パパと娘の乳搾り
「いや~いい湯だった」
風呂上がり。
真っ先に髪を乾かし終えた俺は、腰にバスタオルを巻いて脱衣所を後にした。
そのままリビングへと向かい、スマホを手に取る。
画面に表示される時刻は、正午を数分ほど過ぎたところだった。
自分でも呆れてしまうが、一時間近くも風呂場で遊んでしまったようだ。
女の子と手や舌を使って洗いっこするのは楽しいが、やたら長風呂になってしまうのがネックである。
……まるで竜宮城だな。
ひとりごちて、パジャマに袖を通す。
どうせ外出する予定もないし、今日は一日家でゴロゴロするとしよう。
「さて」
着替えが済んだところで、水分補給といくか。
俺は台所からジョッキを取り出すと、それを持って脱衣所に戻った。
「ごめん、喉乾いちゃって」
バスタオル一枚のアウローラに、さも当たり前のようにお願いする。
「あらあら」
ジョッキを胸の前に持っていくと、それだけで俺の言わんとしていることが伝わったらしい。
アウローラはくるりと背中を向け、前かがみになった。
やがて「ん……っ」と悩ましげな声が漏れたかと思うと、ジャーッとミルクを絞り出す音が響き始める。
たっぷり二十秒も続いた、尋常ならざる勢いの母乳噴射。
俺の中の赤ちゃんが頭をもたげるには、十分な時間であった。
もう無理やりこっちを向かせて、直に吸い付いちゃおうかな……と悪い考えが脳裏をよぎったその時、
「さ、どうぞ」
母性溢れる笑顔をたたえて、アウローラが振り返る。
手元のジョッキには、並々と母乳が注がれていた。
「んじゃ、いただきます」
俺はジョッキを軽く持ち上げ、乾杯の動作をする。
それから、縁に唇を付け――ゴクゴクと音を立てて飲み干す。
――美味い!
母乳が喉を潤すたび、言葉では表せない快感が背筋を駆け抜ける。
味がいいのもあるが、やはりこの液体が美女の乳首を通ってきたという事実が大きいのだろう。
「もう一杯!」
「いくらでも差し上げますわ」
そうやっておねだりを繰り返しているうちに、周囲の女性陣が殺気を帯びていくのを感じた。
「なんだよお前ら……さっき散々可愛がってやっただろ」
でもぉ、と唇を尖らせるアンジェリカ。母性があまりがちな性格をしているため、自分以外の女が俺に授乳している状況は耐え難いものがあるのだろう。
綾子ちゃんとリオは……スマホを操作して、ルナ〇ナをチェックしていた。きっと直近の危険日を割り出し、逆レイプのスケジュールを組み立てているのだろう。
フィリアは俺が脱いだ下着に視線を落とし、好感度を秒間二億で上げる作業の真っ最中だった。
ここは地獄だ……。
絞り出すように嘆息した後、アウローラに声をかける。
「場所を変えよう。人の目があるところで乳搾りされるのは嫌だろ?」
無言で頷く未亡人。話が早くてよろしい。
俺はアウローラの手を引き、寝室へと移動した。
「奥さん、見えるかい」
「なんでございましょう」
俺は床を指して言った。
「君が歩いた後に、白い水滴が続いてる」
「……!」
アウローラは頬を染めて俯く。
さきほど搾ったばかりだというのに、もう母乳が漏れ始めたようだ。
「申し訳ありません……ナカモト様のお家を汚してしまいましたわ」
言って、アウローラはバスタオルを脱ぐと、喪服姿に変化した。
魔法を使っての早着替え。
しかし着物の胸元はみるみる湿っていき、ものの数秒で巨大な染みが形成された。
吸い出しが必要なのは、火を見るよりも明らかである。
「父上ー!」
と。
どうやって乳房をしゃぶるかプランを立てていると、廊下の奥からクロエが現れた。
胸に卵を抱え、
「私も手伝うよ!」
と満面の笑みで駆け寄ってくる。
「飼い主だもん。本来なら私がやらなきゃいけない作業でしょ?」
「だそうだが、いいのか?」
視線でたずねると、「マスターですもの。気にしませんわ」とアウローラは微笑んだ。
じゃあ、そういうことでいいんだろうか?
俺達は一番手前の寝室に入ると、念入りに施錠し、アウローラをベッドに座らせた。
クロエは枕元に卵を置き、「お前のママは私と父上が楽にしてあげるからね」と声をかけている。
「そんじゃ奥さん……本番といこうか」
「はい……」
アウローラはそっと目を伏せると、青緑の髪をかき上げ、胸元をはだけた。
深い谷間が露となり、その中心を流れる母乳が、滝のように流れ落ちる。
「こんなに……」
着物と乳房の間に、母乳のプールができている。まるで白いお湯に浸かっているかのようで、要するに乳首が完全に隠れているのだった。
かろうじて全年齢というわけだ。
……ちょっと残念な気持ちになりつつも、とん、とアウローラを押し倒す。
仰向けの姿勢で倒れ込んだ人妻は、勢いよく母乳のしぶきを撒き散らした。
途端、
「ああっ」
ぱちちゃゃっ! と水音が響き渡り、クロエの顔が白濁色に染まった。よりによって飼い主にぶっかけてしまったようだ。
「もー! 信じらんない!」
クロエは悪戯っぽい笑みを浮かべながらアウローラににじり寄ると、右胸に顔を埋めた。
「父上もおいでよ。一緒におっぱい吸お?」
「……ああ」
ふらりと。何かに吸い寄せられるように。
誘蛾灯に集まる羽虫のように。
クロエの隣――アウローラの左胸に鼻先を近付けると、固く目を閉じた。
そして、父と娘による共同搾乳が始まった。
人道上の観点からアウローラの反応を描写するわけにはいかないので、ここは俺とクロエのやり取りを伝えるに留めておく。
「う~……お腹いっぱい……」
「女の子の胃にこの量はきついかもなぁ」
ここからは俺一人でやろうか? と提案するも、クロエは頑なに拒んだ。どうしても親子で力を合わせたいようだ。
しょうがないな。
健全な父性を発動させた俺は、愛娘のプライドを守りつつ、アウローラの乳の張りを解決する妙案を思いついた。
クロエが吸い出した乳を、俺が飲めばいいのだ。
「どういうこと?」
「だからさ。腹がいっぱいで飲めないってなら、俺に口移しすればいいだろ」
「なるほど」
父上は天才だね! と顔を輝かせ、クロエは何度も何度も唇を重ねてきた。
「んっ……んちゅっ……」
十五歳の娘から、口移しで受け取る母乳。
熟れに熟れた人妻の乳汁に、未成熟な少女の唾液が加わることで、複雑な甘みが舌の上に広がる。
それはどこまでもクリーミーで、それでいて深いコクとまろやかさがあって、確実に有罪判決が下りる味だった。これもう海外逃亡でしか豚箱入りを防げなくね? と決意させるのに十分な罪深さだった。
「……美味しい? 父上」
「すげえ美味い」
クロエの口から顎にかけて、白い粘液と化したミルクが伝い落ちる。二人の唾液と混じることで、ミルクが粘性を帯びたのだ。
「もう一回……」
熱っぽい声で囁くと、クロエは再び口移しを敢行した。
舌を使って器用にミルクを移動させると、名残惜しそうに顔を離す。
すると俺とクロエの間に、白い橋がかかった。唾液と母乳で作られた、糸の橋。
これ以上ないくらい倒錯的な光景だった。
「ねえ父上」
「なんだ?」
「この量はもう、私達の手に負えないよ」
確かに、体感で5リットル近くは飲んでいる。
それでもなお止まらないのだから、恐ろしい分泌量である。
「誰かの口じゃなくて、容器かなんかに搾ってもらうのはダメなの? 一々人が飲んで処理するのってめんどくさくない?」
「それは正論だと思う。でもな、目の前に美女の母乳があったら飲むだろ?」
「……」
その後、クロエは無言で空のペットボトルを持ってくると、
「今度からはここに出してね」
とアウローラに命じた。
母乳問題があっけなく解決した瞬間だった。




