幸せな日常
それからも月日は流れ、俺は仲間を集め続けた。
なんでか知らないが全員女の子ばかりで、ものすごく男女比が偏ってしまったが、それはご愛嬌。
冠番組を持ったこと上がった知名度を生かし、最近は配信活動にも手を出している。
時代の流れに乗るのって、難しいもんだ。
動画作りってこんなに大変なんだな。
リオや綾子ちゃんや、その他大勢にも聞きながら、十代女子のトレンドを学ぶ毎日。
おっさんの俺にはよくわからんが、流行りの音楽に合わせて歌った踊ったりする。
今もまさに、手足を振り回してドッタンバッタンやってる真っ最中だ。
「うおお、これ上手く踊れてるのか」
アンジェリカも混ざって楽しそうに踊っているが、こいつは多分意味をよくわかっていない。
「楽しいですね、お父さん!」
「まあ、そうだな」
自分以外、全員女子な部屋で集団ダンス。
我ながら犯罪臭がすごいと思うが、これが今の日常なんだから仕方ない。
今でも異世界から刺客が来ることはあるが、こっちの戦力が充実しすぎているので負ける気がしない。
こうやって馬鹿みたいに踊ってタレント活動を続けている俺が、まさか裏から世界を守っているなんて、誰も気付かないだろう。
でも、それでいいのだと思っている。
なぜなら勇者は、勇ましくあることが仕事。
別にチヤホヤされたくて戦ってるわけじゃないからな。
な、エルザ。
完
これにてこの作品は完結となります。
強引な締め方になってしまいましたが、放置し続けるよりはずっと良いだろうと思っての選択です。
私にとって初めての書籍化作品でありながら、体調不良などもあり何年も書けない状態が続いたことをお詫びいたします。
かなりダイジェストな締め方となってしまいましたが、中元とヒロイン達の日常やバトルはこれからも続き、なんだかんだで勝利し、幸せな生活を送っているはずです。
ご愛読ありがとうございました。