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*父の日記念番外編:リオの贈り物2

投票ありがとうございました!

一位は見事「リオ」となりましたので、続編エピソードを公開となります。


 父の日の乱痴気騒ぎが終わり、今日で一週間が経った。

 いつもの日常に戻った俺は、自宅でだらだらとリオの乳を揉んで過ごしていた。

 膝の上に少女を乗せ、スナック菓子をつまむが如く気軽さで揉みしだく。


 ノリノリでやっておいてなんだが、絶対にまだ明るいうちからやっていいことではない。

 というか暗くなったとしてもやっていいことではない。むしろ夜の方が雰囲気的にアウトでは?


 なんでこんなことになってしまったのかは、自分でもよくわからない。


 リオはいつ見てもエルザそっくりで。今日はメイクもバッチリ決まってて。

 制服を挑発的に着崩していて。いい匂いがして。

 そんな女の子が「パパぁ」と甘えた声で誘惑してきたら、うっかり羽目を外してしまうのもしょうがない。

 

 だからこれは、不可抗力だと思う。

 無罪だと思う。

 

 そうやって無茶のある自己弁護を繰り返していると、


 ピンポーン


 とインターホンが鳴った。

 タイミングがタイミングなので、真っ先に疑った可能性は家宅捜索である。

 現役女子高生と、白昼堂々の淫行。逮捕されるのが当然だ。


「……中元さん……やめちゃうの……?」

「悪い。俺また捕まってくる」

「え?」

「玄関を開けたらグレーのスウェットを支給されると思うから、着替えないといけないな。んじゃ行って来る」

「さすが前科持ち。逮捕慣れしてるね」


 行ってらっしゃーい、と笑顔で見送られながら、俺は玄関へと足を進める。

 俺も相当おかしいが、リオもあのあっさりとした態度はなんだ?

 ……そういや歴代の義父が目の前で逮捕されたことが何度かあったんだっけ。ならこういうのは慣れっこなのかもしれない。

 絶対に慣れちゃ駄目なことだと思うが。


「おまわりさん? 俺まだ本番行為はやってないですよ」


 言い訳しながらドアを開けると、そこに立っていたのは令状を持った警察官ではなく――


「……お母さん?」


 リオのおふくろさんであった。


「先日はどうもー」


 名前は確か……美咲さんだっけ。

 確か俺とそう変わらない年齢なはずだが、若作りなせいか二十代にしか見えない。おふくろさんという表現とは対極の位置にある、お姉さんなルックスだ。ちなみに顔はそんなにリオと似ていないのだが、体型と味はそっくりだと言っておく。


 やっぱ親子ってどこかが似るよなあ……と甘い記憶を呼び起こしていると、美咲さんは菓子折りらしきものを差し出してきた。


「娘がいつもお世話になってるのに、まともに挨拶したこともないのはどうかと思って」

「や、わざわざすいません」

「あと、先日は娘とセットでとんだ失礼を……」

「……お互い様なので気にしないで下さい」


 先日のとんだ失礼とは、父の日の暴走行為であろう。


「私もあの時は普通じゃなかったから。……二日酔いだったの」


 そして美咲さんは語り始めた(聞いてもいないのに)。あの日の自分は普通じゃなかった。酒が抜けていないところをリオに叩き起こされ、冷静な判断力を失っていた。そんな状況で目の間にイイ男――しかも芸能人が現れたら、発情するのも無理はないでしょ? とのことだった。


 この人は大丈夫なんだろうかと思った。

 今もなんか、ボディタッチ多いし。

 めっちゃ俺の股間見てるし。……肩や胸周りにも視線が来ているような……。

 若い女の子と違って、男を吟味する目に遠慮がない。このあたりに三十三歳という年齢を感じる。

 

「立ち話もなんですし、よかったら上がっていきますか?」

「……いいんですか!」


 断れよな。今のは社交辞令のつもりだったんだが。

 全く。これじゃリオとイチャイチャできないだろうが。

 

 最低な本音は社交辞令の笑顔で覆い隠し、リビングに美咲さんを案内する。

 先客のリオはというと……。げっ。胸元がはだけたままの格好でソファーに座ってやがる。

 いかにも「さっきまで乳繰り合ってました」な雰囲気なので、できれば着衣の乱れを直しててほしかったのだが。


「あれ? 母さんじゃん」


 何しに来たの? とリオは気怠そうに髪をかき上げる。その拍子に右肩のブラ紐がずり落ちた。

 妙な色気があって、とても親御さんに見せられるような姿ではない。


「この間のお詫びに来たんだけどー、あんたもしかして中元さんとヤってた?」

「もう少しでヤレそうだった。……邪魔が入らなければね」

 

 もはや親子の会話じゃねえな。

 いたたまれない気持ちになった俺は、そそくさと台所に避難した。

 人数分のお茶を淹れ、ゴホゴホと咳ばらいを繰り返しながらリビングに戻る。

 あとは適当に世間話でもしてりゃ、美咲さんの方から空気を察して出て行くだろ、と期待していたのだが、


「えーお茶? いいの? 中元さんやさしー!」


 ……これまで知り合った男は、お茶を淹れてくれなかったんだろうか。淹れてくれなかったんだろうな。犯罪者や暴力男とばっか付き合ってきたらしいし。

 感極まった様子で湯飲みを受け取った美咲さんは、きらきらした目で俺を見つめながら身をくつろげた。

 見るからに長居しそうな佇まいだった。


 おいおい、どうすんだこれ。

 リオのやつヘソ曲げてるんじゃねえの? と恐る恐る顔を覗き込むと、親指をぐっと立てて頷かれた。

 は? よくやった、と言いたいのか? どういうことだ?


 ……あっ。


 まさかこいつ、まだあれを狙ってるのか? 

 そう――俺を自分の母親とくっつけて、戸籍上のパパにするという狂気のプランを。

 確かにそれはファザコンの夢なのかもしれないが、道徳的にどうかと俺は思う。


 パパとえっちがしたいなら彼氏をパパにすればいいじゃない、ってのは人として許されざる思考であろう。

 パンがなければ人肉を食べればいいじゃない、ぐらいに極端な解決法っつーか。

 それもうマリー・アントワネットじゃなくてエリザベート・バートリだし。


「どしたの? あたしの顔見たまま固まってるけど」


 俺はリオの耳元に口を近付け、ゴニョゴニョと質問をぶつけてみた。


「お前さ、まだ俺に母娘丼をしてほしいわけ?」

「中元さんは嫌なの?」

「体は喜んでるんだが、理性とモラルが全力で拒否してる」

「そんなんどっか捨てちゃいないよ。ってか体は準備オッケーなんじゃん」


 ……男のサガなのである。 

 仕方ないのである。


 リオ一人でも見てると変な気分になってくるのに、俺の好きな人妻系美女もいるとなると、どうもそわそわしてしまう。

 やはりここは早めに帰宅して頂くとするか。


 俺は美咲さんの方に向き直ると、それとなく「そろそろ帰らなくていいんですか?」と聞いてみた。

 

「仕事とかあるでしょう」

「今日は休みなの」

「じゃ、じゃあ家事とか……」

「大丈夫。土日はレオがやってくれることになってるから。あの子ああ見えて料理も洗濯もバッチリだし」


 あいつは本当にヤンキーなのだろうか?

 新しい情報が増えるたびにいいお兄ちゃんになってるんだが? まともな名前を授かってたら優等生に育ってたのかもな……なんて遠い目をしていると、右肩にリオがしながれかかってきた。

 それを見た美咲さんは、対抗意識でも抱いたのか左肩にしなだれかかってくる。


「わかってるんでしょ? あたしはパパがほしいんだよ」


 リオは熱っぽいで声で囁く。


「今日、あたしも母さんも安全日だよ」


 それは即ち――食品衛生法をクリアした親子丼というわけか。

 卵は殺菌済み、鶏肉も過熱済み、冷めないうちにお楽しみ下さいと。そう言いたいのか、このけしからん母娘は!


「……唾液の味も似てるんだなぁ、親子ってのは」

「さいふぇー」

「げーのーじんのくちびるぅ……」


 気が付くと俺はリオと美咲さんを抱き寄せ、二人の唇を同時に吸うという犯罪行為に及んでいた。

 左右から差し込まれた母娘の舌が、俺の口内でちろちろと親子面談を行なっている。

 その後もベロ三者面談は行われ、体感で三分近く続けてしまった

 

 ……まあ、そのうちアンジェリカ達が起きて来て、妨害してくるだろうし。

 きっと俺のことを止めてくれるだろうし。

 

 だからそれまでの間、な。

 日頃の疲れを癒す息抜きとしてな。

 一線を越えない程度に、楽しませて頂くとしよう……。

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