使わないで宿舎を出る時があるんです」
「女か」
「恐らくそうかと」
「女の恨みは怖いぞ。何かやらかしたらすぐにスキャンダル確定だ」
「そうなったら、ソースとしては僕が一番疑われるんでしょうね」
「かもな」
杏と北斗が会議室から戻ると、IT室から設楽と八朔が出てきて、北斗の任務内情を聞きたがる。
まだ誰にもどこで何のためかという活動内容自体を話していないし、ほとんどこちらに顔を見せたり連絡も来なかったため、心配、というよりは話の種が欲しかったとお見受けする。
北斗はやんわりとそれらをかわしソファに座って活字新聞を見ていた。
そこに、地下で射撃訓練を終わらせたメンバーが続々と戻ってきた。
「北斗、お疲れ様」
優しく声を掛ける不破に続き、西藤や倖田も一声かける。
だが九条や三条は北斗を半ば無視するように自分の椅子に座って二人で何やら相談事の時間に充てているようだった。
一番後に部屋に入ってきたのはナオミだった。
北斗を見ると、ソファに寄って行き、声をかけた。
「ハイ、北斗」
「ナオミさん、元気ですか」
「んー、射撃訓練でへとへと」
「そりゃ大変だ」
「北斗は今、何してる?」
「色々と」
「ねえ、何?」
アリ地獄につかまった昆虫を救うかのように、杏が笑いながら2人の間に割って入った。
「北斗、久しぶりに来たんだ、バグとビートルに会って行け。喜ぶぞ」
「はい、ではお言葉に甘えて」
「私も行く」
杏の言葉は逆効果になったようで、北斗とナオミは一緒に地下2階に降りていった。
ナオミは色々と北斗に質問するだろうが、北斗は現在の任務を明かすわけもないし、その辺は北斗を信じている。
ナオミが北斗と話をしても平行線になるのは必至だと思いながらも、杏の心のどこかに、ナオミがある種の異端児=危険人物であることがインプットされてしまっていた。
仕方ない、地下に降りるか。
杏は1人で廊下に出るとエレベーターホールに行き、地下2階のボタンを押した。
エレベーターから出た途端、バグたちの声の中にナオミの声が混じってみんなで大笑いしている。
北斗の声は聞こえない。
きっとまた皆にオイルを注して回っているのだろう。
「ナオミッテイウンデショ、ニホンジンミタイ」
「正真正銘、北米人よ」
「フワクライセガタカイネ」
「不破ほどじゃないと思うけど」
「アンヨリオネエサンナノ?」
「こら、女性に年を聞くものじゃないわ」
「ドウシテ?」
「どうしてかな?」
杏はバグたちの方に近づき北斗を探すふりをした。
「北斗は?」
「ア、アンダー」
「ホクトハネ、イマボクラノネドコノオソウジシテル」
「アンハナンサイナノ?」
「今ナオミが言っただろう、女性に年を聞くものじゃないって」
「アンッテジョセイダッタノ」
背中をバシッと叩かれるバグ1台。
「私も一応女性だ」
「ソウダッタンダ」
「マタヒトツベンキョウシタヨ」
「ミンナ、アンニトシヲキイチャダメナンダッテー」
大騒ぎしている6機のバグとビートル。
女性の登場が余程お気に召したらしい。
これではナオミも北斗と会話らしい会話もできまい。
「偵察?」
ナオミが杏に向かっていやに挑戦的な眼差しをぶつけてきた。
「私の行動が気になる?」
「チーフだからな、四方に目を配るようにしている」
「あら、そう」
あら、そう、だと?
だから女は苦手なんだ。
女であることを最大限に利用して別の女と敵対する。
どっちが男性に好かれるかをバロメーターにして、優位を保ちたいがためにマウントを仕掛けてくる。
馬鹿らしい。
私にはマウントも敵対も興味はない。
こいつ、とっとと早くCIAに帰らないかな。
九条はこいつが槇野を狙ってる、っていうけど、あんな総理が暗殺されたところで我々にマイナス事項が生ずるわけでもない。
前の春日井と比べてもどんぐり背比べといったところだ。
こうなってくると、杏の中での総理大臣適任者へのボーダーラインがどんどん低くなっていく。
もう少しまともな首相は現れないのか。
西野谷議員は世間では評判のようだが、果たしてどんな人間なんだろう。
北斗がもう少し西野谷議員の懐に入って探れるようになれば、人となりも見えてくることだろう。今はそれを待つしかない。
「アンッタラ!!」
ビートルの声で杏は物思いに耽っていた自分に気が付いた。
「北斗とナオミは?」
「モウイナクナッタヨ」
「そうか、じゃあ今日はお前たちも寝る時間だ。お休み。電気消すぞ」
「ハーイ」
「オヤスミナサーイ」
「チャオ」
「どっから覚えてきたんだ、“チャオ”なんて」
「ナオミニキイタ」
何をバグたちに教えているんだと、杏は少し可笑しくなって大笑いしながら部屋の電気を消し、ドアを閉めてエレベーターホールへと歩き出した。
49階では地下の喧騒が嘘のように、皆が黙って自分の時間を持っていた。
北斗も珍しくうたた寝している。
国会議員の秘書とは、相当気を遣うものなんだろう。毎日がその連続に違いないだろうに、北斗は本当に良くやってくれている。
(あたしなら3日で行かなくなるな)
そう考えながら杏が北斗にハーフケットを掛けてあげると、九条が杏の傍にやってきた。
「お疲れのようですね、彼は」
「まあ、色々とあるんだろう」
「国会議員の秘書なんて地盤を譲ってもらうための登竜門のようなものですからね」
杏は驚きといっていい目で九条を見る。
九条が真の北斗の任務を知っているのかカマをかけているのかどうか、どちらかわからなかったため、返答に困っていた杏。
九条も杏を見返し一瞬目をくりっと大きくして口角を上げる。
「返事は期待していません。僕の情報網もまだまだ健在だと言うアピールですよ」
不破がこっちをじろじろと睨み始めた。
九条がそれに気付かない訳もない。
「さて、本日はこれまでということで」
時計を見ると、もう退庁時間に近かった。
杏はハーフケットをぎゅっと握りしめる北斗を見ていた。
そういえば、北斗がここに来たのは昼過ぎだったか。
午前中は自分のアパルトモンで爆睡していたろうに、本当に律儀なやつだ、北斗は。
周囲を見回すと、皆北斗の寝姿を見ていたようで静かに退庁の準備をしている。
ナオミだけが仰け反った姿勢で足を大きく組み、動く様子もない。
北斗を起こして一晩バーにでも連れていくつもりか、と杏はこめかみに青筋をたてた。
「北斗、もう時間だぞ。帰ろう」
不破が助け船か泥船かわからないような態度に出た。
お前が一緒になったらナオミがついていくだろうに、と杏は少なからず心配しながら北斗を見ていた。
「あ、もうこんな時間ですか。今日は剛田室長と食事しようと思ってこっちに来たんです。まだ戻ってないのかな」
北斗、ナイス言い訳。
「まだ戻っていない。不破、最初に帰っていいぞ」
杏がナオミを視野に入れながら不破を帰そうとすると、ナオミはなおも北斗を待とうとしたが、何か不穏な空気を感じ取った不破がナオミをバーに誘い一晩付き合う約束でことは収まった。
剛田が退庁時間を30分も過ぎてからE4に戻ってきた。
「何だ北斗、明日も早いんじゃないのか」
「昼間話せなかった連絡事項です」
「じゃあ、酒でも一杯ひっかけながら聞くとするか」
剛田は北斗と杏を連れ、馴染みの小料理屋に行き個室をとった。
料理が並べられていくのが一段落した頃、剛田が口を開いた。
「西野谷議員についてか?」
「いえ、西野谷議員のことではないんです」
「とすると」
「はい、槇野首相について」
北斗が話し出したのは、槇野首相に収賄疑惑が持ち上がっているというものだった。
「お友達わいろ疑惑」と題した収賄疑惑。
ひとつは、槇野の古くからの友人が経営する大学に、本来申請してはいけない学部が申請され、それがまかり通って来年4月から開学するというものだった。
その学部とは、獣医学部。
獣医学部の卒業生は、その殆どが開業し小動物を診ている。
本来、道府県で必要とされる獣医師は、見る対象が様々だからなのか、給料が安いからなのか、はたまた鳥インフルや豚コレラといった災害その他で動物を殺す役目を担うからなのか、全然募集数に足りず、毎年頭を抱えているのが現状だった。
第3次世界大戦終了後、道府県では苦肉の策として高校を卒業した者が獣医師見習いとして地方公共団体に就職しながら決められた大学に通い、6年の課程を学修し、また地方公共団体に戻るという方法を採ったが、学修する中で翻意して仕事を辞め動物病院を開設する者が後を絶たなかった。
そのため小動物の獣医師は充足しており、開業しても結局は儲けにならず病院を閉める者まで出ていた。
裏事情も透けて見える観点に立ち、国としては獣医学部の学部申請を認めておらず、他に何か方法がないか情報収集しているのが実情だった。
それがここに来て、およそ生物とは何の関連もない大学により、獣医学部の学部申請が出され、認可を受けた。
一重にこれは、槇野が裏で金を受け取り、時の文部科学技術省に圧力を掛けたからだという噂が立っているというのだ。
もうひとつは、やはり槇野の奥方のお友達が私学の小学校を建設するにあたり、本来何十億の価値があるとされる国有地を10分の1ほどの値段で入手した、というものだった。
これもまた、槇野の奥方が裏で金を受け取り、ときの大蔵財務省に圧力を掛け不当に土地を斡旋した、斡旋収賄罪に問われるべき事案だと言うのである。
こちらは獣医学部よりもっと手が込んでいて、偽の契約書が何通も見つかるという絡繰りがあり、真実がどこにあるのか、槇野の奥方を証人喚問しようとする動きも見られたが槇野は頑として受け付けず、奥方のお友達が詐欺を働いたとして書類送検されることとなった。
本来、こういった事件は刑事裁判を通じて罪を詳らかにするのが政治家にとっての慣行であったにも関わらず、である。
これらはまだ、槇野の子飼いである現在の内閣府長官が押さえつけていたためマスコミにも明らかにされていなかったが、槇野周辺から取材攻勢を強めている反政権派の活字新聞では、当の昔にこの案件に勘付いており、あとはスキャンダルを出す時期について社内で調整していると言われているのだそうだ。
スキャンダルが出ることが事前に知れれば、この出版社は槇野によって空中分解の沙汰を受けてしまう。それを避けて地下で活動していると、北斗の口から語られたのだった。
剛田は目を閉じ口元を真一文字に結んで北斗の話を聞いていた。
話し終えたあとも、しばらく目を開けようとはしなかった。
何かしら、考えることがあるのだろう。
その点杏は何も考えずに口を開く。
「お友達内閣か。今でもそういうことってあるのね」
「いやー、槇野もいい加減にして欲しい感はありますよ」
「ソースはどこからなのかしら」
「それこそ元秘書とか、元愛人とか、色々あると思いますよ」
剛田が目を開き北斗を見て、重々しい口調で語った。
「北斗。そのことはしばらくお前だけの胸の中にしまっておいてくれ。いずれ公になることとは思うが」
「はい、了解です」
「それより、西野谷議員の方は本当にまだ何もわからないか」
剛田がいなくなってから杏に話したことを、北斗は繰り返し話した。
「公用車で帰らない日があるんです」
「行き先は?」
「尾行できる状況ではないのでまだ不明です。時間を見つけて尾行します」
「忙しいところ悪いが頼むぞ」
「もしかしたら今回の件、槇野首相からの依頼ですか」
「ま、そんなところだ。我々は探偵事務所ではないといくら言っても聞く耳を持たない。困ったものだ」
「次回の休みまでにはご報告できるようにしますので」
「ああ、お願いする」
翌日は早めに出勤しなくては、と北斗は酒も飲まず食事も1人前食べないで席を立った。
杏は尊敬の念を持って北斗の後ろ姿を見送る。
「本当に、E4で一番稼いでるのは北斗だと思うわ」
「どんな場所でも危ないところでも文句ひとついわずにスパイとして入ってくれる、ありがたいな」
「今回も北斗が危なくなったらお助けマンで行かせてね」
「そんなことはないと信じたいが、何が起こるかわからないのが政治の世界、いわゆるところの”伏魔殿”というやつだからな」
北斗は翌日からまた西野谷議員の私設秘書として、汗を流す毎日となった。
公用車を使わず帰る日が週に1度か2度。
公用車の洗車を行い、その他にも書類の後始末や翌日以降の来客に関するスケジュール管理を任されるようになり身体がいくつあっても足りない状態の北斗だったが、何か理由をつけて西野谷を尾行しようと考えていた。
西野谷は自宅に帰る様には見えなかった。
公用車を使わない時は議員会館からタクシーを拾って帰る日がほとんどで、たまに公共交通機関の駅に向かって歩いていくのが見られたが、そもそも自宅とは反対の方向。
やはり、女か。
でも、西野谷は独身。別に誰と付き合おうが周囲から何も言われる筋合いはない。
槇野は何の弱点を知りたがっているのだろう。
早く仕事を切り上げて西野谷を尾行したいと頭の片隅に思いはあるものの、新しい仕事は思った以上に頭を使う。
目の前から去っていく西野谷を見て、北斗に焦りが無かったと言えば嘘になる。
しかし、今の自分ではどうしようもないことを弁えている北斗は、とにかく仕事に早く慣れようと必死に頑張っていた。