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「どうしたの?急に?」


俺が来たとき、リリさんはなにもやることがなく退屈そうな顔をしていた。

だが、俺がいきなり部屋に瞬間移動してきたので驚いた声をあげたのだった。

部屋にはリリさんだけ。当然といえば当然か。


「リリさんに話がありまして」


俺は真剣な顔をして、リリさんに話しかけた。


「なんなの?急に?」


リリさんは不思議そうに聞いてきた。


「単刀直入に言うと、魔王城から出ないか?」


「どういう意味?」


俺が言っていることが訳がわからないといった表情をしている。

というか、共有言語でない言葉を俺が話したような顔をしている。


「魔王城を捨てて、1からやり直しませんか?」


「嫌よ。絶対に。せっかく先代達ができなかった魔王城を占領ができてるのに。

それを捨てるなんてできないわ。

なんでそんなことを急に言い出したの?」


リリさんは怪訝そうな顔をして聞いてきた。


「リリさんはずっとこの部屋にこもっている理由にも関係してます。

現在の状況で、魔王城を本当に占領をしてると言えますか?」


「ーーつっ……。

黙りなさい。アレンの力で抑え続ければいいじゃない」


「それがちゃんとできてないから言ってるのです。

たとえばレリエルは、リリさんを殺してもいいと思っているでしょう。

そして、俺が戦争とかで出てるときに、リリさんが襲われたり、毒を飲まされたらどうするつもりなのですか?」


俺は必死になって説得した。

自分でリリさんを説得しようと色々考えているうちに、やっぱりこのままでは、魔王城を維持できないと判断したからだ。

魔王城をちゃんと運営できるだけ、自分の信頼できる仲間をこれから集めなきゃいけない。


「レリエルはアレンの奴隷でしょ。

そういうことが起こらないようにちゃんとしつけなさいよ」


レリエルは俺の奴隷なのだ。

だから俺の命令に従わなければいけないが、リリさんにしたがう必要はない。

リリさんもせっかく手に入れた魔王城を手放さないように必死だ。

だが、そこに間違いがある。

リリさん自身の力で手に入れてない以上、それはまがいものなのだ。

今度、魔王城を征服するときは、リリさん自身にもっと強くなってもらう必要があるのかもしれない。

村人以上のレベルに。いやもっとだな。う〜ん、目標設定に困るが……。



『ドンドンドン、ドンドンドン』


俺とリリさんが話していると、ドアをものすごく強くたたく音がしてきた。

ドアの向こうには、10人程度いるだろうか。殺気を感じる。

この部屋のドアをたたいているってことは、リビングに勝手に入ってきているのだろう。

リリさんの命を狙ってきたのだろうか?

俺はドアから誰が入ってきても大丈夫なように、リリさんとドアの間に入った。


『ドゴォォォォン』


ドアを勢いつけて破ったのだった。

やはり、鎧を着た者が10人いた。槍をみんな持っていて、今にも突き出そうとかまえている。

だが、一番後ろに鎧を着てないものがいる。


(ーーレリエルだ)


なぜレリエルがここに?

レリエルがこの鎧を着た者たちを集めて行動を起こしたのだろうか?

仮に指示をしてなくても、共犯であることは間違いないだろう。ここに一緒にいるのだ。

立場的に、鎧を着た者たちの行動をとめることができただろうに。

レリエルも俺の姿が見えて驚いた顔をしている。

そして、鎧を着た者たちをおしわけて、近づいてこようとしている。


(だが、こうなった以上、今はレリエルの話を聞きたくない)


もし、レリエルの事情を聞くのであれば、リリさんの安全を確保してからだ。

レリエルと話しているあいだに、鎧を着た者たちが隙を見つけてリリさんを槍で刺すってことも考えられる。

リリさんはなにもできずいとも簡単に死んでしまうだろう。

そんな事態にしてはダメだ。


俺は、いったん魔王城がある国のそとに瞬間移動をしたのだった。

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