表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/39

処刑

「予想以上に集まってきている兵が多いですね」


レリエルの処刑場の準備が終わり、レリエルの罪について偉そうな奴が話しているときにゼリエルが言ったのだった。

俺らが待機しているところまでは、距離が離れすぎていて何を言っているのだか聞こえてこない。

おそらくどうでもいいことを言っているのだろうと思った。


俺とリリさん、ゼリエル、ミカの4人で、レリエルが処刑されると言われている場所にきたのはまだ日が昇る前の時だった。

そして、日が昇り出し明るくなってきた頃、人が徐々に増えてきて、処刑台の準備をし出したのだった。



「では、行ってくる 」


俺はそう言って、ゼリエルにリリさんをなんかあったときに守らせて、魔王軍の方にゆっくりと歩いて行ったのだった。


野次馬をかき分けて、レリエルの処刑台の方にゆっくりと歩いて向かっていく。

レリエルは棒に鎖につながれ、鞭の傷がつき、うなだれていた。


俺がゆっくりと近づいていっても誰も攻撃はしてこなかった。

だが、兵士達全員が魔法で攻撃をする準備をするために、呪文の詠唱を始めている。



「大丈夫だったかレリエル?」


「ーーえっ。

本当にきてくれたんだ。

裏切って本当にごめんね」


レリエルは泣きながら言ったのだった。


「いちお、確認だけど、もう騙してないってことでいいんだよな?」


レリエルは俺をまっすぐに見て、無言でうなずき、


「もう、絶対にアレン様を裏切らないわ」


と言ったのだった。


「わかった」


俺はそう言って、レリエルがつながれている鎖をはずしだしていく。


魔王軍は、俺が一番隙ができるその瞬間を狙っていたのだろう魔法の攻撃が飛んできた。

だが、それに対して、《混沌》を使ってレリエルと一緒に自分の周りを包み込む。

そして中は暗くなる。

魔法の攻撃の仕方からレリエルのも容赦なくあたるようなやり方なので、レリエルは本当に魔王に処刑されようとされてるのだろう。


「アレン様。本当にありがとうございます。

助けに来ていただいて……」


レリエルは下を向いて恥ずかしそうに言ったのだった。

レリエルは続けて話す。


「あの……。

アレン様がこの魔法を使ったところを見ているのでそとから中がまったく見えないって知ってはいるのですが……。

確かにアレン様にすべてを捧げると言いましたが……」


「んっ?どうした?」


レリエルはなぜこんなときに恥ずかしがってもじもじしているのだろう?


「こんな敵の真っただ中でエッチなことをしようだなんて大胆すぎると思います」


レリエルは上目づかいで言ってきたのだった。

こんな可愛い顔で、恥ずかしがりながら言われると、つい手を出したくなってしまう。

だが、レリエルの言う通りにこんな状況でしている場合じゃない。


「それで、体は大丈夫?なんだか鞭にうたれたような跡があるけど……」


「大丈夫です」


「そうか」


俺はそう言ってできる限り回復魔法をかけたのだった。


「それで、これからどうされるのですか?」


「このまま黒い物体だけ残して、安全な場所へ瞬間移動をしようと思っている」


「わかりました」


レリエルはそう言いながらうなずいた。

そして、レリエルは鞭にうたれた体が傷ついているので、抱きかかえゼリエル達のところに戻ったのだった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ