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マイ フィロソフィ3   作者: 名草宗一郎
41/42

最後の恋 41

「さ〜て、やるか」

 僕は自宅の自分の部屋で英語の単語カードを開いてつぶやいた。今は夜の9時。あのあと、みんなと別れて自宅に戻り、風呂に入って、出たあと、一人で孤独の洞に少ししかないたいまつを灯し入っていった。

 まず、英文を書き写した単語カードを読もう。この英文をかき込むのが大変だとすりゃありゃしない。マジで血がにじむような努力で書き写していくんだ。一つ一つの単語を書くというのがどれだけ大変か。しかも僕の勉強法は一文をそのまま書き写していくんだが、英語で使われる一文がどれだけ長いことか!本当にやっている最中であくびがするほどめんどくさいんだ、これは。

 まあ、仕方ないな、覚えよう。まず一文。

she makes up and he obeys.

これはなんだっけ、まず、これはobeysがわからない単語だな。彼女は彼を作り上げた、何を?

 なんだっけ、obey,obeyだろ?obeyだからboyと似たような意味か?しかし、それは意味がわからんし、う〜む、めくるか。

 obey.他動詞、〜に従う。

 なるほど、従うか。と言うことはこれの意味は彼女は彼を従わせた、と言う意味だな。

 あ、思い出したぞ、この英文は少女が犬を飼うシーンがあって、その時犬をしつける一面か。しかし、obey何て覚えてられねえ、次行こう。

her sisiter leave from in my home if she gives raisin cookie her family’s dog .

 ライズン。なんだ?昇るか?昇るクッキー、意味が不明だ。明るい、クッキーをスライドさせると明るい、いやわけわからん。めくるか。意味は

 raisin 名詞 レーズン。

 なるほど、raisinはライズンではなくてレーズンだったか。

 全く英語は難しい。英単語を覚えること自体が苦痛だ。このこつこつ覚えることの苦しみと言ったら全く人がいない街で、家に火事が起きて、それを警告してまわるみたいな徒労感だけが残る。

 ちなみに意味はこうなるな。

 彼女の姉がいないときは彼女が家族の犬にレーズンクッキーを与えます。

 なるほど、ちゃんと意味が通ってる。

 僕はそうやってどんどん(あり)の足で川を渡っていった。その川には不慣れだったので不器用に渡った。

 よし、次で打ち止めとするか。

 Mother`s whereabouts are not so easy to predict.

これはなんだ?whwreaboutsはwhereとaboutだよな?どこで、そのあたりになるし、つまりどういうことだ?どこで、そのあたりになるから、つまり、なんだ?どこら辺という意味か?

 それにpredictってなんだ?なんだっけ?意味がわからん。母はどこら辺簡単ではない。Predictが簡単ではない。なんだっけ、これは?

 僕は一つため息をしてめくることにした。

 これから覚えていけばいいよな。ただ、predictって基本な単語だったような気がするが、まあ、それは無視しよう。

Whereabout 副詞 どの辺に、どの辺で(正確な答えが期待できないときに用いる)

 Predict 他動詞 〜を予言する

 こんな事になるな。つまり、母がどこにいるのか予測するのが簡単ではない、と言う意味だな。

 全くわからんかった。しかもpredict.は基本的な単語だし、覚えないとな。

 そう、僕は思ってカードを机においた。

 そろそろねるか。今日も勉強づくめだったし、ねてから明日のことを考えよう。筆記道具をしまって、布団に入って、それじゃあお休み。

 闇の世界が広大に僕の前に横たわる。その暗黒の世界で考えることがツクシのようにぽつぽつと黒の芽がでてくる。今日はさんざんだったな。普通にとりわけなにもなかったけど、こんな勉強を毎日続けることなんて苦痛でしかない。こんなのを続けるなんて、それだけで暗鬱(あんうつ)だ。

 僕はそうやって暗闇のなかで一人自分の言葉の輪っかに回り続けた。

 回り続けていたが、次第に意識が遠のいていった。夜の闇がぽっかり僕を飲み込み、闇の扉が閉じた。


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