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異世界帰りのおっさんは、父性スキルでファザコン娘達をトロトロに  作者: タカハシ ヒロ
第八章 光営業

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娘のものは俺のもの、俺のものは俺のもの


 母乳でパンパンになったペットボトルを綾子ちゃんに渡すと、不愉快そうに眉をしかめられた。

 親指と人差し指でキャップをつまむ姿は、まるで汚物を処理しているかのようである。


「あーっと。かなり甘いから、シチューやカレーには合わないと思う」

「……お菓子やコーンポタージュには使えるかもしれませんね」


 私は食べませんけど、と捨て台詞を残し、台所に引っ込む綾子ちゃん。

 なんであんな機嫌悪いんだろ? と思ったが、惚れた男が他の女の乳を吸いまくったあげく、その女の体液を渡してきたのだから、人として当たり前の反応だった。


 むしろ今回は俺の方が狂っている気がする。

 謝った方がいいんだろうか。


 恐る恐る台所に近付くと、血走った目で己の乳房を揉んでいる綾子ちゃんを見つけた。

 えっ、昼間から何やってんの? と咄嗟に気配を消すも、面白そうなので観察を続けてみる。

 

「……母乳……母乳……母乳……!」


 どうやら綾子ちゃんは、そんな風なことを呟いているらしい。

 母乳?

 それにあの手つきは、一人遊びをしているというより、乳搾りをしているように見える。


「なんで……出ないの……っ!」


 ああ、なるほど。

 アウローラに対抗して、自分も母乳を出そうと思ったのか。

 でも綾子ちゃん、妊娠してないし。出るわけないじゃん。つーか妊娠以前に処女だからな、あの子。


 俺と同居して以来、様々な変態イベントをこなしている綾子ちゃんだったが、未だに膜は無傷だったりする。

 もうとっくに孕ませてそうな雰囲気が漂っているが、これはガチである。

 

 ていうか俺、エルザ以外の女とは肉体関係を持っていないし、地球の一般人は一人も殺してないからな実は。

 俺の過去の行動をよーく思い返してみてほしい、セックスと殺人は巧妙に避けているのだ。


 まあ……俺ってば正真正銘の正義の味方だし、光属性の勇者様だし?

 女子高生を平然とハーレムにぶち込む男だけど、本番行為だけは回避し続ける、模範的なチート野郎なのである。

 やれやれ、他の主人公達も見習ってほしいものだぜ……とどこに言っているのかわからないモノローグを繰り広げながら、リビングへと向かう。


 母乳の処理も終わったことだし、本来の用事に戻るとしよう。

 俺は家のあちこちに散らばる同居女性に声をかけ、居間に集める。最後に台所から綾子ちゃんがやってきたところで、口を開いた。


「俺とクロエが先日仕留めた男――オドリックは、地球と異世界の間に戦争が始まるように仕向けていた。わかるか皆。ここはもうすぐ戦場になるんだ」


 俺の言葉に、一同が静まり返る。


「どこまで猶予があるのかわからないが、今は少しでも戦力を引き上げたい。幸い、皆には魔法の素養があるようだし……フィリアやエリン、クロエに教われば、いっぱしの戦士になれると思う」


 俺はアンジェリカ、リオ、綾子ちゃんの目を順番に見る。真乃ちゃんは何がなんだが、な顔をしていたが、そういえばこの子には何も説明していないと気付く。まあいいや、女子中学生は可愛くあることが仕事なんだから、時々俺と入浴したりママになってくれたりしたらそれでいい。


「お前らにはこれまで以上に真剣にトレーニングをしてほしい。それとここからが重要なんだが……」


 俺はクロエとアウローラに視線を送る。

 

「異世界の軍隊は、量産されたクロエの姉妹と、飛竜を大量に保有しているらしい」


 アンジェリカが息を呑む。


「たくさんのクロエさんが、竜に乗って襲いかかってくるってことですか」

「そうなるな」


 一気に場の空気が重くなる。

 リオは「それって世界の終わりなんじゃないの?」と肩をすくめていた。既に勝利を諦めているようにも見える。


「このままだとそうなる。知恵を持った戦闘機が、大量に飛来してくるわけだからな」

「でも、お父さんは最強じゃないですか!」


 とアンジェリカが叫ぶ。


「ああ。俺なら絶対に勝てる。一対一で負けることはない。多分、フィリアやエリンでも撃退できるはずだ。だが、あまりにも敵の数が多すぎる。日本中の空を守り切るなんて不可能だからな。必ずどこかに犠牲が出る」


 どうしろって言うのよ、とリオが髪をかき上げた。


「そのための作戦会議だ。俺達はクロエと飛竜の弱点を、調べ上げる必要がある」

「……なるほど」


 エリンが頷く。


「幸い」


 俺はクロエとアウローラを指さして言う。


「幸い、ここにサンプルがある」


 え、私? とクロエは己の顔を指さす。


「ステータス鑑定だけじゃわからない弱点が、攻略法が見つかるかもしれない。だから俺達は、皆で二人の体を調べるべきだ」

「父上は何を言ってるの?」

「お前の助けが要るんだ」


 じっとクロエを見つめると、「……しょうがないな」と頬を赤く染めた。


「つ、つまり今から、私とアウローラの体をまさぐるんだね?」

「ああ」

「父上だけでなく、神官長やエリンさんや神聖巫女も加わって……くんずほぐれつの状態になって!」

「戦況分析だ。何もやましいことはない」

「……わかってるよ」


 クロエは上着に手をかけ、「全部父上のためなんだからね、やるなら徹底的にやってよね!」と開き直る。


「……勇者、質問」


 エリンが小さく挙手をする。


「……味も見ておいた方がいい? 何か弱点がわかるかもしれない……」

「許可する」


 なんで許可するのさ!? とクロエが抗議の声を上げたが、「娘の体は父親の所有物だろ? お前に選ぶ権利はねえんだよ」と昭和の糞オヤジな台詞を発すると、


【パーティーメンバー、クロエの好感度が5000上昇しました】


 とメッセージが表示された。

 クロエは蕩けた顔で「はい」と首を縦に振り、「私の心も、脳も、おっぱいも、子宮も、全部父上の私物です、お名前シール貼り付けて持ち歩いてくだしゃい」と息を荒くしていた。

 リオが羨ましそうにこちらを見ていた。


「じゃ、始めるとするか。戦闘用ホムンクルスと、騎竜のスペック調査を――」

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― 新着の感想 ―
[一言] その気にさせるだけさせといて手は出さないとか 曲がりなりにも囲ったら満足させてるミラクル〇ンポハーレム野郎よりクズなのでは? ボブは訝しんだ
[一言] >やれやれ、他の主人公達も見習ってほしいものだぜ モルダー、あなた疲れてるのよ
[良い点] これから大量に敵として出てくる相手のアーキタイプとも言うべきクロエとアウローラの生態とスペックを入念に調査する。みんなで。 何も間違ってない。 [一言] 中元氏は胸を張ってアウローラの張っ…
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